天気 曇がち
まさに花曇、なのだろう。昨日は一日花見日和だったのに、予報が少しずれて今日まで晴天は続かなかった。あちこちの桜の映像をテレビで見て、人の多さに仰天するほかなく、あんな人ごみで見る桜、楽しいのだろうか・・と思ってしまう。
で、写真は前回の上杉謙信の桜を眺めた同じ日の午前中に立ち寄った、沼田城址のソメイヨシノ。ちょうど満開の城址公園の桜ではなく、駐車場の向こうに見えた桜。こんなに立派に咲くソメイヨシノは見たことがない。桜並木としてたくさん並んだ風景とは違い、ともかく凄いボリュームだった。公園とは反対方角なので、そちらには行かなかった。
沼田は山が近い。残雪の上越国境の山並みと桜。こんなに雪山が近いと、さすが東京よりも桜は半月近くも遅い満開になるようだ。
半世紀前の東京は、今頃満開になるのが平年並みだったように思う。義務教育の入学式が桜の下で・・というのは常識だったし。
夫の母親が入院先で突然亡くなったのが4月4日。昨日は命日だった。父親は余命3ヶ月、と言われて入院していて、母親の方はその疲れもあって別の病院へ入院していた。とくに重病でもなく、私の勤務先からバスで15分ほどの病院だった。重病の義父の病院へは毎日のように寄っていたが、義母は心配するほどでもないので確か、週に1回くらいしか行かなかった。
その母の容体が突然悪くなったので家族に来て欲しい、と、病院からの要請があった、と夫から電話があった。夫は都心に勤めていたので、病院までは40分以上はかかる。私はとりあえず机の上を片付け、上司に「義母の病院へ行ってくる」と伝えて病院へ向かった。まだ20代の夫婦は、危篤状態だから病院が家族を呼んだ、という予測すらしていなかった。私は、職場の前からバスに乗った。あとで考えれば、普通、急ぎならタクシーに乗るでしょ・・と思ったが。呑気にもほどがある。
で、そのバスは、区内でも有名な桜並木の下を行く。桜、満開。もう見たことのないくらい美しい桜のトンネル・・病院前までそれが続いているのだ。
でも、病院で待っていたのは・・空っぽの病室のベッドだった。義母54歳。
吐血で亡くなるなんて医療ミスかもしれない・・などと言われたりしたが、その1ヶ月後には義父が亡くなり、医療ミス云々など考える余裕もなく若い夫婦は二つの葬儀に追いまくられた。
それから何年か、私は満開の桜の時期が嫌いになった。でも人間、桜の力にはいずれは負ける。いやな季節、と思いつつ花見をしているうちに、そうでもなくなっていった。
昨日今日、何だか忙しい。それでも、寒さを感じなくなったので出来る限りは買い物や用事に出て日光浴をするようにして。でも、今は2,500歩が限度かも。帰ってからの疲れ具合が・・だんだんキツくなる。チューリップは近所の花壇で眺めよう。
街の桜は、だんだん色褪せてきた。
いづこより飛びきし落花二三枚 KUMI