大峰正楓の小説・日々の出来事・日々の恐怖

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霧の狐道134

2008-10-24 19:36:27 | E,霧の狐道
 看護婦さんの横顔が見えるか見えないかの一瞬で、看護婦さんはカーテンの向こうに隠れた。

“ ナースキャップは被ってなかったな・・。”

普通、看護婦さんは髪を短くまとめてナースキャップを被っている。
それが俺の看護婦さんのイメージだった。
でも、その看護婦さんはナースキャップも無しで、髪を肩まで下ろしていた。
そして、下ろした髪で半分隠れていた横顔の僅かに見えた唇にドギツイ赤の口紅をつけていた。

“ 派手な赤・・・。”

カーテンの陰に、髪が少し揺れて鮮明な赤がサッと隠れたのだ。
間仕切りのカーテンが揺れている。

“ あ・・、やっぱり向こうのベッドに誰かいるんだ。
 返事が無かったのは、寝ていたからかな・・。”

看護婦さんは、サッサッと何か処置をして、風のように処置室から去って行った。
 看護婦さんが去って行ったとき、カーテンに触れたようで、手前にカーテンが少し引っ張れて移動し、隣のベッドの奥の端の方が見えた。

“ あ、男がいる。”

そこには、男の左の足先が見えた。

“ 汚い足・・・。”



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