歩けば楽し

楽しさを歩いて発見

  思い出を歩いて発掘

   健康を歩いて増進

哺乳類で雄と雌を産み分ける方法、ウシでは9割成功

2019-09-12 | 科学・技術
 広島大学と大分県農林水産研究指導センター畜産研究部は、「簡単で安価な雌雄産み分け方法の開発に成功」と発表した。ほとんどの哺乳類に使え、同じ技術で牛と豚の両方で雌雄産み分けができる。雌雄の精子の仕分けが早く大量にできるため、研究チームは「実用化すれば、畜産業界に簡便で安い新たな雌雄選別が可能となるのではないか」という。研究成果は8月14日、米科学誌に掲載。
 哺乳類の性別は、XとYの二つの性染色体で決まる。X染色体が二つだと雌、XとY染色体が一つずつだと雄になる。卵子はX染色体が一つだが、精子はX染色体をもつもの(X精子)と、Y染色体をもつもの(Y精子)がある。X精子が受精すれば雌、Y精子なら雄になる。
 研究チームは世界で初めて、雌を作るX精子と雄を作るY精子の間で、機能に差があることを実証。これを利用し、X精子とY精子を仕分け、雌雄産み分けにつなげた。一般のワクチンに使われている免疫性を高める薬品が、X精子のしっぽにだけ特異的に結び付き、精子の泳ぎを抑えることが分かった。ヒトも含め、ほとんどの哺乳類のX精子は同じ反応を見せる。樹脂製の試験管に入れた精液にこの薬品を混ぜると、X精子は沈み、Y精子はそのまま泳ぎ続けて精液の上に集まる。これを利用してXとYを仕分けた。
 産み分けは、8割以上の確率で雄と雌を産み分けることができた。ウシでも9割の確率で成功し、豚でも同じ手法で精液を雌雄に分離し、Y精子の液状精液で人工授精をしたところ、11頭の産子のうち雄が8頭生まれた
 開発した技術は、大量に短時間に精液の仕分けができる。X精子と反応させる薬品は一般のワクチンに利用される安価な物質。牛の凍結精液なら30分、豚の液状精液だと2時間ほど反応させると仕分けられる。

 朝は曇り、午後から晴れ。湿度が低い、風が気持ち良い。最高気温26℃と秋の気温かな。
 塀からはみ出して咲いている”モミジアオイ”。(撮影は朝に雨が降った日)
 花は”ハイビスカ”に花に似ている。でも、葉は深く3裂~7裂して狭く、花弁の付け根が細く各々離れている。花色は中心が真紅で、花弁はピンク色。
 名(モミジアオイ:紅葉葵)の由来は、葉の形が「もみじ」に似る葵(あおい)だから。別名にも”モミジバアオイ”がある。
 モミジアオイ(紅葉葵)
 別名:紅蜀葵(こうしょっき)、紅葉葉葵(もみじばあおい)
 学名:Hibiscus coccineus
 アオイ科フヨウ属(ハイビスカス属)
 北アメリカ原産
 宿根草、茎は硬くほぼ直立
 開花時期は7月~9月
 花は大きく直径10数cm、花弁は5枚で細長くて弁間は離れている


晩春~初夏の端境期に収穫できる大粒イチゴ新品種「そよかの」を育成

2019-09-11 | 園芸
 農研機構は、青森県・岩手県・秋田県・山形県との共同研究により、イチゴ新品種「そよかの」を育成した(9月5日発表)。「そよかの」は、寒冷地や高冷地における露地栽培、半促成栽培に向く品種である。晩春~初夏に収穫できる大粒のイチゴで、形の揃いが良く多収であり、果皮は明るい赤色である。
 イチゴは生食用、ケーキ等業務用として年間を通して需要があるが、6月~11月にかけては生産量が落ち込み、端境期となっている。東北地方や北海道などの寒冷地や高冷地では、その冷涼な気候を生かして、6月前後に果実を出荷する露地栽培や半促成栽培が行われており、イチゴの周年供給に寄与している。しかし、これらの栽培で用いられている品種は、収穫期後半の果実の小粒化や形の乱れ、収穫後の果皮色の黒変や着色不良などの点で改良の余地があった。
 ◇卸売数量(H30農林水産省青果物卸売市場調査より)
  月    卸売数量
  1月~4月 1万トン~2万トン
  5月    1万トン
  6月~11月 千トン~2千トン(端境期)
  12月   1万トン
 新品種「そよかの」の特徴
 1. 多収性で極晩生の「豊雪姫とよゆきひめ」を母とし、食味が良く果実が硬めであり、うどんこ病レース0抵抗性をもつ「さちのか」を父とした交配を2008年に行い、選抜により「そよかの」を育成した。
 2. 寒冷地や高冷地における露地栽培や半促成栽培に適する極晩生の一季成り性品種。
 3. 葉は大きく立ち上がって大株となり、ランナーも十分に発生する。
 4. 露地栽培および半促成栽培の一種である低温カット栽培のいずれにおいても、平均1果重は16g程度と、同時期に収穫できる「北の輝きたのかがやき」や「豊雪姫」(いずれも1粒12g~14g前後)より大粒である。また「そよかの」は、乱形果や奇形果の発生が少ないことから、高い商品果率が期待できる。 商品果収量は「北の輝」より多く、「豊雪姫」と同程度である。
 5. 果実は円錐形で揃いに優れ、果皮は明るい赤色で、収穫後の果皮色の黒変は認められていない。果実は「北の輝」より柔らかく、「豊雪姫」より硬くなる。果実糖度は中程度、酸度はやや高く、食味は中~やや良である。
 6. 東北地方等で発生がみられるうどんこ病レース0に対して、「北の輝」や「豊雪姫」は罹病性であるが、「そよかの」は抵抗性を示す。萎黄病いおうびょうに対しては罹病性である。
 ◆用語解説
 〇露地栽培
 作物を屋外の畑で栽培することを「露地栽培」という。日本におけるイチゴ生産は1960年代頃まで露地栽培が主流で、露地栽培によるイチゴは、晩春~初夏に収穫される。その後、ビニールハウスや暖房設備の普及により、イチゴの収穫期間は拡大し、今ではそれらの設備を用いて冬~春(12月~5月頃)に果実を生産する「促成栽培」が主流となっている。その結果、冬場に生産のピークが移る一方、晩春~初夏の生産量はかつてより落ち込み、端境期となっている。
 〇半促成栽培、低温カット栽培
 「半促成栽培」は、主に4月から7月頃にかけて果実を収穫する作型で、北海道や東北地方などの寒冷地や高冷地で行われている。半促成栽培では、畑への苗の植え付けを前年の晩夏~秋に行うが、冬季における加温の有無により、加温半促成栽培、無加温半促成栽培などに細分化される。
 「低温カット栽培」は無加温半促成栽培の一種で、冬季に灯油等を用いた加温をせず、トンネル被覆やべたがけ等による保温のみで栽培する。
 〇極晩生(ごくばんせい)
 作物の品種には、収穫時期が早いもの(早生)から遅いもの(晩生)まで様々あり、中でも特に遅いものを極晩生という。極晩生のイチゴ品種は、主に5月から7月にかけて果実を収穫する露地栽培や半促成栽培に利用される。
 〇一季成り性イチゴ(いっきなりせいイチゴ)
 イチゴには、一季成り性と四季成り性がある。一季成り性イチゴは、低温、短日条件で花芽を作り、主に冬から春にかけて収穫される。代表的な品種に、「とちおとめ」「福岡S6号(商標名:あまおう)」「恋みのり」などがある。
 四季成り性イチゴは、夏季の長日条件下でも花芽を作り、夏や秋でも果実を収穫できる。四季成り性イチゴは、主に夏秋期のケーキ用に利用されている。
 〇うどんこ病レース0(うどんこびょうレースゼロ)
 うどんこ病はイチゴの重要病害の1つで、うどんこ病菌の感染により発症する。発症すると、葉や果実がうどんこ(小麦粉)をかけたように白くなり、収量や商品価値が低下する。イチゴのうどんこ病菌には2つのタイプ(レース0とレース1)が知られており、それぞれ感染するイチゴ品種が異なる。レース0は、東北地方や北海道でも発生が認められている。
 〇豊雪姫(とよゆきひめ)
 農研機構東北農業研究センター育成の極晩生の一季成り性品種。北東北地域における露地栽培、半促成栽培に利用されており、収量が多いことが特徴である。
 〇ランナー
 イチゴは株からランナー(匍匐枝、匍匐茎ともいう)とよばれる"つる"を伸ばし、その"つる"の先に子株をつける。これらの子株は親株と同じ遺伝子をもつクローンであり、これを利用して苗を増やす。
 〇北の輝(きたのかがやき)
 農研機構東北農業研究センター(旧野菜・茶業試験場盛岡支場)育成の極晩生の一季成り性品種。促成栽培用品種の収穫が終わった頃から収穫が始まり、主に北東北地域における露地栽培、半促成栽培に利用されている。果実が硬く輸送性に優れる。
 ◆「そよかの」の特性
 植物体特性:ランナー数8.9(6月下旬)
 収量特性:平均1果重 16.5g 商品果収量 果重150.5(kg/a)
 果実特性(露地栽培):硬度0.51(N/φ2mm) 糖度9.1(° Brix) 酸度0.57(%)
 果実:果実は円錐形で、揃いが良く、果皮は明るい赤色
 品種登録出願番号:
   第33721号 (令和元年7月4日出願公表)

 今日の天気は曇り、時々晴れ、昼1時ごろとても強い雨。
 午後3時ごろ、雨が止み、空を見たら雲・雲だ。一昨日の4時ごろに見た虹を思い出した。

ブレークスルー賞、ブラックホール撮影に

2019-09-09 | 学問
 米グーグルやフェイスブックの創業者らが出資する財団は、優れた科学研究に贈る「ブレークスルー賞」の基礎物理分野に、ブラックホールの輪郭撮影に初めて成功した日本などの国際チームを選んだと発表した(9月5日)。賞金は300万ドルで、チームの347人で均等に分ける。
 チームには国立天文台水沢VLBI観測所(岩手県)や東北大・広島大・工学院大などの約20人の日本人、各国の研究機関が参加している。
 世界各地の電波望遠鏡を連携させ、地球から5500万光年離れた銀河(M87銀河)の中心部にある巨大ブラックホールを精密に観測し、4月に画像を公表した。強い重力のため光さえ逃れられないブラックホールの姿が明らかになったのは初めてで、財団は「重大な科学の謎に答えた」などと評価した。
 ◆ブレイクスルー賞(Breakthrough Prize)
 ブレイクスルー賞は、下記3部門からなる自然科学における国際的な学術賞。
 セルゲイ・ブリンとアン・ヴォジツキ(英語版)夫人、マーク・ザッカーバーグとプリシラ・チャン夫人、ユーリ・ミルナーとジュリア・ミルナー夫人、ジャック・マーとキャシー・チャン(張瑛)夫人により創設された。各賞とも毎年、受賞者を選定し、総額300万ドルが授与される。
  基礎物理学ブレイクスルー賞(Breakthrough Prize in Fundamental Physics)- 2012年創設
  生命科学ブレイクスルー賞(Breakthrough Prize in Life Sciences)- 2013年創設
  数学ブレイクスルー賞(Breakthrough Prize in Mathematics)- 2014年創設
 ブレークスルー賞はトップ科学者をたたえるもので、生命科学で最大5つ、物理学で1つ、数学で1つの賞を贈る。生命科学賞の1つは、パーキンソン病・神経変性疾患の理解に貢献した研究に特別に贈られる。
 これに加えて賞金10万ドルの最大6つのニューホライズンズ賞が基礎物理学、数学の分野の有望な若手研究者に贈られる。

