若いころは村上春樹が好きだった。
一応、出たものは大方読んだ。
基本的には読後感の残る小説家で、すごいとは思わないけれど、なかなかだ。
今回の久々の短編集は70歳前後の村上春樹の短編集のようだが、さてどうか。
文庫本になるまでは待たずに初版を買ってしまった。
結論から言えば、良くもあり、大したことも無い。
短編によって差が大きい。
まだ若くて村上春樹を初めて読むのであればやめた方が良い。
初期の作品から読むべき。
ずっと読み続けてる読書好きならば読んでもいいけれど、ここ40年もあれば
優れた作家がたくさん出てきたので、最高峰ではありえない。
ただし、やっぱり気になる作家だ。
どの話も村上春樹節が相変わらず炸裂していて、80年代や90年代なら許せても
今は許せない部分もある。
例えば、登場人物のファッションについていちいち描写する部分は今は要らない。
昔のメンズクラブ好きなのか。薄っぺらい。
翻訳したような但し書きのある文章は嫌だ。
(海外向けに翻訳することを前提にしてるのか。)
作者が若いころを思い出してそれをフィクションにしてるのは悪くないけれど、
50歳以上でないと辛い部分か。
それほどでもないと言いつつ、外出して読み終わって、帰りに古本屋で昔の村上春樹を買ってしまったというのは、
やはり何らかの影響力を出してくる作家ではあるか。
ジャズやクラシックやロックが好きで、バブル期を経験していて、ファッションにも興味があって、
回りくどい言い方が苦にならない人限定www。
でもこれからも読むと思います。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます