前回に続き、アルファ・ケンタウリへの旅(その2)で、宇宙船の実現性について検討する。
米国海軍の最新式航空母艦に「ジェラルド・R・フォード」 級というのがあって、これをモデルとすると具合の良い宇宙船が建造可能であることが判明。
[ジェラルド・R・フォード級の諸元]
・総重量 約10万トン
・乗員 4,460名
・発電能力 192,000Kw
・耐用年数 50年(燃料交換無しに就役可能)
[恒星間宇宙船の諸元]
・総重量 約10万トン
・乗員 約100名
・発電能力 同等 (同等:推力としては10,000kW程度で充分)
・耐用年数 同等
・動力 原子力発電 と推進用の特別エンジン(反物質エンジンとか?)
H2型ロケットが総重量500t位だから10万tの宇宙ロケットというのはとてつもない大きさ、こんなのは地上で作っても打ち上げるのが無理だから、当然宇宙空間か月の裏側ででも造るしか無い。
建造方法はディアゴスティーニ方式、つまり毎月パーツを宇宙空間の放り出して10年間位掛けて組み立てる。
10年掛けて宇宙船を建造し、0.3年の間g(9.8m/s^2)で加速し、17年間光速の3割で航行し、0.3年の間gで減速し、3年間程あちらでうだうだ過ごして、同様にして17.6年掛けて、何とか50年以内に帰って来る。
これなら今世紀には間に合いそうだ。
さて10万tの船を宇宙空間で常にg(9.8m/S^2)で加速するために必要なパワーを計算すると、
P=f*S/t=(m*g*s)/t=m*g*v ⇒ 100,000,000[kg]*9.8*9.8 =9,604 [Kw] << 192,000[Kw]
つまりは件の空母と同じ程度の原子力発電機を積み込めば電力は充分に確保できる。
推進エンジンについても反物質エンジンなんてのが真面目に研究されているらしい、充分な原発の電力で何とかやりくりで来たら良いのだけれども。
反物質と普通の物質が接触すると対消滅を起こし、物質の質量はすべてエネルギ―に変わるらしいから、メチャクチャ効率が良いらしい。(原爆は1/1000、水爆は1/100程度とのこと)
資金調達は、世界の富豪50人から一族の誰かをこの旅行に連れてくことを条件に寄付を募る、他は空母やら潜水艦の建造をホンの少し我慢して費用を捻出する。これの見返りは名誉。
なお乗員100名のうちの残り50名(50名は何の役にも立たないだろうし、働きもしないだろうから)は宇宙船の維持に必要な技術者や科学者。
(そんな題材の昔の映画があった。「邦題:地球最後の日」)
When Worlds Collide - Trailer
さて宇宙船のデザインはもちろんこれ↓