それまで存えるか否かはともかく、チャベスの1月10日の大統領就任式への出席が叶わなくなった今、チャベス後のベネズエラがどのような方向に向かうのか関心が高まっている。歴史的に見れば、独裁者のあとには、新たな独裁者が現れるか、混乱するかの二つしかない。北朝鮮と違い、世襲のできないベネズエラでは後継者争いとなってまずは当面、政治・経済面での混乱が続くことになるだろう。
オバマ=ケリーのアメリカには、積極的に介入する意味を見出さないだろうから(どちらに転んでも今以上の反米政権にはならない)、当面静観し、ベネズエラの「民意」を探るのではないか。新興国代表として、石油資源に目をつける中国の動きもありうるが、ベネズエラの強烈な中国人蔑視の国民性から、さすがに中国も手を出しずらい。
アメリカがシェールガスの本格的生産に入り、エネルギー安全保障上のベネズエラの重要性は今までになく低下している。政治・経済の混乱が、独裁政権下で疲弊した国民生活をこれ以上困難なものにすることの無いよう、副大統領、議会議長などの有力政治家の自覚と自制が求められている。