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Mikuのブログ

日銀法改正の意義

2012-12-27 17:41:34 | 政治・国防・外交・経済

[HRPニュースファイル499]

日銀法改正の意義


 日銀法とは何か

安倍首相が金融緩和だけではなく、日銀法改正も口に出し始めました。そこで、今回は日銀法改正の意義を検討していきます。

内閣官房参与の経済担当として入閣が予想されているイェール大学の浜田宏一名誉教授が参画する意義は、前回のHRPニュースファイル492で述べました。

浜田教授の最新刊『アメリカは日本経済の復活を知っている』(講談社)を紐解くと、やはり日銀法の改正にも言及されていますので、後ほど紹介します。

まず、問題となる日銀法のどこが問題なのでしょうか。

現在の日銀法は、正確には「新日本銀行法」と呼ばれています。97年に成立し、98年から施行されています。その中で、第三条の一には次のように明記されています。

「日本銀行の通貨及び金融の調節における自主性は、尊重されなければならない。」

文章だけを見れば別におかしなことは何もありません。ただ、背景事情を知ることで違う世界が見えてきます。というのは、日銀は旧大蔵省の影響下で金融政策は制限されていたため、独立性の確保は日銀の念願だったからです。

現在、大蔵省は財務省に名前を変えて金融政策にはほとんど関与しなくなりました。いわゆる「財金分離」と呼ばれ、増税や財政出動は財務省が、金融政策は日銀、金融監督は金融庁が担当することになりました。

98年当時では、独立性の高い中央銀行を持っていれば、マクロ経済の安定に寄与するという研究が主流でした。

実際、筆者が大学院生時代には、若田部昌澄教授(当時は助手)が主催した勉強会で、カルフォルニア大学バークレー校のD・ローマー教授が執筆したAdvanced Macro Economics(翻訳は『上級マクロ経済学』日本評論社。今でも必読テキストの一つ)を使っていました。

このテキストでも、独立性の高い中央銀行とマクロ経済の安定は正の相関関係にある実証研究が紹介されていました。



 日銀の最大の目的は物価の安定

日銀の金融政策の最大の目的は「物価の安定」です(本年他界された三重野康元日銀総裁の霊言『平成の鬼平へのファイナル・ジャッジメント』でも同じことを述べていた)。

日銀法第二条には、「日本銀行は通貨及び金融の調節を行うにあたっては、物価の安定を図ることを通じて国民経済の健全なる発展に資することをもって、その理念とする」と書かれています。

この条文も、それ自体は正しいのです。 しかしながら、日銀マンは物価の安定こそが大事であって、経済成長や雇用に関する優先順位は低い と言わざるを得ません。

すると、何が起きるか、簡単な思考実験をしてみましょう。

アベノミクスが効果を発揮して消費者物価指数が1%を超えたとします。日経平均株価も1万を超えて1万5千を超す状態が起きました。

典型的な日銀総裁ならば、「インフレ懸念」があると称して引き締めに入ろうとします。その結果、景気が悪くなっても、物価の安定が達成されれば問題がないと考えるのが日銀なのです(実際、2006年の金融引き締めが不況をもたらしたことは、高橋洋一教授らが指摘している)。

しかしながら、世界のほとんどの中央銀行には、経済成長と完全雇用の維持が明記されています。その代わり、目標達成の手段は自由です。中央銀行の独立性とは、目標達成の手段に関することなのです。

一方、日銀の目的は物価の安定のみです。だからこそ、20年間の平均経済成長率がゼロでも、日銀は動こうとしなかったわけです。

最近に来てようやく重い腰を上げ始めましたが、不十分です。これでは、世界の趨勢からは逸脱していると言わざるを得ません。

 

 日銀法改正の論点

日銀にはマクロ経済指数(インフレ率や失業率、経済成長率等)に対して結果責任がないので、日銀特有の内部論理がまかり通るのです。現在の新日銀法は、日銀の内部論理を法律によって保証してしまったようなものです。

