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汎用元素のみで構成する熱電発電モジュールの開発に成功

2019-09-07 | 科学・技術
 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)、物質・材料研究機構(NIMS)、アイシン精機 (株) 、茨城大学は、環境調和性に優れる鉄-アルミニウム-シリコン系熱電材料を高性能化させ、低温熱源を用いてのIoT機器の駆動やBLE通信が可能となる発電量を得る事に成功し、この熱電材料を使った熱電発電モジュールを世界で初めて開発した(2019年8月21日発表)。
 容易に入手できる汎用元素のみで熱電材料を構成するため、従来のビスマス‐テルル系化合物による熱電発電モジュールに比べて熱電材料費を1/5以下と大幅に削減できる可能性があり、モジュール全体の製造コストの低減と量産化が見込まれる。また、熱的安定性や耐久性にも優れることから、各種IoT機器と組み合わせた自立電源一体型システムの開発へと大きく前進することが期待される。
 近年、さまざまなデータを活用する超スマート社会の実現に向けIoT機器の爆発的増加が予想されており、多数のIoT機器に電力を供給する小型自立電源の開発が求められている。中でも、温度差を利用する熱電発電はその一翼を担う発電技術として期待されている。しかし、これまでの熱電材料は希少元素や毒性元素が含まれており、環境中のわずかな温度差を利用した自立電源として大規模な普及を目指すためには、環境調和性・耐酸化性・機械特性を併せ持ち、室温から200℃までの低温度域で高い出力を得られる高性能な熱電発電モジュールの開発が望まれていた。熱電発電モジュールの開発には、希少元素や毒性元素を含まない熱電材料の高性能化と、信頼性を持つ接合技術、量産化が可能なモジュール化技術を確立する必要がある。
 これらより、4者は2018年度から鉄-アルミニウム-シリコン系熱電材料の高性能化とモジュール化の技術開発事業を進めてきた。今回、鉄-アルミニウム-シリコン系熱電材料を高性能化させ、低温熱源を用いてのIoT機器の駆動やBLE通信が可能となる発電量を得る事に成功し、この熱電材料を使った小型熱電発電モジュールを世界で初めて開発した。この熱電発電モジュールは容易に入手できる汎用元素のみで構成されるため、従来のビスマス-テルル系化合物による熱電発電モジュールに比べて熱電材料費を1/5以下と大幅に削減できる可能性があり、モジュール全体の製造コストの低減と量産化が見込まれる。また、熱的安定性や耐久性にも優れることから、各種IoT機器と組み合わせた自立電源一体型システムの開発へと大きく前進することが期待される。
 本成果を通じて、将来の増加が予想されるIoT機器への電力供給を目指し、室温から200℃までの低温度域での微小温度差を用いた自立電源の本格的な普及と社会実装を推進する。
 材料開発を主に担当した物質・材料研究機構 熱電材料グループ 主任研究員の高際良樹氏は、今回の成果について「(研究期間が)わずか1年以内とスピード感のある研究ができた。地殻存在量の2~4位の元素で構成しているのが最大のメリットで、(ビスマス・テルル系材料と比較して)材料費を5分の1以下にするコストダウン効果がある。また、新材料は安全かつ無害な物質であるため社会実装を拡大する面でもメリットがある」と解説した。
 ◆用語解説
 〇IoT機器
 IoT機器とは温度などの物理的・化学的情報から人間の五感まで多岐に渡る情報を得るセンサーや通信機器などの総称。
 〇熱電発電
 熱エネルギー(温度差)を電気エネルギーに直接変換する発電技術である。これまで、宇宙利用の他、一部の民生利用に限られて使用されている。
 〇鉄-アルミニウム-シリコン系熱電材料
 鉄(Fe)とアルミニウム(Al)とシリコン(Si)の3つの汎用元素からなる合金の総称である。
 〇BLE通信
 BLE(Bluetooth Low Energy)は、各種センサーや体に身に付ける小型装置などでの利用が見込まれている低消費電力で動作する無線通信技術である。
 〇冷却用ペルチェモジュール
 直流電流を流すことによって、局所的な冷却・加熱が可能なモジュールで、温度制御を精密に行うことができる。産業分野のみならず、小型冷蔵庫等の民生分野にも多岐にわたって使用されている。

 今日の天気も晴れ。風も穏やかで日差しが強い。最高気温は31℃程と真夏日。・・明日も真夏日の予想・・暑い。
 玄関前の門柱の上に鉢があり、これより”アブチロン・チロリアンランプ”が垂れ下がり、花が咲いている。別名に”ウキツリボク(浮釣木)”と呼ばれるように、咲いた花の姿が釣りに使う浮き(うき)が浮いているように見える。花径は3cm~5cm程で、赤い5稜筒状の提灯の様な萼の先に、黄色の花弁と雄しべと花柱(雌しべ)が出ている。
 アブチロンの仲間(アブチロン属)は約100種類が分布し、園芸植物として多くは”ショウジョウカ(猩猩花)”と”ウキツリボク(浮釣木)”の2原種と、これらの交配から生まれた交雑種ヒブリドゥム(A.hybridum)である。
 アブチロン・チロリアンランプ
 別名:浮釣木(うきちりぼく)
 学名:Abutilon megapotamicum
 アオイ科アブチロン属(イチビ属)
 常緑半蔓性低木(多年草)
 原産地はブラジル
 開花時期は、6月~10月
 赤い5稜形の萼が膨らむ、花色は黄色
 雄しべと花柱(雌しべ)が飛び出している