福聚講

平成20年6月に発起した福聚講のご案内を掲載します。

法力に遠近なし

2020-03-11 | 法話
法力に遠近なし

東日本大震災後9年になります。いまでも行方不明の方が数千人もいらっしゃいます。震災直後仙台市の若林地区の捜索現場で読経させていただいたときに「行方不明のままで遺体があがらない時はどう考えればいいのでしょう」と地元の方に尋ねられたことを思い出します。その時は「祈りはどこにでも必ず届きますら・・・」と答えるのが精一杯でした。いままで、この答えで果たしてよかったのかと自問自答してきましたが、最近,
この答えでやはりよかったのだという確証が得られました。
それは「発菩提心論」に「・・凡そ、今の人、もし心決定して教の如く修行すれば、座を立たずして三摩地現前し、於是に本尊の身を成就すべし。」とあり、さらにお大師様の「秘蔵宝鑰」に「大毘盧遮那経にいわく『悉地は心より生ず』。金剛頂経に説くがごとし、『一切義成就菩薩初めて金剛座に坐し、無上道を取證して遂に諸仏に此の心地を授かることを蒙ってしかしてよく果を證す』。およそ今の人、もしよく心決定して教えの如く修行すれば座を起たずして三摩地現前し、ここに本尊の身を成就すべし」とあり、高野雑筆集にも「法力に遠近なし。千里すなわち咫尺なり(どんなに離れていても供養は届く)」。性霊集の理趣釈答書にも「遮那の三密は何れのところにか遍せざらん。汝が三密は即ちこれなり」とありました。
 いずれも修法において物理的距離は問題にならぬとおっしゃっているのでした。今日も各地で大震災供養の法要・祈りが行われていますが離れた地で行われていても必ずその供養は届きます。
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