日々の恐怖 5月2日 電話ボックス(7)
それが頭の先が見え始めたのだ。
“ うわっ!?”
頭がゆっくりと徐々に競り上がって来る。
“ うわ~~~~~。”
そして、髪の生え際が見えたとき、
「 ねぇ・・・・、どうして・・・・。」
と女性の声がした。
友人はその声を聞いた瞬間、
「 ぐわっ!?」
と叫び、クルッと向きを変えて、トイレを飛び出し警察に電話した。
そして玄関でパトカーが訪れるのを待ち、警官が来ると両親も起きだしたので、皆に事情を話した。
警官は概略を聞くと、誰もいない付近を捜索して帰っていった。
その後、数日はバス停の前で停車しているパトカーが認められたが、その間もパトカーがいなくなった後も、もう女性が訪れることは無かった。
俺はその話を友人から聞き、やばいと感じた本当の理由を知った。
「 あの声を聞いた瞬間、怖気が走ったよ。
この世の声じゃないような気がする。
だってよ、最後のどうしては、囁くような小声だったのに、聞こえたのは壁の向こうではなく、顔の目の前で聞こえたんだ。」
友人は、その後トイレの窓は締め切って入るようになったと語った。
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