理化学研究所創発物性科学研究センター物質評価支援チームの橋爪大輔チームリーダー、東京大学大学院総合文化研究科の中西義典助教(JSTさきがけ研究者兼務)と共同チームの研究。
数時間から数日かけて得る単結晶構造解析結果を、数分で計測した予備的なデータから事前評価ができる技術を開発した。単結晶構造解析は、単結晶試料にX線を照射して数千から数万個のデータを計測して、それらをコンピューターで処理しながら行う。そのため、時間をかけてデータを計測、解析してからでないと、選別した試料が研究の目的に相応しいのか、精度の良い解析結果が得られたのかを確認することができない。現状における試料の選別やデータ計測の条件設定は、数分で行う予備計測の結果に基づいて熟練した研究者が「勘と経験」で行なっている。
研究グループは、熟練の研究者による「勘と経験」を統計解析に置き換える技術を開発し、経験が少ない研究者でも単結晶構造解析前に結晶内の分子を区別でき、また、精度の良い解析結果を得るために必要な計測条件を決定することを可能にした。本研究成果は、2019年8月22日(英国夏時間)に英国科学誌「Scientific Reports」のオンライン版で公開。
研究の内容
単結晶構造解析の高精度化と高効率化を目的にして、適切な試料の選別と計測条件の設定を行う研究技術を開発した。この開発では、統計解析技術の1つである「ベイズ推論」を応用して、結果(数分の予備計測で得られる数百程度のデータ)から原因(被験試料に固有の結晶構造パラメーター値)を推定可能にした。
開発した技術を異なる溶媒分子を含んだ2種類の多孔性物質結晶に適用した。それぞれの予備計測データから結晶構造パラメーター値を推定したところ、通常では数時間以上かけたデータ計測と単結晶構造解析を実行した後でしか確認できない溶媒分子の違いを、推定したパラメーター値の違いから単結晶構造解析前に判別することができた。また、推定した結晶構造パラメーター値を結晶学の理論式に代入することで、予備計測に含まれないデータの分布を調べることもできる。本研究では、被験試料固有のデータ分布から長時間かけたデータ計測における誤差の影響を最小化する計測条件を設定し、化学結合の形成による原子周辺の電子密度分布の変形を理論的な予想と一致する精度で観察することに成功した。
今後の展開
単結晶構造解析に熟練している研究者でなくても、本研究で開発した事前評価を行うことで、研究の目的に相応しい試料の選別や計測条件の設定を効率よく行えるようになる。また、この事前評価は全てコンピューターで実行可能であることから、従来の試料の選別や計測条件を設定する人為的作業を、将来的にはコンピューターで置き換える自動化技術への発展が期待される。
◆用語解説
〇ベイズ推論
ある事柄の原因を観察された結果(データ)から推定する統計解析方法。
ベイズの定理と呼ばれる数学(確率論)の定理に基づいている。原因が結果を生み出す順過程に対して、ベイズ推論は結果から原因を導く逆過程のアプローチである。
〇溶媒分子
他の物質を溶かすことができる物質(一般的に常温常圧で液体)を構成する分子。単結晶試料は被験物質を適当な溶媒に溶かして、それを蒸発させて得ることが多いが、溶媒分子を含んだ単結晶が析出することがある。
〇多孔性物質結晶
分子の大きさと同程度の穴(細孔)がある構造を有する結晶。穴を利用することで、分子の分離、交換、貯蔵などを行うことができる。これらの機能の詳細を調べる目的で、単結晶構造解析を利用する場合が多い。
今日の天気は曇り、雨が降りそうな厚く黒い雲、晴れそうな明るい雲、雲の変化が大きい。最高気温は25℃程とすごしやすい。
畑での”ゴーヤ”。花が咲き、果実がなり、成りすぎた果実もある。今年は、何時もより不作、・・長雨やら日照りやらの影響かな。
”ゴーヤ”はウリ科のツルレイシやニガウリの名称であるが、沖縄料理の普及から、沖縄での”ゴーヤ”の名が知られている。花はウリ科であるので雌雄異花。未成熟な果実には苦みがあるが、熟すと黄色となり甘くなる。食材としては独特な苦みを持つ未熟な実を用いる。果実はイボイボだらけのキューリの様で、未成熟果実の色は暗緑・緑・緑白、形はズングリ・細長などと色々な品種がある。
暑さ対策の「緑のカーテン」で”ゴーヤ”は有名。グリーンカーテン(緑のカーテン)とは、蔓性の植物の葉で部屋の遮光などをするものである。”ゴーヤ”は最適で、植物の葉だから天然の空調機能があり、成った果実は食用となり、一石二鳥となる。因みに、雌花は親蔓にはあまりできないので、親蔓は本葉が5枚程で摘芯して、子蔓・孫蔓を出させると良い。
ゴーヤ(通称)
別名:苦瓜(にがうり)、ツルレイシ(蔓茘枝)
英名:Bitter melon
学名:Momordica charantia
ウリ科ニガウリ属
つる性の一年生草本
雌雄異花
原産地はインド(熱帯アジア)
雌花は中央の蘂(しべ)が黄緑色でチビニガが付いている
