日々の恐怖 1月25日 窓の外(4)
Aが見たというのは顔が半分潰れたおっさんだったと言った。
エメラルドグリーンの作業着を着てたって。
「 絶対違うって!」
ってお互いが主張して話が平行線になった。
俺が、
「 じゃあBとCも呼んで話を聞きましょう。」
と提案。
Aは、
「 は?なんでC?」
と怪訝な顔だ。
「 いやいやCもいたでしょ、階段から落ちて歩けなくなったCを俺とAが肩を貸してコンビニに逃げたじゃないですか。」
と説明しても、
「 絶対Cはいなかった。」
と言う。
驚くことに、
「 ていうか階段から落ちたのはお前だろ。」
と言う始末だ。
その後骨折したのが判明して××病院に入院した。
漫研のみんなでお見舞いにも行った。
サークルメンバーの腐女子がギプスにカードキャプターさくらに出てくる桃矢と雪兎のホモ絵を描いて、俺が、
「 このあと家族が見舞いに来るのに、どうするんだよ。」
って笑ってたらしくて、嘘とか勘違いとは思えないほど詳しく言う。
でも俺一回も骨折したことがないし入院もしたこともない。
後日、母親に確認したから間違いない。
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