福聚講

平成20年6月に発起した福聚講のご案内を掲載します。

「お墓参りの仕方は?」

2011-09-20 | 供養
1.お墓の意味
お墓はもともとお釈迦様のお舎利を基に造られました。長阿含経第四には『時に拘尸國人は舎利の分を得て、即ちその土に於て塔を起して供養す。波婆國、人遮羅國、羅摩伽國、田比(ビ、一つの字)留提國、迦繊羅衛國、田比(ビ、一つの字)舎離國、摩竭國阿闍世王等は舎利の分を得終わりて、各其國に帰て塔をおこして供養す。・・』
とあります。これが中国、日本ときて墓の上に死者を供養するため仏様のお姿である塔をたて死者の成仏を祈るようになったものです。「中国では相輪の数によって階級を決め、八重は如来、七重は菩薩、六重は縁覚、五重は羅漢、三重は斯陀含、二重は須陀含、一重は転輪王、一般佛徒の墓は相輪のない無縫塔にしたのである(仏教考古学論攷)」とあります。現在においてもお墓には五輪塔などを建て、大日如来や、お釈迦様,観音様などをお迎えしたと観念して(魂を入れて)造っています。

2、お墓参りの意味
1、に述べたようにお墓は死者の成仏を佛様に祈って造ったものですから、お墓参りも佛様に祈りその功徳を死者の霊の成仏に向けていただくものです。

3、お墓参りの時期
春秋の彼岸、お盆、年末年始、命日などはお参りするといいと思います。しかも早めがいいのです。先祖霊が当日お墓に帰ってきたとき何の供養もしてないとがっかりしますから。
彼岸の仏事は806年(大同元年)早良親王のために諸国の国分寺の僧に命じて「七日金剛般若経を読ましむ」のが始です(『日本後紀』)。
彼岸に仏事をするのは日本独特の風習ですがお盆は印度以来のものです。
佛説盂蘭盆経には「七月十五日、七世の祖先から現在の父母までの為にいろいろなものをお供えして同時に十方の大徳・衆僧を供養すれば父母も先祖も親族も解脱し三途の苦しみを出ることができる」とあります。
基本的にはこうした時期プラス人生の節々にはおまいりすべきでしょう。


4、お墓参りの作法
お墓参りも2、の意味に従った作法が求められます。そしてできれば午前中にいきます。まちがっても夕方や暗くなってからお墓にいくべきではありません。
まず、口や手を清浄にします。そして墓が寺の中に在る場合、本堂のご本尊にお参りします。このときできればお寺には何がしかのお布施をつつむべきです。望ましいのは塔婆を建てる事です。塔婆は大日如来のおすがたですからこれをお墓に建てると大変な功徳が生じます。福聚講でときどき行う先祖供養のときの塔婆を持っていって建てるといいのですが・・・。此の塔婆は朽ちて土に帰るまで立てておきます。
次に、あらい桶などに水を入れお墓を洗い清めます。このとき洗剤は禁止です。石がいたみますし、墓石は僧侶がおがんで真言ならば大日如来の魂をいれていますので墓石そのものが仏様です。墓石を仏様のお体と思えば自然のままに水で洗うのがいいのです。草を抜いたりしてお墓を清浄にした後は、持参したお菓子、果物をお盆にのせてお供えし、お線香、ローソクをつけます。酒類や生臭いものは生前の死者の好物であったとしても上げるべきではありません。あくまでも仏様に差し上げるつもりでお供えをしてください。

5、お経はお寺のご本尊、自宅の仏壇のご本尊やいつも信仰している仏様にあげるのです。福聚講のかたはいつもあげているように、般若心経、観音経、諸真言、光明真言、などを仏様に向けてあげればいいのです。その功徳を仏様が先祖に回向してくださるのです。またお経の余韻はまわりのお墓にも間接的におよびます。高野山の墓守のひとの言によるとお墓参りがあると必ず強い風が吹いてくるといいます。

6、お供え物はもってかえります。鴉などが荒らします。帰りはあまりうろうろしないほうがいいと思います。関係ない墓地にはよほど行を積んでない限り気軽に立ち入らないことです。高野山の行者で一時変になった人もいます。

7、以上ですが要は仏様にお参りするつもりですべておこなうことです。また時々は僧侶に読経回向をたのむべきです。なおご希望があれば講員にはボランテイアでつとめます。
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