だからこそ、安倍総裁や浜田氏らの経済学者から日銀法改正が提案されているわけです。

他には、学習院大学の岩田規久男教授や嘉悦大学の高橋洋一教授、早稲田大学の若田部昌澄教授が日銀法改正の理論的発信をしています。

また、自民党の山本幸三議員らの国会議員有志でも日銀法改正に向けて動ける議員が一定数います。彼らの主張は、以下の3つに集約されます(浜田氏同書p.177参照)。

  1.雇用の維持を政策目標にする

  2.金融政策への結果責任を明記する

  3.インフレ目標を義務付ける

幸福実現党も日銀法の改正は衆院選で明記し、日銀総裁その他役員の罷免権を主張しました。

当然の如く、銀の白川総裁を始め、強烈な抵抗をするのは目に見えています。同時に、日銀寄りのマスコミや御用学者からの批判も多く出ることは必至ですが、日銀法改正の最大のチャンスがやってきたのは間違いありません。

安倍首相の断固とした取り組みを期待するとともに、日銀側も本来の独立性とは何かを再考して頂きたいと祈念します。 (文責・中野雄太)
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東通原発「活断層の可能性」 無能な地震学者と政治家が日本を衰退させる

2012-12-27 17:32:02 | 政治・国防・外交・経済

東通原発「活断層の可能性」 無能な地震学者と政治家が日本を衰退させる!
http://www.the-liberty.com/article.php?item_id=5391
 
地震を予知できない地震学者(正確には地形学者)の判断によって、また一つ原発の再稼働に「待った」が掛かった。国の原子力規制委員会(島崎邦彦委員長代理、東大名誉教授・地震学)の専門家調査団は26日、東北電力・東通原発(青森)敷地内の断層について、「活断層の可能性がある」という最終判断を示した。
 
真上に原子炉などの重要施設がないため廃炉には至らないが、耐震対策が必要となり、東通原発は当面、再稼働できなくなる見通しだ。同委員会の「活断層の可能性」という判断は、廃炉が濃厚となった敦賀原発(福井)に次いで2例目。
 
だが、本誌や本欄でも再三、指摘しているが、2000年の鳥取県西部地震や、05年の福岡沖地震、07年の新潟県中越沖地震など、過去の大地震の多くが活断層と関係ない場所で起きており、逆に、地震後に新たな断層が見つかることも多い。
 
そもそも、地震予知計画が日本で始まって以来、予知に成功したケースはなく、1995年の阪神・淡路大震災や、2011年の東日本大震災などの大地震は、いずれもノーマークだった場所で起きている。また、関東平野では大きな地震が何度も発生しているが、深い部分で起こっているため、断層のずれが地表まで達することがなく、活断層として把握できないという。
 
誤解を恐れずに言えば、世界全体の地震の10分の1が日本で起きており、東京大学地震研究所のホームページには次のように記されている。「日本であれば、首都圏に限らず、どこであってもM7程度の地震が起きることが考えられます。日本の国土は地震によって作られてきました。日本で暮らす限り、M7程度の地震に備えることは最低情景ンですし、逆に、それを繰り返し乗り越えてきたから、今の私たちがあるのです」 
 
もはや、活断層の存在を基準に原発を止めることに、ほとんど意味はない。 
 
こうした議論を展開すると、「そもそも地震の多い日本に原発をつくることが間違いだ」と指摘する人もいるだろうが、M9.0の東日本大震災では、もっとも震源に近い女川原発(宮城)は自動停止して、ほとんど被害が出なかったばかりか、数百人の避難者の受け入れ先になった。日本の原発技術は世界一なのだ。 
 
福島第一原発の事故も地震ではなく、津波によって電源を失ったことが原因であり、もっと言えば、当時の菅民主党政権の不手際で被害が拡大した のである。
 
学者たちの努力には率直に敬意を払いたいが、地形学者や地質学者が、「これは活断層だ!」「ここにも活断層がある!」と、全国の原発を片っ端から潰していこうとする姿、そして、それを何も考えずに追認する政治家たちの無能さには怒りすら覚える。
 
