日々の恐怖 11月25日 障子(1)
十数年前、母が、
『 紫色のセーターを来た男が家の廊下を走っていった!』
と騒いだ。
その時まだ幼かった俺は、近鉄バッファローズの帽子を弄りながら、家に来た警察を見ていた記憶がある。
それから数年後、今度は父が、
『 そこの廊下に不審者がいた!』
と騒いだ。
その時は通報しなかった。
父が開業するに伴って俺と俺の両親は引越し、その家には祖父母だけが住む事になった。
そして今から4年程前、祖父母のお通夜の時の話。
俺と向かい合って正座していた親戚の子(3歳下)が真っ青な顔をして、顔を上下させていた。
” 体調でも悪くなったのかな?”
と思ったが大して気にしなかった。
慣れない正座で足痛かったし。
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