回顧と展望

思いついたことや趣味の写真などを備忘録風に

マリ北部フランス軍の進撃

2013年01月28日 16時54分29秒 | 日記

イスラム過激派に9か月間占拠されていた北部マリの主要都市が次々にフランス軍の空爆(ヘリコプター攻撃により民間人に12名の犠牲者が出たと報道されている)と地上部隊により奪還されている。イスラム過激派は、アフガニスタンでの例に倣い、山岳地帯に引き揚げて長期戦に持ち込もうとして徹底的な反撃もせず兵力・武器を温存するべく消耗戦を避けているようだ。アフリカ各国の派遣する連合軍も到着間近だが、ここからの掃討作戦がどこまで徹底できるかで、フランス軍の置かれる状況も大きく変わる。何としてでも長期戦を避けたいフランスとしては、ここで更に装備を強化して一気にイスラム勢力を壊滅させて作戦を完了したいところ。

アメリカとは当初、アメリカが軍用輸送機の費用を請求しようとしたことで紛糾したが、アメリカがその要求を取り下げたことで障害は解消したようだ。アメリカは3機の空中給油機を提供してフランス空軍の空爆を支援している。今日のフランス国営テレビには、米国空軍の大型輸送機に乗り込んだマリに派遣されるフランス兵を国防相が激励する様子とともに、同国防相が米軍からの輸送手段の提供がなければこのような作戦は完遂できないとして謝意に近いことを述べていたことを報道していたのもこのことに符合する。

このテレビ番組では、フランス軍参謀本部の指揮状況の一部を放映していたが、それを見ると今回の軍事介入が、フランスが全力を挙げている極めて重要なものであることがよくわかる。フランス軍がマリ北部の自由解放軍として早期に作戦を完了できるのか、引き続き注視していなければならない。

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テロとの戦争

2013年01月27日 17時02分57秒 | 日記

ダボスで開催中の世界経済フォーラムで、アルジェリアの外相がテロリスト対策のために外国の援助を受け入れる方針を示した。先週のアルカイダ系武装集団による石油ガス施設襲撃および人質事件において、外国からの援助を断り、人質の犠牲者が多数に上ったことに対する国際的な非難を踏まえて方針を変更したもの。やはり、今回のような多数の外国人を巻き込んだテロ事件では、アルジェリアの装備では不十分と言わざるを得ない。今回のような事件では、対テロの経験豊かな英国や米国の諜報能力および偵察機器や無人攻撃機などが効果を上げる。

この方針に対して、英国では41%が支援は必要だと考えている一方、65%は、英国の支援により、テロリストが英国を標的とするのではないかと危惧している。アフガニスタンやイラクにおけるテロリストとの長い戦争に関与している英国においても、テロへの不安を持つ国民は多い。もし、平和主義の日本がアルジェリア政府を支援することを表明すれば、新聞をはじめとするマスコミはイスラムテロリストの報復を恐れるキャンペーンを張るだろう。そして、人心の恐怖心を煽ることが最大の攻撃だとすれば、それこそテロリストの思うつぼということになる。

なお、今回の人質事件をおこしたアルカイダ系のテロリスト集団の資金源の一部は、メキシコやベネズエラから、マリを経由して米欧に密輸されるコカインだという。結局、米欧(ひょっとすると日本も含まれるかもしれない)が消費する違法薬物がテロリストの軍資金の一部となって自国民を標的として危険にさらすというやりきれない連鎖にもなっているようだ。

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マクドナルドの変調

2013年01月26日 15時06分43秒 | 日記

かつて親友がJALに勤務していたことから(今では何の義理もないが)、国際線でも国内線でもJAL便がある限りそれを利用している。そのJALの国内線で、いわゆるタッチ・アンド・ゴーというチケットレスの搭乗手続きをすると、手荷物検査場で便名と座席番号の記入されたレシート状のものが出てくる。搭乗ゲートでは再度ICカードをかざさなければいけないので、このレシートはチケットとしての意味は持たない。が、その裏面には、マグドナルドの商品と引き換えることが出来ると印刷されている。ほとんどがコーヒードリンクなっているのだが、たまにはビッグマックなどとも交換できるものもある。

