これまでも書いてきたことだが、島田無響さんというと、白髪の長髪で和装の、いかにも書家といった外貌と、1998年に京王プラザホテル(札幌)のロビーなどを会場に使用した個展を思い出す。
ホテルロビーの吹き抜けに大きな紙を張り渡すなど破格のスケールで、あれほど大規模な書の個展は、道内ではそれ以降開かれていないだろう。
毎日新聞北海道面「辞林」に、次のようにあった。
島田さんは1928年、千葉 . . . 本文を読む
道内の女性書家が会派や書風を超えて毎年この時期に開いている。現在の代表幹事は太田欽舟、安藤小芳の両氏。
今年は62人が出品。すべての女性書家が参加しているわけではもちろんない。
例年書いていることだが、漢字が多く、近代詩文書や墨象が続き、かな書が少ない。前衛書や篆刻てんこくはない。かなが比較的少ないのは道内全体の傾向と共通しているのかもしれない。
気になった作品について少々の感想を述べる . . . 本文を読む
札幌で書展が開かれる会場といえば、札幌市民ギャラリーとスカイホールの二つが圧倒的に多い。
スカイホールは大丸藤井セントラルの7階で立ち寄りやすいので、習慣的に見ることが多いが、市民ギャラリーの書展は知らないうちに終わっていることがよくあった。今年は、意識して足を運ぶようにしているが、実際は市民ギャラリーの社中展は規模が大きく、見ごたえがある場合が多いのだということがようやくカンの鈍い筆者にもわ . . . 本文を読む
(承前)
「北海道書道展」は毎年ゴールデンウイーク中の時季に
1. 招待・会員
2. 公募
3. 会友
の3部構成に分けて開かれるのが恒例になっている。作品数が多く、市民ギャラリーでいっぺんに展示できないためであろう。ちなみに「2」と「3」は会期が重なるので、「3」は札幌パークホテル(地下に広い会場がある)で開催される。
点数では、美術の道展、全道展や写真道展などを上回り、道内最大の展覧会と . . . 本文を読む
書の一分野である「墨象ぼくしょう」の2団体が今年も展覧会を開いています。
両団体は、開催時期がずれていたこともありましたが、この数年は市民ギャラリーでの同時期の開催となっています。
書展というと、初心者は「読めない」ということでしり込みしてしまいがちですが、墨象は、造形性だけで鑑賞してもおもしろく、ふだん書に接点のない人でも見て楽しいのではないかと思います。
なお、一般的には、文字を書い . . . 本文を読む
この書展も「新年だなあ」と実感させてくれる展覧会のひとつ。
道展や毎日展などは膨大な展示点数に気おされて見ていると疲れてしまうが、この「高書研展」は質量ともにちょうど良い。
こうして、社中や公募展を超えて競い合う場を持っていることが、書道王国・北海道の強みなのかもしれないとも思う(他の都府県の実情は知らないけれども)。
個人的に気になった作品(順不同)。
渡邊層山「臨行」
「行」の . . . 本文を読む
羽毛蒼洲さんは札幌の書家(羽の漢字は正字の「羽」ですが、機種依存文字なので常用漢字の字体を使わせていただきます)。1942年生まれなので今年75歳ですが、とてもお若く見えます。
今回は5年ぶりの個展です。私は札幌にいなかったので拝見しておらず、じっくり見るのは14年前に大丸藤井スカイホール全室を使って開いた個展以来となります。
羽毛さんというと、淡墨のイメージがあります。しかし今回は、27 . . . 本文を読む
札幌の書家、竹下青蘭さんが主宰するグループ展。
4年ぶりの開催となりました。
書には「漢字」「かな」などいろいろの分野がありますが、竹下さんが活躍するのは「前衛書」です。
書は、かならずしも文字を書かなくてもいいのではないか、というところから始まった、比較的新しいジャンルです。
したがって見る側は、抽象画とおなじような心持ちで鑑賞してもかまわないわけです。
ただし、そうはいっても書 . . . 本文を読む
書の一分野である墨象ぼくしょうの団体二つが毎春、札幌市民ギャラリーで展覧会を開いています。
いずれも太い筆で力強く書いた作品が会場に並んでいます。字釈がないと、とても読めない字ばかりですが、逆に、ふだん書展に足を運ばない人でも、純粋に造形面から鑑賞できて楽しめると思います。
北海道墨人展の会場で出品者の吉田敏子さん(札幌)にお会いしました。
吉田さんは「こんな大作は久しぶり」という「風神 . . . 本文を読む
1月20日(金)は仕事が長引き、ギャラリーはどこにも行かず。
21日は本郷新札幌彫刻美術館のみ。
さっぽろ雪像彫刻展については、すでにアップした。
22日。
最近、バスを「豊平橋」で降りて、ギャラリーめぐりの1カ所目として札幌市民ギャラリーに行くことが多い。
同ギャラリーでは「第48回国際現代書道展」を見た。
ちょうどロビーで、揮毫パフォーマンスが行われていて、たいへんな人出 . . . 本文を読む
けさ(2016年12月8日、北海道配布)の毎日新聞を見たら「この1年 書」という記事が載っていました。
http://mainichi.jp/articles/20161206/dde/018/040/016000c
もう年末の回顧ものの季節なんだ、早いな~と思いました。
ところで、アートに関する書き手のなかで、筆者がもっとも尊敬しているひとりは、毎日新聞の書道担当、桐山正寿記者です。 . . . 本文を読む
道内最大の書道の公募展。
規模が大きいため、会期を三つに分割して、毎年開かれています。
全国では、毎日書道展系、読売書法会系などと分かれている人たちが、同一の団体でやっているのは、見る側にとってはありがたいことです。
公募は、漢字多字数、漢字少字数、かな、近代詩文、墨象ぼくしょう、篆刻てんこく・刻字の6部にわかれ、前衛書の部門がないのは残念ですが…。
筆者のようなしろうとが見に行ってお . . . 本文を読む
(承前)
筆者は、書はしろうとであるから、字釈などにこだわらず好き勝手に見て楽しむ。
したがって以前は、漢字でも、大字には造形感覚の個性の違いが現れて、おもしろがっていたが、行書の多字数書などは書展会場で見てもほとんど素通りだったのが正直なところであった。一つ一つの文字が小さいので、どう鑑賞してよいのか、わからなかったのだ。
ところが2008年、梅木陽一さんの社中展で、貫名菘翁ぬき な す . . . 本文を読む
北海道高等学校書道教育研究会・展覧会の略で、毎年この時期に開かれている。
道内で書に取り組んでいる人は、大学や中学の教壇に立っている人や、自分で教室を持ったりカルチャーセンターで教えている人も多いが、高校の先生やそのOBも多いので、けっこう見応えのある書展である。正直なところ、書道道展や毎日書道展などは点数が多すぎてなかなか体力を要するので、書の展覧会を何気なく見たい人にはすすめたい展覧会だと . . . 本文を読む
北海道書道展は、書では道内最大規模の団体公募展である。
審査は、漢字多字数、漢字少字数、かな、近代詩文、墨象、篆刻・刻字の6部門に分かれている。
基本的には、一般、会友、会員の3段階で、これは道内の美術の団体公募展と同じ。ただし、ベテラン会員は「招待会員」という扱いになっている(さらにいえば、中野北溟さんは超別格ということらしく、「招待作家」という肩書である)。
また、大賞と準大賞は、一般 . . . 本文を読む