福聚講

平成20年6月に発起した福聚講のご案内を掲載します。

福聚講・今日の言葉

2012-08-04 | お大師様のお言葉
「それこの身は虚空より化生するにもあらず、大地より変現するにもあらず、かならず四恩の徳によりてこの五陰の躰(色、受、想、行、識の五蘊の仮和合している人躰)を保つ。

いわゆる四恩とは一には父母、二には国王、三つには衆生、四には三宝なり。

我を生じ我を育するは父母の恩。高さ天よりも高く、厚さ地よりも厚し。身を粉にし命を損しても、いずれの劫にか報ずることを得ん。

父母我を生ずというといえどももし国王なくんば、強弱相戦い貴賤劫奪し、身命保ちがたく、財宝何ぞ守らん。万生の室宅に安んじ、四海の康哉(やすらか)を与え、その官邑を封じ、その爵録を授けて、現世の顕栄をなし、後裔の美声を流すは、国王の力よくしからしむ。

衆生我において何の恩徳かある。われはこれ無始よりこのかた四生六道の中に父となり子となっていずれの生おか受けざる、いずれの趣にか生ぜざる、もし恵眼をもってこれを観ずれば、一切の衆生はみなこれ我が親なり。この故に『経』(大乗本生心地観経報恩品)にいわく「一切の男子はこれ我が父なり、一切の女人はこれ我が母なり、一切の衆生はみなこれわが二親・師君なり。ゆえに衆生の恩よろしく報酬すべし」と。

世間の父母はただ一期の肉身を育い、国王の恩徳もまた凡身を助く。もしよく生死の苦を断じ、涅槃の楽を与うるは三宝の徳なり。思疑すべからず。三宝とは一には仏宝、二には法宝、三には僧宝なり。仏宝はすなわち一切智智を具し、衆生に正路を示す。法宝は即ち、難思の功徳を具して、よく持者をして世間出世間の楽を与えしむ。佛と法とかくのごとくの功徳ありといえども、もし僧宝なくんば流通することを得じ、僧というは菩薩声聞等の別あり。もしくは菩薩もしくは声聞、凡聖を論ぜず、持破を簡ばず、経論を講伝し、人に智慧を授くるもの、みなこれ僧宝と名ずく。。

ほのかに聞く、三世の如来、十方の菩薩、四恩の徳を報じてことごとく菩提を証す。・・」
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