昨夜のNHKニュースを観ていて驚いた。
能登半島地震の被災地で、高血圧と診断された人の割合が前年よりも増えたという内容だった。
その原因として
「自宅ではないところに住むことになってストレスを抱えやすくなったり、缶詰など塩分の多い食生活になったりした人もいる...」
と解説していたのだ。
缶詰は塩分の多い食品じゃない。
例えばサバのみそ煮缶だと、100gあたりの食塩相当量は1.3g〜2.3g程度。内容総量150gのサバみそ煮缶なら、缶汁まで含めても、多くて約3.5gである。
味の濃いイメージがあるやきとり缶(たれ味・75g缶)でも、1缶あたりの食塩相当量は1.1gしかない。
一方、厚生労働省が推奨する1日あたりの塩分摂取量の上限は、成人男性で7.5g未満。同女性は6.5g未満だ。
もしサバみそ煮缶を朝・昼・晩と1缶ずつ(缶汁ごと)食べ続けているのなら、1日当たりの食塩相当量は10g前後になる。
それでは塩分の摂りすぎになるが、被災地ではそんな食べ方をしているのだろうか?
どうも気になって「被災地 高血圧 缶詰」というキーワードで検索してみた。
すると、NHKが2021年に放送した〈先どり きょうの健康 「災害から命を守るために“高血圧”」〉という番組のサイトがヒットした。
その見出し文には
「実は災害時、高血圧を悪化させる原因のひとつが非常食。カップめんや缶詰などには塩分が多く含まれており、血圧上昇につながりやすい」
と書いてあったのだ。これが間違いの始まりかもしれない。
カップめんと缶詰の塩分量はまったく違う。
もっともメジャーな「カップヌードル」は、1食あたりの食塩相当量が4.7g。サバみそ煮缶の約2倍である。
(でも美味しいから汁まで飲んでしまうが...)
缶詰博士として言いたい。缶詰は塩分の多い食品ではありませんぞ!
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