福聚講

平成20年6月に発起した福聚講のご案内を掲載します。

地蔵菩薩三国霊験記 5/14巻の14/17

2024-08-09 | 先祖供養

地蔵菩薩三国霊験記 5/14巻の14/17

十四、無実を免る霊験

中古、六波羅蜜寺の地蔵に年久しく歩みをはこぶ事侍りて、志切に現當を祈奉る女性あり。はからざるにをそろしき目に逢ふて後、人の手にわたり一間なる處に追籠めるめてをきけり。然るに彼の請取の役人不思議の夢を見たり。皃顔(顔貌)誠に端正たる小僧の出現し玉ひて此の比(このごろ)の預りたる女性は我が不憫に思ふ者なり。殊更此の人露ばかりの過失なし。悉く無實の事なり。容(ゆる)すべし々。我は是六波羅蜜の邊に旅宿する僧なり。皃(容貌)こそ斯の如く不肖なれ、毛頭虚言なんど申す法師ではなきぞ。若し万一も聞き定めたる事あらば此の法師をいかやうにでも罪に行へと涙を流して言けると思へば夢覚めぬ。あまりの現成の事なれば奉行の頭に此の由を訟へんと行向けるに奉行の曰く、此方より断り申さんと思ひしによく来たり。此方にも如是の事あり、いかさま奇妙の事なり。其の女急ぎ連れ参れとて彼女を召し寄せて、汝が近く知る者の中に六波羅蜜邊にいかなる法師かあると問ふ。女の云く、曽って知る僧なきの由を申し述ぶ。然らば常にいかなる事をか行ふと女の云く、我等の事に侍らば何の美々しき事も候はず、思ふ宿願の侍りて六波羅蜜密寺の地蔵菩薩に年久しく参詣したりしが此のほど此の如く咎に逢ひ奉りて歩みは止め侍れども心中の祈求片時も忘る事なく侍るとぞ申しける。奉行、事の由を聞きてさては此の薩埵の悲しみ玉ひて如是に御示現ありけるなん。假令何罪ありとも許容の沙汰などか名からん。」此の上は何方へも行くべきとて放しけるに、此の女の曰、何方へ行くべき方なく侍ると云へば、是非なくして召抱へけるに心正直にして貞心いふばかりなし。故に其の家室にし侍るとなん。有難き御利生なり。

引証。本願經に云、二十八種の利益を得ん。乃至十九は諸横消滅云々(地藏菩薩本願經囑累人天品第十三「若未來世有善男子善女人。見地藏形像及聞此經。乃至讀誦香華飮食衣服珍寶布施供養讃歎瞻禮。得二十八種利益。一者天龍護念。二者善果日増。三者集聖上因。四者菩提不退。五者衣食豐足。六者疾疫不臨。七者離水火災。八者無盜賊厄。九者人見欽敬。十者神鬼助持。十一者女轉男身。十二者爲王臣女。十三者端正相好。十四者多生天上。十五者或爲帝王。十六者宿智命通。十七者有求皆從。十八者眷屬歡樂。十九者諸横銷滅。二十者業道永除。二十一者去處盡通。二十二者夜夢安樂。二十三者先亡離苦。二十四者宿福受生。二十五者諸聖讃歎。二十六者聰明利根。二十七者饒慈愍心。二十八者畢竟成佛」)。

 

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