 今日の天気は雨、強く降ったり弱く降ったり。風も強弱、昼頃から強くなる。夕方から回復する見込み。
 畑の”ラッカセイ”、花の盛りは終わったようだ。咲いているのは、1株に1~2個ほど。
 名(ラッカセイ:落花生)の由来は、花が受粉して落ち、地中で実を結ぶから。花が受粉後の花が地面に垂れ下がり、子房が地中に潜って結実する。つまり落花生は、地面の中で実がなる・・良い命名だ。
 ”ラッカセイ(落花生)”には色々な呼び方がある。ある人の説によると(特に根拠なし)、
  落花生:殻がついたもの
  南京豆:殻なしで薄皮が付いたもの
  ピーナッツ:薄皮を剥いたもの・・・??
 日本に来たのは東アジア経由で1706年で、”南京豆(唐人豆)”と呼ばれた。現在で多く栽培されているのは、この舶来種ではなく、明治維新以降に導入された品種である。初めて栽培は1871年、神奈川県大磯町の渡辺慶次郎。
 ラッカセイ(落花生)
 別名:南京豆(なんきんまめ)、唐人豆、ピーナッツ
 英名: peanut、groundnut
 学名: Arachis hypogaea
 マメ科ラッカセイ属
 一年草(地下結実性)
 原産地は南アメリカ大陸
  最も古い出土品は、紀元前2500年前のペルー、リマ近郊の遺跡から出土した大量のラッカセイの殻
 開花時期は6月~7月
 食用になる種子は、10月~11月に収穫
  1株で数十個程が生る


耐久性が従来の2倍以上高い耐摩耗鋼材料が開発される

2019-09-08 | 科学・技術
 東北大学金属材料研究所の山中謙太准教授、大学院生の張宸氏、卞華康助教、千葉晶彦教授らの研究グループは、「射出成形機の部材向けに耐食性を高めた耐摩耗鋼を開発した」と発表した(8月28日)。イギリス科学誌「Nature」の姉妹誌「npj Materials Degradation」のオンライン版に論文が掲載。
 鋼材成分として銅を微量に添加し、従来の耐摩耗鋼の課題だった耐食性を克服した。従来部材比で2倍以上の耐久性を実証済みで、今後は東北大がライセンスを供与し、金属溶解を手掛けるエイワ(本社・岩手県釜石市)が量産する見通し。
 開発合金は「鉄―16%クロム―3%タングステン―1%炭素―2%銅」が基本組成。自動車向けに需要が高まる高機能プラスチックを製造する射出成形機は腐食環境にさらされるため、その部材にも耐食性が求められる。ただ従来の工具鋼である炭化物強化マルテンサイト鋼は硬度と耐磨耗性に優れる一方、耐食性が乏しい課題があった。
 研究グループは炭化物強化マルテンサイト鋼の成分設計を見直し、微量の銅を添加すると耐食性が著しく向上することを発見。これまで難しかった耐摩耗性と耐食性を高レベルで両立した新しい鋼材開発に成功した。粉末冶金ではなく通常の溶解炉で量産可能な材料設計とし、製造コストを抑えた。小ロット対応の溶解炉を持つエイワ、岩手大と共同で実証実験を実施し、射出成形機のスクリューを試作して2倍以上の耐久性を確かめた。試作品は直径14ミリ、長さ31センチメートル。研究グループは開発鋼を、化学プラント用装置部品や、地下や海底の資源開発用掘削機器にも応用できるとみており、さらなる研究を進める考え。

 今日も良い天気。昨日より雲が多くなったかな。最高気温は31℃程、真夏日で暑い。
 梅田川と交差する鉄道の土手に”キクイモ”の花が咲きだした。
 ”キクイモ”は、イモができる品種とできない品種(イヌキクイモ:犬菊芋と言う)があり、両者に外見にほとんど差異がない。両者は開花期が少し異なり、犬菊芋(いぬきくいも)は7月~8月頃の開花、菊芋(きくいも)は9月~10月頃開花。なので、この花は、イモができる”キクイモ”(・・と思う、自信なし)。10月末頃に地中に塊茎を作り、収穫できる。繁殖力はとても強く、掘り残した小さな芋でも翌年には大きく成長する。
 名(キクイモ:菊芋)の由来は、文字通り、黄色い菊の様な花が咲き、生姜に似た芋(いも・根茎)ができるから。
 因みに、戦時中・終戦直後の食料難の時、イモを煮たり・漬物、味噌漬けにして食べた、と言う。最近では健康志向により、健康食品として見直されている。・・菊芋に含まれるイヌリン(生には15%前後)が「天然のインシュリン」と言われる。
 キクイモ(菊芋)
 別名:唐薯(からいも)、八升芋(はっしょういも)
 学名:Helianthus tuberosus(菊芋)
    Helianthus strumosus(犬菊芋)
 キク科ヒマワリ属
 落葉性多年草(高さ2m前後と大型)
 原産地は北米大陸、ヨーロッパを経由し江戸末期に日本に伝来
   帰化植物、繁殖力が強く痩せた土地でも良く育つ
 開花時期は9月~10月
 茎頂に黄色の舌状花(10~15枚)、中央に黄色の筒状花
 10月末頃に茎葉が枯れ、根塊を収穫できる


