日々の恐怖 2月18日 洞窟(2)
ところが、夏頃になって彼女に異変が始まる。
真夏で、皆は暑い暑いと言っているのに、彼女は暑さを感じることが無くなっていた。
それどころか、むしろ寒いくらいだった。
そして日に日にそれはエスカレートし、真夏なのにストーブをガンガンにして部屋で過ごすようになった。
しかし、それでも身体は暖まらず寒さで震えるほどになっていた。
さらに、それに加えてまた新たな症状が現れ始める。
彼女は無性に息苦しさを感じるようになっていた。
彼女は、
” これはきっと何かの病気だ、明日病院へ行こう。”
と思いベッドに入るが、その日はあまりにも息苦しく呼吸困難とも言える状態で、何度深呼吸しても息苦しさから逃れることは出来なかった。
そして意識が遠のくような感覚と共に、目の前が真っ暗になった。
ここは闇と静けさに包まれた世界。
酸素残量ゼロのボンベを背負った彼女が一人。
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