SAILIN' SHOES

デジタル一眼、ライカ等でのスナップ写真や、カメラ、音楽、鉄道・車、子育ての日々雑感です。

逃亡くそたわけ / 絲山秋子

2022-08-13 | 読書感想

大好きな絲山秋子の長編小説。

私の中では絲山秋子さんは、絲山秋子Aさんと絲山秋子Bさんが居る。

逃亡くそたわけは絲山秋子Aw。

絲山さん節があちらこちらにある。

躁うつ病で精神病院に入院した福岡大の女子が、同じく入院していた「なごやん」という慶応卒の男子と

病院を脱走して、昔のルーチェで九州の国道を南へ逃げながら、各地を巡る話。

絲山さんは実際に行ったような感じ(いや行ってるかも)で書くので、リアル感がある。

二人の会話が絲山さんらしく、方言や地方都市に関しての描写がいつも通り鋭いし、

男女の意識の違いや、起伏を書くのが上手い小説家なのだ。

その辺を味わいたい人に向いている。

この辺の細かい機微や雰囲気をTVや映画であらわすのは難しいと思うのだが、

この小説は何と映画化されている。

見てみたい気持ちがする。

 


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