汎用元素のみで構成する熱電発電モジュールの開発に成功

2019-09-07 | 科学・技術
 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)、物質・材料研究機構(NIMS)、アイシン精機 (株) 、茨城大学は、環境調和性に優れる鉄-アルミニウム-シリコン系熱電材料を高性能化させ、低温熱源を用いてのIoT機器の駆動やBLE通信が可能となる発電量を得る事に成功し、この熱電材料を使った熱電発電モジュールを世界で初めて開発した(2019年8月21日発表)。
 容易に入手できる汎用元素のみで熱電材料を構成するため、従来のビスマス‐テルル系化合物による熱電発電モジュールに比べて熱電材料費を1/5以下と大幅に削減できる可能性があり、モジュール全体の製造コストの低減と量産化が見込まれる。また、熱的安定性や耐久性にも優れることから、各種IoT機器と組み合わせた自立電源一体型システムの開発へと大きく前進することが期待される。
 近年、さまざまなデータを活用する超スマート社会の実現に向けIoT機器の爆発的増加が予想されており、多数のIoT機器に電力を供給する小型自立電源の開発が求められている。中でも、温度差を利用する熱電発電はその一翼を担う発電技術として期待されている。しかし、これまでの熱電材料は希少元素や毒性元素が含まれており、環境中のわずかな温度差を利用した自立電源として大規模な普及を目指すためには、環境調和性・耐酸化性・機械特性を併せ持ち、室温から200℃までの低温度域で高い出力を得られる高性能な熱電発電モジュールの開発が望まれていた。熱電発電モジュールの開発には、希少元素や毒性元素を含まない熱電材料の高性能化と、信頼性を持つ接合技術、量産化が可能なモジュール化技術を確立する必要がある。
 これらより、4者は2018年度から鉄-アルミニウム-シリコン系熱電材料の高性能化とモジュール化の技術開発事業を進めてきた。今回、鉄-アルミニウム-シリコン系熱電材料を高性能化させ、低温熱源を用いてのIoT機器の駆動やBLE通信が可能となる発電量を得る事に成功し、この熱電材料を使った小型熱電発電モジュールを世界で初めて開発した。この熱電発電モジュールは容易に入手できる汎用元素のみで構成されるため、従来のビスマス-テルル系化合物による熱電発電モジュールに比べて熱電材料費を1/5以下と大幅に削減できる可能性があり、モジュール全体の製造コストの低減と量産化が見込まれる。また、熱的安定性や耐久性にも優れることから、各種IoT機器と組み合わせた自立電源一体型システムの開発へと大きく前進することが期待される。
 本成果を通じて、将来の増加が予想されるIoT機器への電力供給を目指し、室温から200℃までの低温度域での微小温度差を用いた自立電源の本格的な普及と社会実装を推進する。
 材料開発を主に担当した物質・材料研究機構 熱電材料グループ 主任研究員の高際良樹氏は、今回の成果について「(研究期間が)わずか1年以内とスピード感のある研究ができた。地殻存在量の2~4位の元素で構成しているのが最大のメリットで、(ビスマス・テルル系材料と比較して)材料費を5分の1以下にするコストダウン効果がある。また、新材料は安全かつ無害な物質であるため社会実装を拡大する面でもメリットがある」と解説した。
 ◆用語解説
 〇IoT機器
 IoT機器とは温度などの物理的・化学的情報から人間の五感まで多岐に渡る情報を得るセンサーや通信機器などの総称。
 〇熱電発電
 熱エネルギー(温度差)を電気エネルギーに直接変換する発電技術である。これまで、宇宙利用の他、一部の民生利用に限られて使用されている。
 〇鉄-アルミニウム-シリコン系熱電材料
 鉄(Fe)とアルミニウム(Al)とシリコン(Si)の3つの汎用元素からなる合金の総称である。
 〇BLE通信
 BLE(Bluetooth Low Energy)は、各種センサーや体に身に付ける小型装置などでの利用が見込まれている低消費電力で動作する無線通信技術である。
 〇冷却用ペルチェモジュール
 直流電流を流すことによって、局所的な冷却・加熱が可能なモジュールで、温度制御を精密に行うことができる。産業分野のみならず、小型冷蔵庫等の民生分野にも多岐にわたって使用されている。

 今日の天気も晴れ。風も穏やかで日差しが強い。最高気温は31℃程と真夏日。・・明日も真夏日の予想・・暑い。
 玄関前の門柱の上に鉢があり、これより”アブチロン・チロリアンランプ”が垂れ下がり、花が咲いている。別名に”ウキツリボク(浮釣木)”と呼ばれるように、咲いた花の姿が釣りに使う浮き(うき)が浮いているように見える。花径は3cm~5cm程で、赤い5稜筒状の提灯の様な萼の先に、黄色の花弁と雄しべと花柱(雌しべ)が出ている。
 アブチロンの仲間(アブチロン属)は約100種類が分布し、園芸植物として多くは”ショウジョウカ(猩猩花)”と”ウキツリボク(浮釣木)”の2原種と、これらの交配から生まれた交雑種ヒブリドゥム(A.hybridum)である。
 アブチロン・チロリアンランプ
 別名:浮釣木(うきちりぼく)
 学名:Abutilon megapotamicum
 アオイ科アブチロン属(イチビ属)
 常緑半蔓性低木(多年草)
 原産地はブラジル
 開花時期は、6月~10月
 赤い5稜形の萼が膨らむ、花色は黄色
 雄しべと花柱(雌しべ)が飛び出している


