福聚講

平成20年6月に発起した福聚講のご案内を掲載します。

教育は高い共感力を養うためにある。

2020-06-14 | 法話
人間は高い共感力によって複雑な社会を維持してきた。それは他者の気持ちや経験を身体化し、共有する中で紡がれるものであり、科学技術によって代替することはできない。それを会得するには社会学習をする長い成長機関が必要であり、教育はそのためにあるといっても過言ではない。・・(山極寿一「人間社会の由来と未来」(あんじゃり)) . . . 本文を読む
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日本農士学校設立の趣旨

2020-06-14 | 法話
昭和6年に安岡正篤がつくった「日本農士学校設立の趣旨」なる一文があります。今日の世相にぴったりですので記録しておきます。 「日本農士学校設立の趣旨 (安岡正篤 人間に取って教育ほど大切なもののないことは言ふまでもない。国家の命運も国民の教育の裡に存すると古人も申して居る。真に人を救ひ世を正すには、結局教育に須たねばならぬ。然るにその大切な教育は今日如何なるありさまであろうか。  今日の青年は社 . . . 本文を読む
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華厳経十住品に説く十悪の業果

2020-06-14 | 諸経
華厳経十住品に説く十悪の業果。 「この十不善道は上なる者は、地獄の因縁、中なる者は畜生の因縁、下なる者は餓 鬼の因縁なり。 (殺生の罪) 中に於いて殺生の罪は能く衆生をして地獄・畜生・餓鬼に堕せしむ。若し人中に生ぜば二種の果報を得る。一は短命。二は多病。 (劫盜の罪) 劫盜之罪も亦た衆生をして三惡道に堕せしむ。若し人中に生ぜば二種の果報を得る。一は貧窮。二は共財自在を得ず。 (邪婬の罪) 邪婬の罪 . . . 本文を読む
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覚れば一切が自分の姿

2020-06-14 | 法話
「覚れば一切が自分の姿」 世の人々は、この世を沙婆世界といいこれは相対的世界であり、これに対して絶対的覚りの世界があるように思っているがこれは妄念である。 絶対世界と相対世界が対峙してあるわけではない。絶対=相対、妄念=覚り、世の様々な違い=実は同じ、である。金剛界と胎蔵界が表裏一体であるといわれるように、また「色即是空、空即是色」といわれるように差別界=平等界である。 このように考えて無我 . . . 本文を読む
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捨身飼虎等の四大前世譚普及の物語るもの

2020-06-14 | 法話
1、弱肉強食は古来不条理の最たるものとみなされてきました。 司馬遷はこの歴史をみて「天道是か非か」といい、宮沢賢治も「よたかの星」で「ああ、かぶとむしや、たくさんの羽虫が、毎晩僕に殺される。そしてそのただ一つの僕がこんどは鷹に殺される。それがこんなにつらいのだ。ああ、つらい、つらい。僕はもう虫をたべないで餓えて死のう。いや、その前に、僕は遠くの遠くの空の向うに行ってしまおう。」といっています。 お . . . 本文を読む
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胸中正からざれば眸子眊し

2020-06-14 | 法話
昨日「幹部公務員の不祥事続発は教育の欠陥・信仰心の欠如・・」という趣旨のブログを書きましたが、最近マスコミに出現する政財官界人は正視に耐えない方々ばかりです。なにをもってそうか?行動もそうですがなによりも「目」です。目が濁りきっています。目は口ほどにものをいいともいいます。 孟子に「人を存(み)るには眸子(ぼうし)より良きはなし。眸子はその悪を奄(おお)ふこと能わず。胸中正しければ眸子も瞭(あき . . . 本文を読む
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金光明最勝王経・捨身品第二十六

2020-06-14 | 諸経
金光明最勝王経・捨身品第二十六 (佛は投身した王子摩訶薩埵は今の釈迦で、昔の父國王は今の淨飯父王。昔の母・后妃は摩耶夫人。三兄弟のうち長子は彌勒、次子は文殊。投身した釈迦を食べた虎は今の姨母(摩訶波闍波提・釈迦の叔母であるが摩耶夫人が早く亡くなったので養母として釈迦を育てた。後に釈迦が悟りを得ると、最初の比丘尼となった)七虎子は大目連・舍利弗・五比丘である、と説きます。殆ど菩薩本生鬘論・投身飼虎縁 . . . 本文を読む
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各省幹部公務員の不祥事が頻発

2020-06-13 | 法話
最近またしても各省幹部公務員の不祥事が頻発しています。現役最高幹部の破廉恥罪や汚職罪的な行動、いたいけな幼児を殺傷する交通事故を起こしても恬として恥じないOB、等々当方も霞が関にいたものとして恥ずかしい限りです。 役人の質が落ちるということは国家的大損失です。しかしこれは明治以来の教育制度が生んだもので宿痾は深いものがあります。昭和6年に安岡正篤がつくった「日本農士学校設立の趣旨」なる一文がありま . . . 本文を読む
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殺生の業果