今後も、美浜原発(福井)や志賀原発(石川)などの調査を予定しているが、同委員会の「活断層宣告」は、いまや原発にとっての「死刑宣告」になりつつある。この流れをどこかで断ち切らなければ、この日本が衰退してしまう。 
 
26日に発足した第2次安倍内閣では、石原伸晃氏が環境相兼原発事故相に就任した。同内閣は一刻も早く、原発嫌いの左翼政権がつくった、原発の「規制」を目的にした原子力規制委員会を、「原子力推進委員会」へと生まれ変わらせ、安全を確認した全国の原発を速やかに動かすべきである。 (格/晴) 


 
【参考記事】
2012年12月22日付本欄 「無能」地震学者が活断層探しで原発を止める「傲慢」
http://www.the-liberty.com/article.php?item_id=5345 
2012年12月19日付本欄 六ヶ所村で活断層探し 原発は再稼働を前提に議論せよ
http://www.the-liberty.com/article.php?item_id=5334

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「第二のバーミヤン」になるのか 中国企業による仏教遺跡の破壊は間近?

2012-12-27 17:27:58 | 中国・北朝鮮・共産党・尖閣国防問題

「第二のバーミヤン」になるのか  中国企業による仏教遺跡の破壊は間近!?
http://www.the-liberty.com/article.php?item_id=5390
 
「我々は石を壊しているに過ぎない」。2001年、世界遺産であるアフガニスタンのバーミヤンにある石仏を爆破した、武装組織タリバンのリーダーはそう話した。

破壊は、偶像崇拝を禁止したイスラムの教えに反するという理由からだった。しかしそのアフガンで、今度は中国企業による文化遺産の破壊が行われようとしている。
 
その舞台はメス・アイナク(Mes Aynak)という地域だ。ここには2600年前に建てられたとされる仏教寺院の遺跡があり、1000点を超える仏像や壁画など貴重な文化遺産が多数発掘されている。だが問題は、この遺跡が銅の鉱床の上にあるということだ。
 
鉱産会社の中国冶金科工集団公司(中冶集団)は2007年、アフガン政府と30年間にわたる銅の採掘契約を結んだ。30億ドル(約2500億円)規模のこの契約について、カルザイ大統領は「アフガン史上最も重要な経済計画のひとつだ」とコメントしている。
 
開発を始めるにあたっては猶予期間が設けられ、考古学者が遺産を発掘して保護できるようにした。しかし、その期限は年末で切れようとしている。発掘作業も、資金集めや機材の調達などで手間取り、思うように進まず、おまけに遺産は壊れやすく持ち出しが困難なものが多い。もしこのまま期限切れを迎えて、大規模な銅の採掘が始まれば、貴重な文化遺産が失われるだろう。
 
シルクロードの要衝に位置するアフガニスタンは、ネストリウス派キリスト教や、ゾロアスター教、仏教、ヒンズー教、ユダヤ教、イスラム教などが交流し、独自の文化遺産を持つ。また、メス・アイナクの地中には、5000年前の青銅器時代の遺産が埋まっている可能性もある。同国の宗教文化を傷つけるのは、人類がこれまでに築いてきた文明の遺産を損なうことでもある。
 
宗教を尊ぶ心の欠如した中国側の姿勢は責められるべきだが、自国の文化を“売り”に出してまでそうした国と商売せざるを得ない途上国の問題にも目を向けるべきだ。 
 
仏教を文化の基盤に持つ日本のような文明国は、こうした破壊を止めるようユネスコなどで働きかけるとともに、戦略的な途上国支援を行ってゆく必要がある。人類の宗教心や遺産を守るために、各国の経済発展や治安維持の手伝いをすることも重要な国際貢献である。 (呉)


