世の中に缶詰の種類は数あれど。
サバ缶ほど、市井の人々に愛されてきた缶詰もないでありましょう。
一方の雄、ツナ缶がどちらかというと素材缶の道を選んだのとは違って、サバ缶はあくまでもご飯のおかずに特化してきた。
白飯のパートナーという軸をぶらさなかったことで、同業“他缶”との差別化を図ってきた。
そして本日、新たなサバ缶をここにご紹介できる喜びを、筆者は噛みしめている。
それが茨城県の高木商店さんが出した『ねぎ鯖』シリーズなのであります。
このシリーズは、塩だれ、醤油だれ、味噌だれの3種類が発売されている。
中でも味噌だれは、味噌の調合に苦心したため、商品化が一番最後になったと同社の方が話していた。期待が昂まるではないか、読者諸賢よ!
缶内が整然としている。
一見して、ていねいな詰込作業を行っていることが分かる。
京都・竹中缶詰さんのオイルサーディンも美しい詰込みで有名だが、このねぎ鯖も負けず劣らず。
分かりやすいようにねぎを引っ張り出してあるが、このねぎはきっちりと詰まったサバの脇に直列状態で収められている。
代表して、味噌だれのアップ。
皮の美しいこと。背側はあくまでも青黒く、腹側はあくまでもシルバー。
皮の一部がまるで焼いたように膨れていて、そこがいかにも美味そう。
さ、肝心のお味はというと...。
むっ、サバが新鮮であります。瑞々しく、いい香りがしている。身が煮詰まったいわゆる“サバ缶臭”がない。
そこに地元茨城産のねぎの香りが加わり、缶内はあきらかに高品質な世界であります。
価格は1缶260円で、ここ数年で増えてきたご当地物缶詰の中では安いほう。
サバの魅力がダイレクトに伝わったのは、やはり塩だれ。これまで食べたサバ缶では、マルハニチロさんの月花シリーズが最も美味いと感じていたが(記事はこちら)、それを上回りそう。
すべて原料のサバがいいことと、加圧加熱の仕方が工夫されているからなのであります。
かくのごとし。3ついっぺんに開けちゃったので、今夜のおかずはサバづくしなのだ。
筆者の好みとしては、味噌だれが美味かった。
これまでは水煮(塩味)が一番美味いと思っていたのに、その既成概念を打ち破られてしまった。なかなかの強者といわねばならない。
ということで、2007年11月に発売されたこのニューフェース、ねぎ鯖シリーズ。缶詰仲間のG3さんによれば「ゴハン1合缶詰」に認定される可能性があるらしい。
筆者は確かに1合を平らげました。
固形量:70g
内容総量:100g
原材料名:『塩だれ』さば、ねぎ、食塩、清酒、みりん、しょうゆ(原材料の一部に小麦を含む)、でん粉、酵母エキス
『味噌だれ』さば、ねぎ、砂糖、味噌、還元水飴、食塩、増粘剤(グァーガム)
『醤油だれ』さば、ねぎ、しょうゆ(原材料の一部に小麦を含む)、糖蜜、砂糖、魚醤、発酵調味料、でん粉、酵母エキス、増粘剤(グァーガム)
原産国:日本(高木商店)
注:グァーガムというのは豆科の植物から摂った糖類のこと
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