このレシートを利用して自宅近くのマクドナルドに入ってみた。繁華街に近いこともあって繁盛してはいるのだが、かつて感じたような勢いが感じられなかった。店員は相変わらずきびきびしているし、一時は目障りだったけばけばしいメニューボードも落ち着いている。店舗にややくたびれた感はあるがそれほどみすぼらしくはない。それにもかかわらず、店内に華やかさが感じられないのである。数年前までは、そこで話し込んでいる若い母親たちそしてその子供たちには、どこか活気と華やかさがあったように記憶している。これは何なのか。今日の経済ニュースを見ていると、マクドナルドは全世界ベースではまずまずの業績であるが、日本は不振、と報じられていた。

文庫本でも読もうかと思っていたのだが、そんな利用者にとっての一番の問題はテーブルとイスがわずかではあるが小さすぎること、そして、その配置が稠密にすぎることだった。それでも、それが店舗の活気のなさにつながるものなのか。

ところで、タッチ・アンド・ゴーとは一般的な慣用句としては一旦着陸のために接地した飛行機が再度離陸するという、非常事態の対処法である(もちろん操縦士の飛行訓練回数を稼ぐという経済的な理由もある)。これまで数多く飛行機を利用してきたが、このタッチ・アンド・ゴーをハンガリー・ブダペスト空港で一回、そして数年間に羽田で一回経験した。特に羽田空港の際には(着陸直前に初老の乗客がトイレに入り、そのまま出てこないため、着陸をやり直すというしようもないものだったが)、B777が急にエンジンを全開にした時の狂暴な加速はよく記憶に残っている。ふだんは温和にみえる旅客機が、着陸やり直しの際にみせた、機体をよじらせるような身のこなしは、やはり飛行機とは鉄の塊が空を飛ぶという非日常的な乗り物であることを再認識させられた。件の乗客の間抜けた所作と、乗客をトイレから呼び出そうとする担当スチュワーデスの悲壮な努力、そしてその事態を機長に伝えるチーフパーサーの緊張した面持ちも忘れられない。

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円安と株高

2013年01月25日 16時38分04秒 | 日記

史上最大の貿易赤字を受けて、円安に弾みがついている。原子力発電所の大半が稼働するというような(多分あり得ない)事にならない限り、円安で輸出が伸びたとしても、石油・ガスの輸入増により、3年程度は貿易収支は赤字が続く。今後は、快適な水準を突き抜けて円安に歯止めがかからなくなり、強烈な輸入インフレに陥る可能性もある。身近なところでは、すでに、今年の暖房用灯油は100円/㍑を超えてきているし、原油価格の動向を見れば今後さらに上昇する。また、自動車用ガソリンも150円/㍑を超えてきている。こういった値上げが家計を直撃していて、それ以外の消費にも影響が出ている。またまた、ユニクロやニトリといった店舗がにぎわうのかもしれない。

一方、輸出企業の業績回復を期待した株高が続いている。円相場と連携して今日の株式市場も相当に激しい値動きを示した。素人には難しい株式相場だ。結局、国内の個人投資家が狼狽買いで火傷をするようなことにならなければ良いが。

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EU/英国の国民投票―キャメロンの冒険

2013年01月24日 18時19分33秒 | 日記

キャメロン首相が、2015年の総選挙で保守党が勝利すれば、2017年にEUに残るか、脱退するかの国民投票を実施すると公式に表明した。それでなくても軋みの出てきているEUにさらに難題を突きつけたという事で、特にフランスからの反発が強い。キャメロン首相の本意が、EU脱退にあるのか、あるいは、現在のEUでの主導権確保のためのブラフなのか、もちろんはっきりとはしない。ブラフにしては危険な火遊び、という感はぬぐえない。これで保守党は分裂の危機に瀕しているし、キャメロン首相自身の足元も相当に危うくなっている。

参加の時と同様、脱退についてもイギリスは他の欧州各国とは何かが違う。今やイギリス国内では、親EUと反EUの両派が入り乱れて大激論を戦わせている。

ただ、今回、アメリカ政府はイギリスのEU残留を明確に期待している。EUの弱体化につながるようなことは何としても避けたい、というアメリカの事情によるものだが、これまでのいわば一衣帯水の英米協調に何か変化があったのか。国民投票までの5年間はいかにも長く、不確実な期間がこれだけあるという事は、少なくとも投資家にとってはリスクという事になる。そして、投資の変調は雇用へとつながってゆく。

BBCの街頭インタビューによれば、大半が脱退するべきだと回答している。ただし、「なぜ脱退しなければならないのか」と言う質問にはほとんどの回答者がまともには答えられなかった。つまり、一種の「気分」のようなものがイギリスを覆っているようだ。経済に陰りが見えるイギリス、さらにEUとの関係では(ほんのわずかな額の投資家として)マイナスの影響が懸念されるところ。

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