分子科学研究所の平等拓範特任教授とドイツ電子シンクロトロン(DESY)、ハンブルグ大学、ELIビームラインなどの共同研究グループは、物質の非破壊検査などに応用されているテラヘルツ波を強力に発生させる技術を開発した。この新しいテラヘルツ波発生は、体育館ほどの大きさを実験室のベンチサイズほど小さな次世代粒子加速器の開発につながる画期的な方法である(6月25日)。
テラヘルツ波は電磁波の一種であり、赤外線とマイクロ波の中間に位置している。テラヘルツ波は粒子加速器の小型化にも寄与しており、テラヘルツ波の波長は現在の粒子加速器で使用されている電波の約1000分の1である。これは、加速器の構成要素の大きさも約1000分の1になることを意味する。
ただ、十分な数の粒子を加速するためには、狭帯域で強力なテラヘルツ波が必要である。本研究により、これが可能となった。ハンブルグ大学のMaier氏はテラヘルツ波の発生方法について「テラヘルツ波を発生させるために、2発の強力なレーザーパルスを、わずかな時間差をつけて「非線形光学結晶」(分子科学研究所が開発した特殊なLA-PPMgLN)と呼ばれる物質に入射します」と説明している。ここで用いるレーザーパルスには色のグラデーション(チャープ)が付けてある。つまり、1発のパルス中の前方と後方で、色が異なっている。このグラデーションの付いた2つのパルスを2発、わずかな時間差をつけてその結晶に入射することで、2つのパルスの、色が異なっている部分が重なることになる。Maier氏は「この色の違いが発生するテラヘルツ波のエネルギーに対応している。結晶”LA-PPMgLN”はこの色の違いを、テラヘルツ波に変換する」と述べている。
この方法では、2発のレーザーパルスを正確に同期させる必要がある。そのためには、元々1つだったパルスを2つに分けて、そのうち1つを少し迂回させて、再び重ねる。こうすると迂回したパルスはわずかに遅れることになる。ここで、元々のパルス内部の色変化が直線的であれば、2つのパルスを少しずらして重ねたときの色の違い(エネルギー差)は常に一定になります。しかし実際には色の変化は曲線的で、最初ゆっくり、その後速く変化するようになっている。
「これは、高エネルギーのテラヘルツ波パルスを発生させる上での大きな障害であった。本当はパルスの色変化を直線的にしたいのであるが、これはとても大変なのである」とMaier氏は述べている。この問題に対して、共著者のNicholas Matlis氏は、一方のパルスの色変化を少し引き延ばす、という重要な着想を得ました。引き延ばしても色の変化を直線的にすることはできないが、もう1つのパルスの色変化と「同じ曲線的変化」にすることはできる。そうすれば色の違い、つまりエネルギー差は常に一定になる。「一方のパルスに加えるべき変更は最小限で、驚くほど簡単である。短い特殊ガラスをレーザービームの経路に挿入するだけ。すると突然、テラヘルツ波出力は13倍強くなった」とMaier氏は述べている。ここで研究グループでは、分子科学研究所でしか作れない、非常に大きく特殊な非線形光学結晶”LA-PPMgLN”を用いる事で強力なテラヘルツ波の発生が可能となった。
Kartner氏は「これらの手法を組み合わせることで、0.6ミリジュールのテラヘルツパルスの発生に成功した。これは従来、光学的手段によって発生された、狭帯域(単色)テラヘルツパルスの10倍以上の値である。本研究は、この方法を用いれば、小型粒子加速器を実現するための、十分に強力で、狭帯域(単色)なテラヘルツパルスが発生可能であることを示している」と述べている。そして、この新発想を実現するためには分子研が創り出した特殊な非線形光学結晶”LA-PPMgLN”が不可欠との事で共同研究が実施された。
朝から雲多いが晴れ。朝晩はコートが必要な程だが、日が昇ると暑くなる。最高気温は24℃程。
駐車場に植えられている”フヨウ”に白い花が咲きだした。今時分に咲く同じ仲間(アオイ科フヨウ属)の”ムクゲ”と良く似ている。”フヨウ”は”ムクゲ”より葉が大きく、沢山付いている。”フヨウ”の花の印象は、葉の緑に点在する花である。花は1日花であるが、蕾が待機しており、日々次々と開花する。
フヨウ(芙蓉)
アオイ科フヨウ属
落葉低木(丈は2m~3m)