 
【関連記事】
2012年12月23日付本欄 中国政府が新興宗教「全能神」を摘発 習近平体制による見せしめか
http://www.the-liberty.com/article.php?item_id=5352  
2012年10月25日付本欄 カナダと中国の投資協定が発効へ 「乗っ取り計画」には警戒が必要だ
http://www.the-liberty.com/article.php?item_id=5066  
2012年3月28日付本欄 中国のアフリカ投資はWin-Winを目指せ
http://www.the-liberty.com/article.php?item_id=4060

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安倍内閣発足 本当に「危機突破」内閣か? 中国の脅威にどう対処するか?

2012-12-27 17:23:40 | 政治・国防・外交・経済

安倍内閣発足 本当に「危機突破」内閣か? 中国の脅威にどう対処するか?
http://www.the-liberty.com/article.php?item_id=5389
 
第2次安倍内閣が26日、発足した。左翼色の強い民主党政権とは異なる顔ぶれだが、来夏の参院選までは、マスコミの批判や中国の横やりを入れられないよう、政権の「安全運転」を強いられる。しかし、果たして緊迫する国際情勢が、そのような余裕を与えてくれるだろうか。
 
発足した安倍内閣は、副総理・財務相・金融担当相に麻生太郎氏、外相に岸田文雄氏、環境相兼原発事故担当相に石原伸晃氏など、首相経験者や派閥トップが顔をそろえ、保守色を前面に出した布陣。党三役も、総務会長に野田聖子氏、政調会長に高市早苗氏という女性議員を起用するなど、清新なイメージを打ち出した。
 
だが、本欄でも紹介したが、衆院選で自民党の大勝予測が出始めたころから、国内外のメディアが「日本の右傾化に警戒せよ」と騒ぎ始め、北朝鮮がミサイル発射実験を行い、中国が尖閣周辺の空域を初めて領空侵犯するという事態が起こった。 
 
安倍氏は衆院選直後、周囲に「来年夏の参院選までは安全運転でいくしかない」と漏らしたというが、それを裏付けるように、25日の公明党の山口那津男代表との党首会談で交わした連立合意文書でも、憲法や外交・安全保障分野で、自民党が選挙中に掲げていた威勢のいいトーンから曖昧な表現に弱めている。 
 
その一方で、尖閣諸島周辺の海や空への侵犯を続ける中国は、最近、習近平指導部に近い学者が、とうとう「日中両国による尖閣諸島の共同支配」(25日付産経新聞)を提案するなど、日本侵略の機会を狙っていることを隠そうともしなくなっている。
 
その動きを予測したように、大川隆法・幸福実現党創立者兼党名誉総裁は11月、同党の研修局長・加藤文康氏との対談の中で、尖閣をめぐって日中両軍が対峙する事態に発展したとき、予想される安倍氏の対応について、次のような懸念を示した。 
 
「『中国に住んでいる日本人を全員ひっ捕らえて死刑にし、吊るした映像を流しても構いませんか』ということが問われたときに、機関銃であろうが、大砲であろうが、ミサイルであろうが、本当に撃てるでしょうか。『国家の主権よりも、人権のほうを優先します』と言うかもしれません」 (『幸福実現革命 ―自由の風の吹かせ方―』より抜粋)
 
「危機突破内閣をつくる」と公言した安倍氏だが、果たして、迫りくる危機を本当に突破できるか。憲法改正に配慮した政権運営も大切だが、今、求められるのは、「何が正しいか」を明らかにし、国民を率いる強いリーダーシップである。 (格)

 
 
【関連記事】
公開霊言対談抜粋レポート「幸福実現革命―自由の風の吹かせ方―」 2012年11月16日収録
http://www.the-liberty.com/article.php?item_id=5213 
【関連書籍】
幸福の科学出版HP『幸福実現革命 ―自由の風の吹かせ方―』 大川隆法著
http://www.irhpress.co.jp/products/detail.php?product_id=863

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