第四章 煩悩
第一節 心のけがれ
一、仏性をおおいつつむ煩悩に二種類ある。
一つは知性の煩悩、二つには感情の煩悩。
この二つはあらゆる煩悩の根本的な分類であるが、このあらゆる煩悩の根本となるものを求めれば、一つには無明、二つには愛欲となる。
この無明と愛欲とはあらゆる煩悩を生み出す自在の力をもっている。そしてこの二つこそ、すべての煩悩の源なのである。
無明とは無知のことで、ものの道理をわ . . . 本文を読む
Q,山伏問答 とは
A, 「山伏問答」とは、本物の山伏かどうかを尋ねる問答であり、勧進帳の中にも「山伏問答」がでてきます。
--------------------------------------------------------------------------------
【山伏問答の例】
答者 案内申す。案内申す。
問者 承け給う。承け給う。旅の行者、住山何れなりや。 . . . 本文を読む
第三章 さとりの心
第三節 とらわれを離れて
四、この仏性は金剛石のように硬いから、破壊することはできない。砂や小石に穴をあけることはできても、金剛石に穴をあけることはできない。
身と心は破られることがあっても、仏性をやぶることはできない。
仏性は実にもっともすぐれた人間の特質である。世に男は勝り女は劣るとするならわしもあるが、仏の教えにおいては男女の差別をたてず、ただこの仏性を知ることを尊い . . . 本文を読む
第三章 さとりの心
第三節 とらわれを離れて
三、赤白黒とさまざまに毛色の違った牝牛でも、乳をしぼると、みな同じ白い乳を得るように、いかに境遇が異なり、生活が異なっていても、人々はみな同じ仏性をそなえている。
例えば、ヒマラヤ山に尊い薬があるが、それは深い草むらにあって人々はこれをみつけることができない。昔一人の賢人がいて、その香りを尋ねて、ありかを知り、樋をつくって
その中に薬を集めた。しかし . . . 本文を読む
スッタニパータ
【 第一 蛇の章 】
--------------------------------------------------------------------------------
<1、蛇>
--------------------------------------------------------------------------------
1 蛇の毒 . . . 本文を読む
第三章 さとりの心
第三節 とらわれを離れて
二、それなら人々はみなこの仏性を備えているのに、どうして貴賎・貧富という差別があり、殺したり、欺かれたりするような厭わしい事がおこるのであろうか。
例えば宮廷に仕える一人の力士が、眉間に小さな金剛の珠玉を飾ったまま相撲をとり、その額を打ち、珠が膚の中に隠れてできものができた。力士は珠をなくしたと思い、ただそのできものを治すために医師に頼む。医師は一目 . . . 本文を読む
第三章 さとりの心
第三節 とらわれを離れて
一、このように人には仏性があるというと、それは他の教えでいう「我」といなじであるとおもうかもしれないがそれは誤りである。
さとったひとにとっては「我」否定されなければならない執着であり、仏性は聞き現されなければならない宝である。仏性は我ににているが、「われあり」とか「わがもの」とかいる場合の我ではない。
我があると考えるのはないものをあるととかんが . . . 本文を読む
第三章 さとりの心
第二節 かくれた宝
六、昔一人の王があって、象を見たことのない人を集め、目隠しをして象に触れさせて象とはどのようなものであるかをめいめいに言わせた。象の牙に触れたものは、象はおおきな人参のようなものであるといい、耳に触れたものは、象は扇のようなものであるといい、鼻に触れたものは杵もようなものであるといい、足にふれたものは臼のようなものであるといい、尾にふれたものは、縄のようなも . . . 本文を読む
第三章 さとりの心
第二節 かくれた宝
五、仏とはすでに成ってしまった仏であり、人々は将来まさに成るべき仏であってそれ以外の相違はない。
しかし成るべき仏ではあるけれど、仏と成ったのではないから、すでに道を成し遂げたかのように考えるなら、それは大きな過ちを犯しているのである。
仏性はあっても修めなければ現れず、現れなければ道を成し遂げたのではない。 . . . 本文を読む
美人物理学者リサランドール女史はわれわれの住む3次元世界は5次元世界に張り付いている膜のようなものといっています。女史の説明では3次元世界で消えたと観測される素粒子も5次元世界からみると単に3次元世界を通り抜けただけということのようです。「不生不滅」を物理学でいうとこうなるのかもしれません。。
ノーベル物理学候補リサランドール女史の5次元理論
. . . 本文を読む
第三章 さとりの心
第二節 かくれた宝
五、むかし、ある男が友人の家に行き、酒に酔って眠っているうちに、急用で友人は出かけた。その折、友人はその男の将来をきずかい、宝石を襟にぬいつけておいた、
自分の襟に宝石があるとは知らず、その男はそのご他国へさすらい、衣食に困窮した。
その後再び友人に再会したとき、友人は「おまえさんの襟に縫いこまれている宝石をつかえばいい」と教えられた。
この例えのごと . . . 本文を読む