英誌エコノミスト、「世界で住み良い都市ランキング」で大阪4位・東京7位

2019-09-06 | 社会・経済
 英誌エコノミストの調査部門、エコノミスト・インテリジェンス・ユニット(EIU)が世界の都市の住みやすさを比較したランキングで、オーストリアの首都ウィーンが昨年に続いて首位となった。
 EIUが毎年発表している「世界で最も住みやすい都市ランキング」は、世界140都市の住みやすさを最高100点のスコアで評価してランキング付けする。評価対象となるのは安定性(25%)、ヘルスケア(20%)、文化と環境(25%)、教育(10%)、インフラ(20%)の5項目に分類される30の要素で、社内のアナリストや地元の協力者によってスコア付けされる、という。
 2019年に発表された結果で「住みやすい都市ランキング」1位の座に輝いたのは、オーストリアの首都であるウィーンである。ウィーンは2018年のランキングで、それまで7年連続で1位だったオーストラリアのメルボルンから1位を奪い、2年連続での1位となった。ウィーンの評価は、99.1点という高いスコア。
 2019年、世界で住み良い都市ランキング
 1位:オーストリア・ウィーン
 2位:オーストラリア・メルボルン
 3位:オーストラリア・シドニー
 4位:日本・大阪
 5位:カナダ・カルガリー
 6位:カナダ・バンクーバー
 7位:日本・東京
 7位:カナダ・トロント(東京と同点)
 9位:デンマーク・コペンハーゲン
 10位:オーストラリア・アデレード
 因みに、英誌エコノミストがまとめた2019年版世界60都市の安全度ランキングで、東京が1位、大阪が3位に選ばれた。
 ランキングでは、観光客が訪れる主要600都市の、デジタル・衛生・インフラ・治安について最高100点で評価した。
 首位の東京は92点を獲得し、次いでシンガポールが91.5点で2位。3位の大阪は90.9点だった。この3都市は、2015年と2017年のランキングでもトップ3に入っている。

 今日の天気は、朝から晴れ。最高気温は、30℃程で、暑さがぶり返した。・・明日も明後日も真夏日かな。
 散歩で”アゲラタム”の花を見る。花期が長く、夏頃から咲くが、何故か秋の到来を告げている様な花だ。花色には、青・白・紫・白・桃などがあるが、良く見かけるのは、淡紫青色。・・チョット涼し気。
 和名は「大霍香薊(おおかっこうあざみ)」とある。名の由来は、葉が薬草の霍香(カッコウ、シソ科のカワミドリ)の香に似て、花が薊(アザミ)に似ており、大きなカッコウアザミの様な花から。
 因みに、園芸ではアゲラタムに背の低いコニゾイデス(Ageratum.conyzoides、和名:カッコウアザミ)と背の高いホウストニアヌム(Ageratum.houstonianum、和名:オオカッコウアザミ)の栽培が多い。
 アゲラタム
 別名:大霍香薊(おおかっこうあざみ)
 学名:Ageratum
 キク科カッコウアザミ属
 原産地は中南米、明治はじめに渡来
 非耐寒性一年草(多年草、日本では冬に寒さで枯れる)
 開花時期は7月~10月
 小さなアザミのような花が咲く
 花色は淡紫・青・白・ピンクなど


