大峰正楓の小説・日々の出来事・日々の恐怖

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☆(  しづめばこ P574 )                          

霧の狐道135

2008-10-26 20:16:28 | E,霧の狐道
足は薄汚れて土色をしていた。

“ やっぱり、先客がいたんだ。
 寝てるんだろうな・・、動かないし・・・。”

俺は、隣のベッドの下を見た。

“ スリッパとか、置いてないな・・。
 あの男の人は、裸足でベッドまで行ったのか?”

俺はしばらく汚い足を見ていた。
足はピクリとも動かない。

“ 疲れて熟睡してるんだ。”

 俺はカーテンを見た。
いつの間にかカーテンの揺れは止まっている。

“ カーテン、揺れてないな・・・。
 看護婦さんが行って直ぐに寝てしまったのか・・・。
 ちょっと前までカーテンは揺れていたけど・・。
 ずっと前から熟睡してたら、ジッとしているからカーテンは揺れないよな・・。
 さっきまで起きて動いていた・・・?
 動き回っているような気配もなかったけど・・・。
 それに、声を掛けたけど、返事が無かったよな・・・。
 音もしてなかったし・・・。
 無口な人とか・・・。
 でも、確かに揺れてたな・・・。
 変だな・・。
 ・・・・・・・・・。
 ・・・・・・・・・。
 でも、まあ、いいか・・・。”

 俺は疑問は残ったけれど、人がいることが確認できたので、一応、納得することにした。
見ていても、足は動きそうもない。

“ 見るのや~めた!”

足を見飽きた俺は、ベッドで上を向いて眼を瞑った。



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