大峰正楓の小説・日々の出来事・日々の恐怖

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日々の恐怖 5月3日 ただいま

2015-05-03 20:09:03 | B,日々の恐怖



   日々の恐怖 5月3日 ただいま



 私の家は、私以外の母、父、姉が夜の仕事、いわばスナックとかキャバクラの仕事をしていて帰ってくるのが遅いんです。
夏になるにつれてだんだん帰りが遅くなり、1人でいる時間も増えてくるんです。
 1人の時間は嫌いじゃなくて、むしろ好きなんですが、その日、たまたま同じ日に父は親戚の葬式に母は祖母の葬式に行っていて、なんか気持ち悪いなと思っていました。
その日に家に帰ってくるのは姉だけで、2人で三日間ほど過ごすことになり、三日間遊びまくってやろうと思っていたのに、どんどん気持ち悪くなってきて横になっていました。

 何故私が葬式に参加していないのか。
それは母の祖母は外国人で父の親戚も外国人で、祖母の葬式も親戚の葬式も外国で行われることになったからです。
 しばらくして深夜1時頃、自分の部屋のドアに鍵をかけて部屋に閉じこもっていた私は、テレビをつけてチャンネルを回していたら心霊番組に目がとまりました。
 怖い話は好きなので見いってしまい、疲れてしまったのか、いつの間にか寝てしまった、と思います。


 ここらへんの記憶が、自分でもまだよく分かりません。


 私は家のドアが開いて、閉める音で目が覚めました。
姉がかえって来たんだなと思い安心しました。
 が、私は異変に気付きました。
外からは絶対開けることのできない自分の部屋のドアが開いていたんです。

“ 私の知らない何かが部屋の中にいる。”

一瞬でそう思い自分の部屋から出ようとしたら、体が動かないんです、目しか動かせないんです。
とっさに帰ってきた姉に助けてもらおうと思い、大きい声で、

「 姉ちゃん!」

と叫びました
するとドアの向こう側に人影が見えて、助かったとおもったんです。
 でもそれは姉の姿ではありませんでした。
全身が白い男の人でした。
 私はなぜか父だと思い、

「 お帰り。」

と言いました。
 そこでまた異変に気付きます。
自分の声じゃない声でお帰りと言ったのです。
 私は何が何だか分からなくなっていると、全身が白い男の人がかなりゆっくりと私の部屋に近付いていることに気付きました。
頭の中が混乱していた私は全身が白い男の人をじーっと見ていました。
 とうとう部屋の中に入ってきた時に、またある事に気付きました。
その男の人、目も真っ白なんです。
私はその時にやっとこの世のものでないものだと気付きました。
 どうなるんだろうと思っていたら、その男はつけっぱになっていたテレビを見て笑っていました。

「 かっかっかっかっか・・・・・・。」

ずっとその笑いが頭に響き、おかしくなりそうだったので、

「 あああああ・・・・・!」

と叫びました
 力んで閉じてしまった目を開けると、目の前に白い目と白い顔があり、そして、

「 ただいま。」

と私につぶやき、私は気絶しました。
 と、思ったら目が覚め、全身は汗だくになっていました。
するとドアが開いて、

「 ただいま~~!」

と姉が帰ってきました。
 姉は何も知らないので仕方ないですが、何もなかったように私にこう言いました。

「 3時頃から隣に住んでるおじいちゃんが、ずーっとうちらの家の前に立っとってん。
めっちゃ怖かったから、友達と電話してたら、いつの間にかおらんくなってたから、やっと今家ん中入れたわ。
こんな遅いのに、なにしてたんかな。」

時計を見るともう朝の5時でした。


 隣のおじいちゃんの死体が見つかったのは、この出来事の数時間後です


 愛する妻が死んでから、頭がおかしくなったんだと思います。
いつも妻の名前を呟いていました。
周りに住んでいる人たちも、避けるようになりました。
いつの間にか、無視されるようにもなりました。
もう生きていくのが辛かったんだと思います。
 もしかして、私の声じゃない声で、

「 ただいま。」

と言ったのは、愛する妻だったのかと思います。
 落ちがなく、話もへたくそですみません。
ノンフィクションです。
ちなみに、おじいちゃんの頭がおかしいって広めたのは私です。










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