統計解析技術「ベイズ推論」で、数分で単結晶構造解析の結果の事前評価が可能に

2019-09-05 | 科学・技術
 理化学研究所創発物性科学研究センター物質評価支援チームの橋爪大輔チームリーダー、東京大学大学院総合文化研究科の中西義典助教(JSTさきがけ研究者兼務)と共同チームの研究。
 数時間から数日かけて得る単結晶構造解析結果を、数分で計測した予備的なデータから事前評価ができる技術を開発した。単結晶構造解析は、単結晶試料にX線を照射して数千から数万個のデータを計測して、それらをコンピューターで処理しながら行う。そのため、時間をかけてデータを計測、解析してからでないと、選別した試料が研究の目的に相応しいのか、精度の良い解析結果が得られたのかを確認することができない。現状における試料の選別やデータ計測の条件設定は、数分で行う予備計測の結果に基づいて熟練した研究者が「勘と経験」で行なっている。
 研究グループは、熟練の研究者による「勘と経験」を統計解析に置き換える技術を開発し、経験が少ない研究者でも単結晶構造解析前に結晶内の分子を区別でき、また、精度の良い解析結果を得るために必要な計測条件を決定することを可能にした。本研究成果は、2019年8月22日(英国夏時間)に英国科学誌「Scientific Reports」のオンライン版で公開。
 研究の内容
 単結晶構造解析の高精度化と高効率化を目的にして、適切な試料の選別と計測条件の設定を行う研究技術を開発した。この開発では、統計解析技術の1つである「ベイズ推論」を応用して、結果(数分の予備計測で得られる数百程度のデータ)から原因(被験試料に固有の結晶構造パラメーター値)を推定可能にした。
 開発した技術を異なる溶媒分子を含んだ2種類の多孔性物質結晶に適用した。それぞれの予備計測データから結晶構造パラメーター値を推定したところ、通常では数時間以上かけたデータ計測と単結晶構造解析を実行した後でしか確認できない溶媒分子の違いを、推定したパラメーター値の違いから単結晶構造解析前に判別することができた。また、推定した結晶構造パラメーター値を結晶学の理論式に代入することで、予備計測に含まれないデータの分布を調べることもできる。本研究では、被験試料固有のデータ分布から長時間かけたデータ計測における誤差の影響を最小化する計測条件を設定し、化学結合の形成による原子周辺の電子密度分布の変形を理論的な予想と一致する精度で観察することに成功した。
 今後の展開
 単結晶構造解析に熟練している研究者でなくても、本研究で開発した事前評価を行うことで、研究の目的に相応しい試料の選別や計測条件の設定を効率よく行えるようになる。また、この事前評価は全てコンピューターで実行可能であることから、従来の試料の選別や計測条件を設定する人為的作業を、将来的にはコンピューターで置き換える自動化技術への発展が期待される。
 ◆用語解説
 〇ベイズ推論
 ある事柄の原因を観察された結果(データ)から推定する統計解析方法。
 ベイズの定理と呼ばれる数学(確率論)の定理に基づいている。原因が結果を生み出す順過程に対して、ベイズ推論は結果から原因を導く逆過程のアプローチである。
 〇溶媒分子
 他の物質を溶かすことができる物質(一般的に常温常圧で液体)を構成する分子。単結晶試料は被験物質を適当な溶媒に溶かして、それを蒸発させて得ることが多いが、溶媒分子を含んだ単結晶が析出することがある。
 〇多孔性物質結晶
 分子の大きさと同程度の穴(細孔)がある構造を有する結晶。穴を利用することで、分子の分離、交換、貯蔵などを行うことができる。これらの機能の詳細を調べる目的で、単結晶構造解析を利用する場合が多い。

 今日の天気は曇り、雨が降りそうな厚く黒い雲、晴れそうな明るい雲、雲の変化が大きい。最高気温は25℃程とすごしやすい。
 畑での”ゴーヤ”。花が咲き、果実がなり、成りすぎた果実もある。今年は、何時もより不作、・・長雨やら日照りやらの影響かな。
 ”ゴーヤ”はウリ科のツルレイシやニガウリの名称であるが、沖縄料理の普及から、沖縄での”ゴーヤ”の名が知られている。花はウリ科であるので雌雄異花。未成熟な果実には苦みがあるが、熟すと黄色となり甘くなる。食材としては独特な苦みを持つ未熟な実を用いる。果実はイボイボだらけのキューリの様で、未成熟果実の色は暗緑・緑・緑白、形はズングリ・細長などと色々な品種がある。
 暑さ対策の「緑のカーテン」で”ゴーヤ”は有名。グリーンカーテン(緑のカーテン)とは、蔓性の植物の葉で部屋の遮光などをするものである。”ゴーヤ”は最適で、植物の葉だから天然の空調機能があり、成った果実は食用となり、一石二鳥となる。因みに、雌花は親蔓にはあまりできないので、親蔓は本葉が5枚程で摘芯して、子蔓・孫蔓を出させると良い。
 ゴーヤ(通称)
 別名:苦瓜(にがうり)、ツルレイシ(蔓茘枝)
 英名:Bitter melon
 学名:Momordica charantia
 ウリ科ニガウリ属
 つる性の一年生草本
 雌雄異花
 原産地はインド(熱帯アジア)
 雌花は中央の蘂(しべ)が黄緑色でチビニガが付いている
 雄花は中央の蘂が黄色(花粉)、咲いても夕方には花が落ちる
 果実は開花後、2~3週間位で収穫できる


