大峰正楓の小説・日々の出来事・日々の恐怖

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霧の狐道2

2008-01-18 19:32:45 | E,霧の狐道
 第一部 ( 爺婆と小学生の風景 )

 
 1、ウサギ


“ チリン、チリン、チリン。”

「 あれっ、何処かで鈴の音がしてる。」

地面に散らばった藁をしゃがんで集めていた吉沢由紀は、立ち上がってウサギ小屋を見回した。

「 ん、何て言った?」

俺は、由紀ちゃんに釣られて立ち上がった。

「 鈴の音が聞こえたのよ。」
「 俺は聞こえなかったけど・・。」
「 確かに聞こえたわ。」

俺は、ウサギ小屋の金網の上の方に引っ掛かって、ぶら下がっていた赤いポシェットを見て言った。

「 あるとしたら、この中かな。」
「 誰かが忘れて行った物だから触らない方がいいわよ。
 直ぐに忘れた事に気付いて取りに来るわ。」
「 でも、鈴の音が気になるんだろ。」
「 ポシェットを気にしていたのは貴ぴ~の方じゃない。」

 俺の名前は貴志だが、由紀ちゃんはいつも貴ぴ~と呼ぶ。
俺は、小屋に掃除に来た時からぶら下がっていたポシェットが気になっていた。
 ポシェットは、何故か小屋の内側にぶら下がっていた。
小屋に入って直ぐに俺が手を伸ばして取ろうとした時、由紀ちゃんから触らない方が良いと止められたので、今まで我慢していた。
俺は、背伸びをして金網のポシェットに手を伸ばした。




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