「ありゃ、ひどいものさ」などと、ものごとにこだわらぬ秋山小兵衛さえも、あまり、鰻を好まぬようだ(中略)。
それが、上方から伝わった調理法で、鰻を腹から開いて、食べよいように切り、これを焼くという...そうなってから
「おもったよりも、うまいし、それに精がつくそうだ」
と、江戸でも、これを食べる人が増えたそうな。
池波正太郎『剣客商売 辻斬り』 新潮文庫
なぞと、江戸っ子の風情をたっぷりと味わえるのが、池波作品の醍醐味である。
この話しに登場するのはまぎれもなくウナギ料理。私も好物だが、ここは庶民派缶詰&瓶詰さんのブログなのである。ウナギの蒲焼きをご紹介することなど、まずは
「なきものとみてよい...」
となるのである。
ところが、あったのですよ。えらく安価なうなぎ蒲焼き缶詰さんが。それもなんと、肝の部分だけを集めた缶詰さんが。
こうなるともう一作、ご登場願うことになるのである。
もっと、“だけもの缶”というものがこの世にあるのではないか(中略)。サンマの塩焼きはハラワタがおいしい。サンマの塩焼きハラワタだけ缶”というのも売り出してほしい(中略)。シーチキンマヨネーズおにぎり”の中心部の具と接触するあたりのゴハンはおいしい。この“接触するあたりのゴハンだけパック”というのもいいかもしれない。
東海林さだお『駅弁の丸かじり』 文春文庫
今回入手した、カニ缶風に紙に包まれている、このうなぎの肝だけ集めた缶詰さん。これこそ東海林さだお氏言うところの、“だけもの缶”に違いない。肝となれば、もう、世界中の食べ物の中でも、一番美味しいものとして珍重されているエライお方なのである。フォアグラだって、あん肝だって、みんな肝なのだ。
ちなみに私が「一番美味い!」と断言出来るのは、かわはぎの肝なのである。こいつの前ではフォアグラなんか到底敵わないのである。ブロイラーのレバーみたいなものである。
どうも話しがズレっぱなしではあるが、薄切りショーガを砂糖酢に漬けたやつを添えて、まずは一口。
おお、ほろ苦さとタレの甘みの混成部隊。よーっく冷やした白ワインに合います合います。こりゃあたまらんですなあ。もう一口。
「ふむ。こいつ、よくできておるわい...」(池波氏)
「これ、かなりおいしいかしんない」(ショージ氏)
内容量:50g
原材料名:うなぎのきも(国産)、しょうゆ(大豆、小麦を含む)、みりん、砂糖
原産国:日本(浜名湖食品)
追:防災用の缶詰さんにもこんなの入れたら楽しいか“しんない”、ということで、ブログ上で災害情報を欠かさない『J'sてんてんてまり』“05.7.12まで”にトラックバックでござる
肝好きの人っていますよね。
どれも栄養価が高そうですっ
うなぎ屋さんだと肝は肝吸いだよね。僕も蒲焼きになっている肝は初めて食べた。例の甘辛~いタレ味で、中身はサンマのハラワタがもっと脂っこくなったみたいだよ。
ワタクシ、肝好きです('-'*) かろりー高いぞお!
あ、サザエのキモだけは許せます。カニの味噌だけも、勿論のこと、です。ほうば味噌定食で、ほうばの味噌だけには参りました。。。。dake。。。DK缶ですな。
カワハギの肝のお味を知っていらっしゃるのですなヽ(´▽`)/
>ほうば味噌定食で、ほうばの味噌だけには
>参りました。。。
怪しいですね。それじゃあただの加工味噌じゃん...。
良くウナギ屋の前で焼かれている肝の串焼きをおやつに食べましたよ。
その上、カワハギの肝も大好きです。
カワハギの薄作りを肝とポン酢と薬味であえたのと一緒に食べるのがたまらないですよね~♪
肝焼きがおやつなんて、粋な生活でしたねえ。今だったら絶対に一杯いかないと気が済まないな。
カワハギの肝は本当に絶品ですよね! 僕は煮付けのカワハギで開眼しますた。ぷりぷりに煮上がった肝だったです。