人の様々な細胞の薬物応答の遺伝子発現パターンを高精度に予測する情報技術を開発

2019-09-03 | 医学
 九州工業大学大学院情報工学研究院の山西芳裕教授らの研究グループは、理化学研究所革新知能統合研究センターのZHAO Qibinユニットリーダーらの研究グループ、田部井靖生ユニットリーダーとの共同研究により、多様なヒト細胞における薬物応答の遺伝子発現パターンを高精度に予測する新たな情報技術を開発した。本研究成果は、2019年7月8日(英国時間)に英国科学誌「Bioinformatics」のオンライン版で公開。
 研究の背景と経緯
 ヒト細胞の薬物応答を遺伝子レベルで明らかにすることは、創薬における重要課題である。多くの薬物は、疾患で破綻した生体システムを正常な方向に制御することで、疾患の治療に寄与している。薬物によって誘導される細胞の状態は、遺伝子の発現パターンによって特徴付けられる。その細胞状態を反映した薬物応答遺伝子発現データは、薬物の作用メカニズムの解明や薬効の予測などにとって有用であり、さまざまな目的で活用されてきている。
 近年、さまざまなヒト細胞における薬物応答遺伝子発現データが測定されるようになってきた。しかし、薬物応答遺伝子発現データの取得には、多大のコストと時間を要するため、すべての薬物やヒト細胞の組み合わせに対して網羅的に観測することは困難である。そのため、薬物応答遺伝子発現データは多くの欠損値や未観測値を含んでおり、創薬現場では網羅的な解析を行う上で障害となっていた。
 研究の内容
 本研究では、薬物応答遺伝子発現データを、薬物、遺伝子、細胞、時系列からなるテンソル構造と捉え、新規のテンソル分解手法であるTensor-trin weighted optimizationアルゴリズムを用いて、さまざまな細胞における未観測の薬物応答を予測する機械学習手法を開発した。薬物の効能予測に応用し、開発手法が効能予測の性能の向上に大きく寄与することを示した。
 まず、薬物、細胞、遺伝子からなる3階のテンソル構造である薬物応答遺伝子発現データにおける未観測値予測性能を評価するため、観測値を人工的に欠損値と見なし、観測値を正しく再現できるか調べた。その結果、提案手法は、従来手法に比べて最大約1.5倍の精度で欠損値を補完することができることを見いだした。また、薬物応答遺伝子発現パターンは時間的にも変化するので、薬物、細胞、遺伝子、時系列からなる4階のテンソルを構築し、同様の性能評価を行った。その結果、提案手法は、特に高階テンソル構造のデータに対する有効性を示した(従来手法に比べて最大約2倍の精度向上)。
 次に、欠損値を補完した薬物応答遺伝子発現データを、薬物の効能の予測に応用した。これにより、欠損値が多い細胞ほど、効能予測の性能が大きく向上し、最大約20%性能が向上することを示した。さらに、1483個の薬物を16種類のヒト細胞に添加して得られた薬物応答遺伝子発現データに提案手法を適用し、駆虫薬であるニクロサミドの成人T細胞白血病に対する効能など、さまざまな疾患に効能があると期待される薬物を選び出した。そして、その新しく予測された薬物の効能についての妥当性を、近年の文献や臨床報告で確認することができた。
 今後の展開
 多様なヒト細胞における薬物応答を予測する新たなアプローチを提示することにより、薬物の作用メカニズム解明や薬効予測、ツール化合物の探索など、創薬現場での医薬品開発の促進が期待される。
 今後は、アルゴリズムを改善して予測の信頼性や計算効率を向上させていくとともに、既承認薬だけでなく合成化合物や天然化合物などあらゆる化合物にも解析対象を広げ、さまざまな疾患に対する医薬品候補化合物を探索していく予定である。また、特定の遺伝子を過剰発現またはノックダウンしたときの細胞状態のデータや疾患患者のマルチオミクスデータなど、テンソル構造として解釈することができるさまざまな医薬ビッグデータにも開発手法を適用し、創薬応用や医療応用につなげていく予定である。
 ◆用語解説
 〇薬物応答遺伝子発現データ
 薬物の影響により、遺伝子の発現量がどのように変化したのかを示す実数値からなるデータ。
 〇テンソル
 数値を多次元の配列に配置したもの。例えば、スカラー(1点における数値)は0階のテンソル、ベクトルは1階のテンソル、行列は2階のテンソルとなる。

 早朝は雨、路面が濡れていた。朝からは曇り、午後から晴れ。最高気温は25℃と和らぐ暑さとなった。
 近所の買い物団地の敷地のお庭には、”シロシタン”が植えられており、実が沢山付いている。秋に、この青い実は赤くなる・・とても綺麗だ。
 ”シロシタン”は”ベニシタン”の花が白色の枝変わり品種だと言われる。両者の違いは花の色と花の開き方で、”シロシタン”は花色が白色で花は大きく開き、”ベニシタン”は花色が紅色で花は全開せず少し蕾んだ状態である。秋には両者(シロシタン、ベニシタン)とも同じ小さな赤い実となる。・・両者の区別は、分からない。
 因みに、バラ科コトネアステル属(シャリントウ属)にも園芸植物が色々ある。その中で良く普及しているのは”ベニシタン”なので、ベニシタンをコトネアスターと呼ぶことがある。
 シロシタン(白紫壇)
   ベニシタン(紅紫壇)の枝変わり品種
 学名:Cotoneaster horizontalis
 バラ科コトネアスター属(シャリントウ属)
 常緑小低木
  関東以北では紅葉・落葉する
  枝は地上を水平に這うように伸びる
 原産地は中国西部の山岳地帯
  日本には大正時代~昭和初期に渡来
 開花時期:5月~6月
 葉脈に花を開き、秋に枝一面の小果(径5mm程)が赤く熟す
 花色は紅色(ベニシタン)、白色(シロシタン)


朝鮮朝顔の花が咲いた

2019-09-02 | 園芸
 今日の天気は曇り、午後から時々晴れる。
 所用があり、早朝から郊外に出かけた。時間が少しあったので、雨の中を散歩。
 塀と側溝の間に”アメリカチョウセンアサガオ”が咲いていた。花は白い径10cm程の大きなラッパの様で、半分位はまだ閉じている。・・名(アサガオ)の如く朝に開いて昼前に閉じてしまうな花である。緑の葉の茂みに隠れて丸形でイガイガの小さな実が見える。
 葉の上面や茎枝に短い軟毛があり、”チョウセンアサガオ”と区別できる。尚、朝鮮朝顔の仲間は全て有毒植物である。
 ◆仲間
 〇チョウセンアサガオ(朝鮮朝顔)
  別名:マンダラゲ(曼陀羅華)、キチガイナスビ(気違い茄子)
 〇アメリカチョウセンアサガオ(アメリカ朝鮮朝顔)
  別名:ケチョウセンアサガオ(毛朝鮮朝顔)
 〇キダチチョウセンアサガオ(木立朝鮮朝顔)
  別名:エンジェルス・トランペット(angels trampet)
 〇ヨウシュチョウセンアサガオ(洋種朝鮮朝顔)
  別名:フジイロマンダラゲ(藤色曼陀羅華)
 〇シロバナヨウシュチョウセンアサガオ(白花洋種朝鮮朝顔)
  別名:悪魔の草

