KUMIの句日記

写真と一日一句で綴るブログ。句の転載を禁じます。

広島忌・そして冷凍された心地

2024年08月06日 | 俳句
天気 曇がち

広島はいつもの年と変わらず暑そうな晴天で。写真は、2018年に行ったときの平和公園で。あまり写真にする場所ではないような気がして、公園では記憶しておきたい場所だけ撮った。5月の連休明け、修学旅行のラッシュだった。

資料館は新館への工事がほぼ終わった時期だったろうか。
資料館の中の、被爆者の遺品陳列の前で、じっと動かない外国人の若い女性が思い出される。説明文を読みながら、涙を拭っていた。黒髪のくっきりした横顔は、スペインかイタリア系のようだった。私は古い資料館のとき2回訪れているので、その場所は前と変わらない内容でもあったし、通り抜けてしまった。今も戦争は新しく起きている。どの国も、核を兵器に出来る力があるようだ。
日本だけでも良い、私の生きている間は平和でありますように。戦争は二度と見たくない。


広島忌を過ぎれば、明日は立秋だ。せめて朝晩だけでも風が涼しくなってくれれば・・そういえば、東京の猛暑日はもうピークを越えるかも・・という予報士の話だった。最高気温が34℃止まりになる・・って、ちょっと暑い所に出れば35℃になる、ということでしょ。

そんな猛暑の中、昨日の午後は心臓の血管の検査のため、病院紹介の近くの検査専門クリニックへ行った。対象者が多いので、病院では処置しきれなくて時折、そういうことがある。造影剤を注入するので、時間もかかるし器械も人手も足りないのだろう。
どうせ、検査して悪い所が増えたって今さら回復する訳でもないし・・と、患者は冷めている。狭心症と診断されてからは、もういいよ、という気持が強くなった。
ともあれ、もう決まっている検査、タクシー予約して、あーちゃんにも来てもらって・・一人ではとても往復する自信がない。万一、造影剤でアナフラキシーでも起きたら・・私の周りで、造影剤の点滴中に倒れた人を二人、知っている。無論命に影響ななかったが、滅多にないこと、とは言うけれど。
さて、私にとっての問題は・・造影剤を注入するための注射針が簡単に血管へ入るか入らないか。検査のベッドに寝かされて、自分がもう、かなり冷蔵人間になっていると思った。検査専門のクリニックだから機械が多いのだろう、そのため、廊下も待合も冷え冷えなのだ。当然、すんなりと針は血管に収まらない。
暖めて、もっと血管を柔らかくしなくちゃ・・って、患者が言ってから暖める準備を始めた。もう、体は冷凍されそうだ。看護師が二度失敗、三度目はドクターが来た。私の耳元で「もう一度、やり直しますね、ごめんなさい」と大音響・・もう、鼓膜が破れそう。痛さと寒さで私がきちんと声を出せないので、ドクターは聞こえていない、と勘違いしたらしい。口の中がカラカラで喋るのも大変だったが鼓膜は破られたくない。
「先生!私の耳は正常です、普通に話してください!」と、やっと声を絞り出した。温めている手首以外の五臓六腑、注射針が入るまでに完全冷凍状態。この前も病院で冷凍マグロになった、と思ったことがあった。でも、昨日はそれどころではない完全冷凍状態だった。

で、終わって外へ出たら猛暑の夕暮れ近く、曇空でほっとした。少し行くとファミレスがあった。この時期、絶対に昼間は客の座らないテラス席を用意してもらう。変な客、と思われているかと・・・店員には「病院で冷房がキツくて冷えすぎてしまったのよ」と言って。

ホット珈琲で「体の芯を解凍」全身が温まるまで、30分近くかかったかもしれない。
検査疲れ、というよりも、検査で余計に体調が悪くなってしまった心地だ。

戦争がまた増えてゐる広島忌   KUMI
コメント (4)
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