福聚講

平成20年6月に発起した福聚講のご案内を掲載します。

福聚講 今日の言葉  

2013-07-23 | 法話
「カオスは物理学者が『蝶効果』と呼ぶもので例示されます。ギアナの一羽の蝶の羽ばたきがパリに雨をふらせるというものです。・・精神的出来事の面では蝶効果はもっとずっとはっきり出ます。単なる一つの想念が世界的な大変動をひきおこすこともあります。憎しみや野心が世界戦争を起こすことがあるように、私たちの行為の基にある動機がほんのちょっと変わるだけでとんでもない状況の変化につながるのです。・・仏教にとっては偶然も必然も不十分な考え方です。どちらも分析に耐えません。どんな結果も原因なしにはおこりえないけれど原因とその相互作用の可能性はあまりにもたくさんあるので・・理論的に第1原因にまでさかのぼれるような因果性を考え付くことは不可能なのです。・・そうなると科学のカオス論と驚くほどよく似てくる。・・『すべてはすべてと相互作用を伴う』マッハはマクロの物体についてそう表現しています。フーコーの振り子の実験では振り子が宇宙全体に合わせて自己の運動を調整していることが分かりました。人間の間で色々画策されることも宇宙の広大さの中で決定されるのです。」



『雑宝蔵経』の「オウムの恩返し」という仏教説話には『森の動物たちに助けられたオウムがその森の火事に対して一羽だけで羽を水にぬらして火を消そうとしましたが、その水は、2~3滴しか落ちませんでした。周りに笑われますがオウムは 私がお世話になった仲間が火事で大変な目にあっているのを見逃せません、どんなに非力でも水を運びます、といって、せっせと水を運び続けると奇跡が起こり大粒の雨が降ってきて火事が消えた』という話があります。一人でも非力でも覚悟を決めて取り組めば必ず無限の連鎖反応が起こり道は開けるということです。「一念三千」という言葉もあります。本来は一念の中に三千世界を含むという意味でしょうがさらに考えると「一念」が三千世界を動かすともいえると思います。

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