日々の恐怖 11月29日 高校球児の朝は早い(2)
俺が答えられずにいると
「 私、呪いをかけられて今はこんな姿だけど、本当は12歳なの。
王子様がキスしてくれると呪いが解けるの。
王子様・・・、KISSして!?」
まぁこんな人がいることは知識としては知ってたけれど、目の当たりにすると心底驚くね。
「 ごめんなさい!」
と言ってその場を離れて、しばらくして後ろを振り向くと、老婆が追いかけてくる。
妙な歩き方なんだよ。
早歩きだったのかもしれないけど、下手なスキップみたいにな感じ、ピョコピョコって。
「 おうじさま~~~~~~!」
って、めちゃくちゃホラーだよ。
も~、駅まで猛ダッシュ。
学校についてからもそのことが頭から離れなかったし、帰りにまたあったらどうしようって考えて帰りは別の道を通った。
“ お~、無事帰宅できた。”
と思ったら・・・、いたよ。
家の前にいるよ、あの老婆が。
もう夜8時過ぎだよ?
俺が近づくと、
「 王子様・・・、キスしてください。」
ときたよ。
ちょっとホントになんなんだよ、この人。
急いで家に入って鍵を閉める。
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