雄花は中央の蘂が黄色(花粉)、咲いても夕方には花が落ちる
果実は開花後、2~3週間位で収穫できる
数時間から数日かけて得る単結晶構造解析結果を、数分で計測した予備的なデータから事前評価ができる技術を開発した。単結晶構造解析は、単結晶試料にX線を照射して数千から数万個のデータを計測して、それらをコンピューターで処理しながら行う。そのため、時間をかけてデータを計測、解析してからでないと、選別した試料が研究の目的に相応しいのか、精度の良い解析結果が得られたのかを確認することができない。現状における試料の選別やデータ計測の条件設定は、数分で行う予備計測の結果に基づいて熟練した研究者が「勘と経験」で行なっている。
研究グループは、熟練の研究者による「勘と経験」を統計解析に置き換える技術を開発し、経験が少ない研究者でも単結晶構造解析前に結晶内の分子を区別でき、また、精度の良い解析結果を得るために必要な計測条件を決定することを可能にした。本研究成果は、2019年8月22日(英国夏時間)に英国科学誌「Scientific Reports」のオンライン版で公開。
研究の内容
単結晶構造解析の高精度化と高効率化を目的にして、適切な試料の選別と計測条件の設定を行う研究技術を開発した。この開発では、統計解析技術の1つである「ベイズ推論」を応用して、結果(数分の予備計測で得られる数百程度のデータ)から原因(被験試料に固有の結晶構造パラメーター値)を推定可能にした。
開発した技術を異なる溶媒分子を含んだ2種類の多孔性物質結晶に適用した。それぞれの予備計測データから結晶構造パラメーター値を推定したところ、通常では数時間以上かけたデータ計測と単結晶構造解析を実行した後でしか確認できない溶媒分子の違いを、推定したパラメーター値の違いから単結晶構造解析前に判別することができた。また、推定した結晶構造パラメーター値を結晶学の理論式に代入することで、予備計測に含まれないデータの分布を調べることもできる。本研究では、被験試料固有のデータ分布から長時間かけたデータ計測における誤差の影響を最小化する計測条件を設定し、化学結合の形成による原子周辺の電子密度分布の変形を理論的な予想と一致する精度で観察することに成功した。
今後の展開
単結晶構造解析に熟練している研究者でなくても、本研究で開発した事前評価を行うことで、研究の目的に相応しい試料の選別や計測条件の設定を効率よく行えるようになる。また、この事前評価は全てコンピューターで実行可能であることから、従来の試料の選別や計測条件を設定する人為的作業を、将来的にはコンピューターで置き換える自動化技術への発展が期待される。
◆用語解説
〇ベイズ推論
ある事柄の原因を観察された結果(データ)から推定する統計解析方法。
ベイズの定理と呼ばれる数学(確率論)の定理に基づいている。原因が結果を生み出す順過程に対して、ベイズ推論は結果から原因を導く逆過程のアプローチである。
〇溶媒分子
他の物質を溶かすことができる物質(一般的に常温常圧で液体)を構成する分子。単結晶試料は被験物質を適当な溶媒に溶かして、それを蒸発させて得ることが多いが、溶媒分子を含んだ単結晶が析出することがある。
〇多孔性物質結晶
分子の大きさと同程度の穴(細孔)がある構造を有する結晶。穴を利用することで、分子の分離、交換、貯蔵などを行うことができる。これらの機能の詳細を調べる目的で、単結晶構造解析を利用する場合が多い。
今日の天気は曇り、雨が降りそうな厚く黒い雲、晴れそうな明るい雲、雲の変化が大きい。最高気温は25℃程とすごしやすい。
畑での”ゴーヤ”。花が咲き、果実がなり、成りすぎた果実もある。今年は、何時もより不作、・・長雨やら日照りやらの影響かな。
”ゴーヤ”はウリ科のツルレイシやニガウリの名称であるが、沖縄料理の普及から、沖縄での”ゴーヤ”の名が知られている。花はウリ科であるので雌雄異花。未成熟な果実には苦みがあるが、熟すと黄色となり甘くなる。食材としては独特な苦みを持つ未熟な実を用いる。果実はイボイボだらけのキューリの様で、未成熟果実の色は暗緑・緑・緑白、形はズングリ・細長などと色々な品種がある。
暑さ対策の「緑のカーテン」で”ゴーヤ”は有名。グリーンカーテン(緑のカーテン)とは、蔓性の植物の葉で部屋の遮光などをするものである。”ゴーヤ”は最適で、植物の葉だから天然の空調機能があり、成った果実は食用となり、一石二鳥となる。因みに、雌花は親蔓にはあまりできないので、親蔓は本葉が5枚程で摘芯して、子蔓・孫蔓を出させると良い。
ゴーヤ(通称)
別名:苦瓜(にがうり)、ツルレイシ(蔓茘枝)
英名:Bitter melon
学名:Momordica charantia
ウリ科ニガウリ属
つる性の一年生草本
雌雄異花
原産地はインド(熱帯アジア)
雌花は中央の蘂(しべ)が黄緑色でチビニガが付いている
雄花は中央の蘂が黄色(花粉)、咲いても夕方には花が落ちる
果実は開花後、2~3週間位で収穫できる