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カダフィ政権、最終局面 反体制派が国営テレビ占拠

2011年08月23日 07時28分18秒 | ニュース
内戦下のリビアで21日夜、数千人規模の反体制派が首都トリポリに入り、市内の大半を制圧した。反体制派の蜂起が発生してほぼ半年が経過し、約42年にわたってリビアを統治してきたカダフィ政権は存続に向け最大の危機に陥った。反政府活動を強硬手段で弾圧し続けた政権が崩壊目前となったことは、シリアなど他のアラブ諸国での反体制活動への追い風となりそうだ。




22日、リビアの首都トリポリの道路を進む反体制派の戦闘員ら=ロイター
 反体制派を束ねるアブドルジャリル国民評議会議長は22日、拠点の東部ベンガジで「カダフィ時代は終わった」と宣言。首都全域が解放されればトリポリに入る方針を明らかにした。イタリアのフラティニ外相は同日、最高指導者カダフィ大佐がトリポリの「10~15%も掌握していない」と述べ、反体制派が首都の約9割を掌握したとの見方を示した。

 首都中心部では22日、政権の戦車や狙撃手が抵抗を続け、カダフィ大佐の居住区兼軍事基地があるバーブ・アジジヤ地区など複数の場所で戦闘が発生している。大佐の長男ムハンマド氏と次男セイフイスラム氏に続き、同日は三男サーディ氏も拘束されたと伝えられた。国営テレビ本部は同日、反体制派が占拠した。
 占拠に先立つ21日夜、国営テレビはカダフィ大佐の演説を音声だけで放送。大佐は「トリポリにいる」と徹底抗戦を表明し、支持者に戦うよう呼びかけた。ただ大佐が首都にいるかどうかは確認されていない。

 要人が政権を見限る動きも続いている。マハムーディ首相はチュニジアに入り、政権から離脱したもよう。各国のリビア大使館では在外リビア人らが次々と建物を乗っ取っている。エジプト政府は22日、国民評議会を承認した。

 チュニジアやエジプトの政変に触発され、リビアでは2月中旬に東部ベンガジで反政府デモが発生。一時はトリポリにも騒乱が波及し、カダフィ大佐の退陣は時間の問題との見方が浮上した。しかし大佐は航空機や重火器を投入して抗議活動を徹底的に弾圧。こうした手法はシリアにも踏襲され、中東アラブ諸国に広がっていた民主化運動「アラブの春」が停滞するきっかけとなった。

 AP通信によるとシリアの中部ホムスなど各地で22日、数千人規模のデモが発生。「カダフィは去った、次はバッシャール(アサド大統領)の番だ」と気勢を上げた。カダフィ政権が最終局面に入ったことで、民主化運動が再び活発化する可能性もある。
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