足は薄汚れて土色をしていた。
“ やっぱり、先客がいたんだ。
寝てるんだろうな・・、動かないし・・・。”
俺は、隣のベッドの下を見た。
“ スリッパとか、置いてないな・・。
あの男の人は、裸足でベッドまで行ったのか?”
俺はしばらく汚い足を見ていた。
足はピクリとも動かない。
“ 疲れて熟睡してるんだ。”
俺はカーテンを見た。
いつの間にかカーテンの揺れは止まっている。
“ カーテン、揺れてないな・・・。
看護婦さんが行って直ぐに寝てしまったのか・・・。
ちょっと前までカーテンは揺れていたけど・・。
ずっと前から熟睡してたら、ジッとしているからカーテンは揺れないよな・・。
さっきまで起きて動いていた・・・?
動き回っているような気配もなかったけど・・・。
それに、声を掛けたけど、返事が無かったよな・・・。
音もしてなかったし・・・。
無口な人とか・・・。
でも、確かに揺れてたな・・・。
変だな・・。
・・・・・・・・・。
・・・・・・・・・。
でも、まあ、いいか・・・。”
俺は疑問は残ったけれど、人がいることが確認できたので、一応、納得することにした。
見ていても、足は動きそうもない。
“ 見るのや~めた!”
足を見飽きた俺は、ベッドで上を向いて眼を瞑った。
☆HOMEページに戻る。
HOMEページ