2020-06-12 | 法話
華嚴經に。十不善業の久遠長時。其苦報相続することを説く中に。於中殺生之罪。能令眾生。墮於地獄。畜生。餓鬼。若生人中。得二種果報。一者短命。二者多病。・・・殺生の罪は衆生を地獄餓鬼畜生におとす。もし人間界に生まれても短命、多病になる。とある。(大方廣佛華嚴經、十地品第二十二之二。) 此殺生の罪は自ら佛性に背く。此人間世界天地生育の理に違ふ。人の人たる道に背く。此に由て自性法界清浄妙心の中に地獄を建 . . . 本文を読む
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財閥創始者・経済人の信仰

2020-06-12 | 法話
財閥創始者・経済人の信仰 鈴木正三は「万民徳用」で、どんな職業でも衆生済度の仏行であるとして、「世法即仏法」といいました。つい最近まで財界人・経済人と言われる人たちも今のように拝金主義ではなくまさに「経済活動即仏法」ということをわきまえていました。順不同ですが記録しておきます。 ・住友財閥の創始者は涅槃宗僧侶の住友正友です。江戸幕府により涅槃宗(注1)が取り潰されたので、京都烏丸に書物と薬の店 . . . 本文を読む
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三千院門跡・堀澤祖門師の説法

2020-06-12 | 法話
三千院門跡・堀澤祖門師は、1929年新潟県小千谷市出身。京都大学経済学部在学中に千日回峰行者叡南祖賢大阿闍梨の下で得度、久しく途絶えていた「十二年籠山行」を復活させた方です。 印度日本山妙法寺や臨済宗大徳寺で修行するなど八宗兼学の高僧です。この方が以前テレビ「比叡の光」の中で「現代世界の危機の原因は『自我』に取り付いているところにある」「(世界にとって)『空』を体験し自我を薄めることが大切」「覚る . . . 本文を読む
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決められた通りに修法すれば霊験を得られる

2020-06-11 | お大師様のお言葉
秘蔵宝鑰 「大毘盧遮那経にいわく「悉地は心より生ず」。金剛頂経に説くがごとし、「一切義成就菩薩初めて金剛座に坐し、無上道を取證して遂に諸仏に此の心地を授かることを蒙ってしかしてよく果を證す」。およそ今の人、もしよく心決定して教えの如く修行すれば座を起たずして三摩地現前し、ここに本尊の身を成就すべし。 (大日経悉地出現品にいわく「悟り・霊験はこころより生ずる」と。また金剛頂経には「お釈迦様は初め . . . 本文を読む
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「地獄はなくてはならないがそこから免れる道もなくてはならない」(出家とその弟子)

2020-06-11 | 法話
「地獄はなくてはならないがそこから免れる道もなくてはならない」 「親鸞 私は地獄がなければならぬと思います。その時に、同時に必ずその地獄から免れる道が無くてはならぬと思うのです。それでなくてはこの世界がうそだという気がするのです。この存在が成り立たないという気がするのです。私たちは生まれている。そしてこの世界は存在している。それならその世界は調和したものでなくてはならない。どこかで救われているもの . . . 本文を読む
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疫病退治の神様は「老婆」であること。

2020-06-10 | 法話
山梨の疱瘡神社のご神体は老婆であるという記事がありました。 コロナは咳に悩まされるようですが 柳田国男「日本の伝承」には「咳のおば様」として、本所の証顕寺の石像、築地の稲葉対馬守の中屋敷の石像、広島市の空鞘八幡の道祖神、川越の広済寺、甲州の八田、上総俵田の子守神社、下総臼井の石の小さな祠、高崎の大師石、長岡長福寺の十王堂等が紹介されています。昔の日本人も咳には特別に悩まされていたようです。 . . . 本文を読む
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衆生、妄想を造作し、心をもって心を生ず

2020-06-10 | 法話
「無妄想時、一心これ一仏国。妄想ある時、一心これ一地獄。衆生、妄想を造作し、心をもって心を生ず、故に常に地獄に在す。菩薩、妄想を観察し、心をもって心を生ぜず、故に常に仏国に在す。もし心をもって心を生ぜずば、すなわち心、空に入る。『小室六門(達磨大師)』」という禅語があります。人は体や顔は毎日鏡を見て手入れをしても、心はほったらかしで、むしろ毎日俗世間の垢(妄想)をこれでもかこれでもかと我が心にこす . . . 本文を読む
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