回顧と展望

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EU/英国の国民投票―キャメロンの冒険

2013年01月24日 18時19分33秒 | 日記

キャメロン首相が、2015年の総選挙で保守党が勝利すれば、2017年にEUに残るか、脱退するかの国民投票を実施すると公式に表明した。それでなくても軋みの出てきているEUにさらに難題を突きつけたという事で、特にフランスからの反発が強い。キャメロン首相の本意が、EU脱退にあるのか、あるいは、現在のEUでの主導権確保のためのブラフなのか、もちろんはっきりとはしない。ブラフにしては危険な火遊び、という感はぬぐえない。これで保守党は分裂の危機に瀕しているし、キャメロン首相自身の足元も相当に危うくなっている。

参加の時と同様、脱退についてもイギリスは他の欧州各国とは何かが違う。今やイギリス国内では、親EUと反EUの両派が入り乱れて大激論を戦わせている。

ただ、今回、アメリカ政府はイギリスのEU残留を明確に期待している。EUの弱体化につながるようなことは何としても避けたい、というアメリカの事情によるものだが、これまでのいわば一衣帯水の英米協調に何か変化があったのか。国民投票までの5年間はいかにも長く、不確実な期間がこれだけあるという事は、少なくとも投資家にとってはリスクという事になる。そして、投資の変調は雇用へとつながってゆく。

BBCの街頭インタビューによれば、大半が脱退するべきだと回答している。ただし、「なぜ脱退しなければならないのか」と言う質問にはほとんどの回答者がまともには答えられなかった。つまり、一種の「気分」のようなものがイギリスを覆っているようだ。経済に陰りが見えるイギリス、さらにEUとの関係では(ほんのわずかな額の投資家として)マイナスの影響が懸念されるところ。

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危機管理

2013年01月24日 12時39分19秒 | 日記

今回のアルジェリアでの人質事件を受けて、改めて危機管理の重要性が高まっている。最近では、東日本大震災の際に大きな見直しが行われたが、2年と経たずに新しい危機が具現化した。特に、政府においては、一層の危機管理能力の強化が喫緊の課題である。

今、差し迫った危機としては、まずは、尖閣諸島をめぐる中国との軍事衝突(偶発的な装いのもとで発生する古典的な)である。想像されるあらゆるシナリオを抽出し、シナリオごとに執るべき行動を決定し、模擬訓練を行って対応行動が実施できるかを確認しなければならない。特に、中国側の挑発行動の果てに、自作自演による犠牲者の発生から軍事行動と言う典型的なパターンへの具体的対応が必要だろう。

危機管理は、繰り返し行う訓練なしには全く意味をなさない。訓練があって初めて危機管理体制が有効になるのであり、訓練なくしては、危機管理の実効性は担保されない。昨日からは台湾船の挑発が続いている中で、今にも対応が必要な事態が発生しそうだ。

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