 アメリカチョウセンアサガオ(アメリカ朝鮮朝顔)
 別名:毛朝鮮朝顔(けちょうせんあさがお)
 学名:Datura meteloides
 ナス科チョウセンアサガオ属 (ダツラ属)
 多年草
 原産地は北米南部、メキシコ
 江戸時代末期・明治時代に渡来し、観賞用として栽培された帰化植物
 開花時期は7月~9月
 花色は白、花径10cm程、花筒は5条の筋があり、浅く10裂
 花後の実は球形のさく果(熟すと果皮が裂開する果実)、太くて長い棘がある


花のめしべを作るのに欠かせない遺伝子の働きを解明

2019-09-01 | 園芸
 奈良先端科学技術大学院大学の伊藤寿朗教授らは、花のめしべを正しく作るのに欠かせない遺伝子の働きを解明した。この遺伝子の働くタイミングを調整すれば、果実の品質向上や食料の増産につながる可能性がある。
 伊藤教授らは、めしべのもとになる幹細胞の増殖を調節しているとみられる「KNU」というたんぱく質を作る遺伝子に着目した。
 アブラナ科の一年草、シロイヌナズナでめしべができるまでの各段階のつぼみを使い、「KNU」の働きを調べた。めしべが発達する早い段階で、「KNU」は幹細胞を増殖させる別の遺伝子にくっつき、この遺伝子の働きを邪魔する役割を果たしていた。めしべの発達が進むと、「KNU」がくっつく遺伝子の周辺ではDNAが小さく折り畳まれ、邪魔する働きが強まることもわかった。「KNU」は幹細胞の増殖能力に徐々にブレーキをかけ、栄養をためてめしべを正しく発達させる働きがあるとみている。「KNU」を作れない植物は、めしべの根元が異常にふくれ種子ができなくなる。一方「KNU」が大量に作られる植物は、めしべそのものが消えてしまう。不明だったこの仕組みが解明できたという。
 「KNU」が働く時期を調整すれば、果実の大きさや種子の数を操作できる可能性がある。果実や野菜、穀物などの新品種を開発する有力な技術になると期待している。
 ◆KNU (2019.5.14の発表から、抜粋)
 本研究グループは、まず、モデル植物であるシロイヌナズナを用い、幹細胞の増殖に必要な転写因子WUSCHEL(WUSタンパク質)とその上流の転写抑制因子KNUCKLES(KNUタンパク質)に注目した。
 KNUタンパク質が作用しないknu突然変異体では、雌しべの中で種の代わりに過剰な数の花器官が出来て、幹細胞の増殖が止まらなくなることがわかっていたから。また、KNUを過剰発現すると、逆に幹細胞の増殖が早くに止まってしまうため、花器官の数が減る。そこで、knu突然変異体やKNU活性をコントロール出来る植物体を作成して、WUS遺伝子の発現とクロマチンに影響を及ぼすヒストン修飾という分子構造の変化を花発生の時間軸にそって解析した。その結果、複数のヒストン修飾が時間軸に沿って変動し、時間の遅れが生じながらクロマチン構造が閉じていくことを発見した。さらにKNUタンパク質に直接、相互作用するタンパク質として抑制的なヒストン修飾の導入に必要なポリコムタンパク質が含まれていた。
 ポリコムタンパク質によって導入される抑制的なヒストン修飾は遺伝子の発現をオフにする機能があるため、KNU誘導後のWUS遺伝子への発現の影響について調べたところ、抑制的ヒストン修飾が導入される前に、WUS遺伝子の発現量は減少することがわかった。一方、ポリコム突然変異体の解析から、ポリコムは抑制し続けるために必要であることがわかった。つまり、ポリコムは抑制の開始には関係しない一方、継続的な抑制状態の維持に必要であることがわかった。
 それでは、どうやって、KNUはWUSの発現をオフにするのでしょうか?
 KNUがWUS遺伝子座に直接結合して、クロマチンの構造を緩めることで遺伝子の活性化にかかわるSPLAYEDクロマチンリモデリングタンパク質の結合を阻害することを明らかにした。この結果から、KNUタンパク質がWUS遺伝子に結合して多段階にはたらくスイッチとして、遺伝子の抑制に作用していることを明らかにした。

 今日の天気は曇り~晴れ。最高気温は31℃と今日も暑い。
 道沿いの植栽地に”テッポウユリ(鉄砲百合)”と”タカサゴユリ(高砂百合)”が咲いている。
 ”タカサゴユリ(高砂百合)”は、筒状の白花で、筒状花の外側に紫褐の縞があり、葉は細い。”テッポウユリ(鉄砲百合)”に似ているが、背が高い・・テッポウユリ:草丈が1m位、タカサゴユリ:草丈が1.5m位。葉の幅が細く、鉄砲の形の”テッポウユリ(鉄砲百合)”と似ているので、”ホソバテッポウユリ(細葉鉄砲百合)”とも呼ばれる。
 因みに、”テッポウユリ(鉄砲百合)”は春(6月頃)に、”タカサゴユリ(高砂百合)”は夏~秋にかけて咲く。
 タカサゴユリ(高砂百合)
 別名:細葉鉄砲百合(ほそばてっぽうゆり)、台湾百合(たいわんゆり)
 学名:Lilium formosanum
 ユリ科ユリ属
 耐寒性球根植物
 原産地は台湾、大正12年日本へ種子が入る
  西日本を中心に広く野生化している
 開花時期
  鉄砲百合は6月頃、高砂百合は8月頃
  種子で繁殖する。11月頃に蒴果が熟す
  細長い莢に沢山の種子が詰まっている。晩秋に莢がはじけて種子が放出される(風媒花)