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AIIBの「ワナ」米紙が暴露 中国が“拒否権”握る WSJ「定款」の草案入手

2015年06月12日 06時29分50秒 | ニュース
 中国主導のアジアインフラ投資銀行(AIIB)で、参加に慎重な日本や米国の懸念が裏付けられた。米紙ウォールストリート・ジャーナル(中国語版)が報じた「定款」の草案によると、中国が単独で最大30%の議決権を握って「拒否権」を保有、非常勤の理事がメールで決裁し、環境や人権への配慮なく融資が実行される懸念もある。

 同紙は、創設メンバー57カ国が6月下旬に北京で調印する予定の基本規定「定款」の草案を独自入手。それによると、AIIBの資本金は1000億ドル(約12兆円)で中国は単独で最大の29・8%を出資する。

 出資比率に応じて議決権が決まるが、定款草案は中国の議決権を25~30%と幅をもたせており、最終調整に委ねられるもようだ。だが、重要案件の議決は全体の75%以上の賛成が必要となるため、中国が事実上の拒否権を有する計算だ。

 理事会は設置するが、理事は無給で非常勤とし、電子メールなどで持ち回り決裁する見込み。迅速に融資を決定できる組織を目指し、環境や人権などの評価に時間をかける国際金融機関の常識とはかけ離れた形で、国際機関としての中立性に疑問が残る。

 中国が単独で拒否権を持つ組織に加われば、最終的には中国の意のままに融資を決定せざるを得なくなる。ドイツ政府はAIIBへの出資比率が4・1%となり、中国、インド、ロシアに次いで4位になる予定だと発表。AIIB創設のための契約文書案を10日、閣議決定したが、日米は引き続き参加に慎重な姿勢を貫いている。

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