首都マーレの朝。建物がカラフルだ
13時20分、成田空港発。
19時10分、スリランカの首都・コロンボ到着。乗り継ぎのため1時間、空港内で過ごす。
21時5分、モルディブへ到着。
時差を入れると、実質11時間45分かかった計算だろうか。
だいたい、ヨーロッパの主要都市に行くのに近い感覚であります。
モルディブの国際空港はフルレという島にある。そこから首都島・マーレまで、15分かけて船で移動する。
マーレには空港を作るスペースがないのだ。
空港から首都まではドーニと呼ばれる船で移動
蒸し暑くて汗が流れるが、走り出すと快適
船着き場に行くと、聞いていた通り、タクシーのお迎えが来ていた。
まずはホテルへチェックインする。
「黒川さん、お腹は空いてませんか?」
伊藤氏が言う。
「そんなに空いてないけど、せっかくだから何か食べに行きますか」
と僕。
「今回の旅は、マーレでの滞在時間がほとんどないですからね。行きましょう」
夜の10時過ぎ。
フロントで「食堂はないか」と聞くと、魚市場の2階にあるという。
「地元の人しか行かないところだ。そんなとこでいいのか?」
フロントの人はしきりに聞いてくる。
観光客がなぜそんなところに行きたがるのか、不思議に思っているのだ。
「そういうところに行きたいぜひ行きたい」
僕と伊藤氏の共通の意思は固い。
「じゃあ車で送ってってあげます」
到着したのは港のすぐ近くにある魚市場だった。教えられた通りに階段を上がると、確かに食堂がある。
ほかに客はひとりもいない。
ガルディアというカツオのスープと、魚のカレー、ライス、豆を潰してチップスにしたものを頼んだ。
蛍光灯の青白い灯りに照らされた、簡素極まる安食堂だ。
「味には期待できないかも」
「まあ、それも経験ということで」
ところが、ところが・・・。
すごく美味しいんであります。
ガルディアは塩味ベースであっさりしていて、カツオの出汁がたっぷり出ている。大きな切り身のカツオもジューシーでウマい。
カレーは粘度がなくさらっとしていて、ものすごく辛い。辛いが、その中に強烈なうま味がある。
「かか、辛い! けどウマい!」
止まらないのだ。
全身が汗だくになったが、気分は爽快である。
その汗を飛ばすため、ホテルまで歩いて帰ることにした。
夜のマーレはスクーターの洪水だ。
若者たちが、2人乗りをし、行くあてもなく、ひたすら道路を走り回っている。
「エネルギーが余ってるんでしょうなあ」
「うらやましいですなあ」
恐らくマーレで一番大きいスーパー。これは肉の缶詰コーナー
途中、スーパーに立ち寄る。
もちろん、缶詰売り場のチェックであります。
「やっ、品揃えがすごいぞ!」
フルーツ、肉、魚、蔬菜(野菜や豆など)の缶詰が整然と並んでいる。
長さ4メートル程度の缶詰棚が2面あり、そのほかの場所にも様々な缶詰が置いてある。
例のモルディブ特産のツナ缶も置いてある。
「あったあった! ありましたよ!」
オジサン2人はコーフンし、思わず声を張り上げてしまう。
しかし、モルディブのツナ缶がモルディブにあるのは、考えてみれば当たり前のことであった。
それでも
(ここで頑張っていたか。そうかそうか!)
友人に再会したような気分だったのだ。