風雅和歌集 釈教歌
2030 番
待ちかねてなげくとつげよみな人に いつをいつとていそがざるらん
此の歌は善光寺如来の御歌となむ
2031 番
いそげ人弥陀のみ舟のかよふ世に のりをくれなばいつかわたらむ
かの御歌につきて、聖徳太子の読み給へるとなん
2032 番
補陀落の海をわたれる物なれば みるめもさらにおしからぬかな
是は長治の比、ある人目しゐたる子をあひぐして、粉河寺に詣でて、彼の子をひざにすへてなくなく祈り申すとて、「ふだらくの海におふなる物なれば子のみるめをば給へとぞ思ふ」とおもひつづけてまどろみたりける夢に、観音の示し給ひけるとなん
2033 番 法花経序品のこころを 西行法師
ちりまがふ花の匂ひをさきだてて 光をのりのむしろにぞしく
2030 番
待ちかねてなげくとつげよみな人に いつをいつとていそがざるらん
此の歌は善光寺如来の御歌となむ
2031 番
いそげ人弥陀のみ舟のかよふ世に のりをくれなばいつかわたらむ
かの御歌につきて、聖徳太子の読み給へるとなん
2032 番
補陀落の海をわたれる物なれば みるめもさらにおしからぬかな
是は長治の比、ある人目しゐたる子をあひぐして、粉河寺に詣でて、彼の子をひざにすへてなくなく祈り申すとて、「ふだらくの海におふなる物なれば子のみるめをば給へとぞ思ふ」とおもひつづけてまどろみたりける夢に、観音の示し給ひけるとなん
2033 番 法花経序品のこころを 西行法師
ちりまがふ花の匂ひをさきだてて 光をのりのむしろにぞしく