開花時期は8月~10月
花径は10~15cm、花色はピンク・白色
樹形は、ムクゲは上に伸びる直線的な形、フヨウは枝分かれのある横広の形
ムクゲ(槿)と似た花であるがメシベの先が曲がっている
テラヘルツ波は電磁波の一種であり、赤外線とマイクロ波の中間に位置している。テラヘルツ波は粒子加速器の小型化にも寄与しており、テラヘルツ波の波長は現在の粒子加速器で使用されている電波の約1000分の1である。これは、加速器の構成要素の大きさも約1000分の1になることを意味する。
ただ、十分な数の粒子を加速するためには、狭帯域で強力なテラヘルツ波が必要である。本研究により、これが可能となった。ハンブルグ大学のMaier氏はテラヘルツ波の発生方法について「テラヘルツ波を発生させるために、2発の強力なレーザーパルスを、わずかな時間差をつけて「非線形光学結晶」(分子科学研究所が開発した特殊なLA-PPMgLN)と呼ばれる物質に入射します」と説明している。ここで用いるレーザーパルスには色のグラデーション(チャープ)が付けてある。つまり、1発のパルス中の前方と後方で、色が異なっている。このグラデーションの付いた2つのパルスを2発、わずかな時間差をつけてその結晶に入射することで、2つのパルスの、色が異なっている部分が重なることになる。Maier氏は「この色の違いが発生するテラヘルツ波のエネルギーに対応している。結晶”LA-PPMgLN”はこの色の違いを、テラヘルツ波に変換する」と述べている。
この方法では、2発のレーザーパルスを正確に同期させる必要がある。そのためには、元々1つだったパルスを2つに分けて、そのうち1つを少し迂回させて、再び重ねる。こうすると迂回したパルスはわずかに遅れることになる。ここで、元々のパルス内部の色変化が直線的であれば、2つのパルスを少しずらして重ねたときの色の違い(エネルギー差)は常に一定になります。しかし実際には色の変化は曲線的で、最初ゆっくり、その後速く変化するようになっている。
「これは、高エネルギーのテラヘルツ波パルスを発生させる上での大きな障害であった。本当はパルスの色変化を直線的にしたいのであるが、これはとても大変なのである」とMaier氏は述べている。この問題に対して、共著者のNicholas Matlis氏は、一方のパルスの色変化を少し引き延ばす、という重要な着想を得ました。引き延ばしても色の変化を直線的にすることはできないが、もう1つのパルスの色変化と「同じ曲線的変化」にすることはできる。そうすれば色の違い、つまりエネルギー差は常に一定になる。「一方のパルスに加えるべき変更は最小限で、驚くほど簡単である。短い特殊ガラスをレーザービームの経路に挿入するだけ。すると突然、テラヘルツ波出力は13倍強くなった」とMaier氏は述べている。ここで研究グループでは、分子科学研究所でしか作れない、非常に大きく特殊な非線形光学結晶”LA-PPMgLN”を用いる事で強力なテラヘルツ波の発生が可能となった。
Kartner氏は「これらの手法を組み合わせることで、0.6ミリジュールのテラヘルツパルスの発生に成功した。これは従来、光学的手段によって発生された、狭帯域(単色)テラヘルツパルスの10倍以上の値である。本研究は、この方法を用いれば、小型粒子加速器を実現するための、十分に強力で、狭帯域(単色)なテラヘルツパルスが発生可能であることを示している」と述べている。そして、この新発想を実現するためには分子研が創り出した特殊な非線形光学結晶”LA-PPMgLN”が不可欠との事で共同研究が実施された。
朝から雲多いが晴れ。朝晩はコートが必要な程だが、日が昇ると暑くなる。最高気温は24℃程。
駐車場に植えられている”フヨウ”に白い花が咲きだした。今時分に咲く同じ仲間(アオイ科フヨウ属)の”ムクゲ”と良く似ている。”フヨウ”は”ムクゲ”より葉が大きく、沢山付いている。”フヨウ”の花の印象は、葉の緑に点在する花である。花は1日花であるが、蕾が待機しており、日々次々と開花する。
フヨウ(芙蓉)
アオイ科フヨウ属
落葉低木(丈は2m~3m)
開花時期は8月~10月
花径は10~15cm、花色はピンク・白色
樹形は、ムクゲは上に伸びる直線的な形、フヨウは枝分かれのある横広の形
ムクゲ(槿)と似た花であるがメシベの先が曲がっている