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過度な減量は禁物 頭の薄毛・抜け毛を防ぐには

2013年04月04日 08時39分26秒 | お役立ち情報
 頭の薄毛や抜け毛を気にする人は多い。予防には効果が認められている医薬品を使うのもよいが、日常生活で気を付けるべきことも多い。睡眠や食事、マッサージなど気軽にできる方法を専門家に聞いた。

 頭髪は皮膚の外にでている毛幹と皮膚の中に潜っている毛根からなり、毛根の下部は丸く膨らんだ毛球がある。毛球の底には毛細血管で運ばれてきた栄養を取り入れる毛乳頭があり、栄養を毛母細胞に渡して細胞分裂を促し毛幹をつくる。


■栄養バランス良く


 成長ホルモンは午後10時~午前2時に多く分泌されるといわれ、頭髪もこの時間帯に最も成長するという。成長ホルモンは睡眠中に多くでるので、この時間は眠るのがよい。




 頭髪の成長を促すには、余分な皮脂や汚れを落とすことも大切。「夜10時ごろまでに洗髪するのがよい」とヘアサロンのアヴェダ・ライフスタイル・サロン&スパ南青山(東京都港区)のセラピスト、佐藤麻子さんは助言する。洗い方にもコツがある。髪の毛のホコリや汚れはお湯で洗い流し、シャンプーで頭皮を洗う。ゴシゴシこすらず、頭皮を傷つけないよう指の腹で優しくマッサージするように洗うのがポイントだ。

 朝晩2回髪を洗う人がいるが「夜1回で十分」(佐藤さん)。皮脂腺から分泌される皮脂はばい菌の繁殖を防ぐ役割を担っていて、洗いすぎは逆に皮脂の過剰分泌につながる。過剰な皮脂が毛根を塞いでしまう場合もあるという。

 食生活も重要だ。髪の毛はケラチンというたんぱく質から主にできている。肉や魚、卵、乳製品、大豆などたんぱく質の豊富な食品を取ると体内でアミノ酸に分解され、ケラチンに合成される。こうした合成を促すビタミン類や亜鉛などのミネラルもバランス良く摂取するのがよい。

 過度な減量は髪の成長に悪影響を及ぼす。女性向けの頭髪外来を持つAACクリニック銀座(東京都中央区)の浜中聡子院長は「ダイエットは1カ月に体重の5%程度が限界。それ以上減らすと、髪に栄養が十分に届かずホルモンのバランスが崩れて抜け毛のリスクが高まる」と警鐘を鳴らす。

 また、ストレスやタバコに含まれるニコチンは血管を収縮させ、髪の毛に十分な栄養が届かなくなる。酒の飲み過ぎも肝臓に負担をかけ、髪の毛に必要なたんぱく質がつくられなくなる恐れがある。
 軽視しがちなのが紫外線の影響。紫外線は頭皮の皮脂を酸化させて抜け毛につながる。外出時には帽子をかぶるのがお勧めだが、頭を締め付けると血流が妨げられ、通気が悪いと汗をかいて毛根に悪影響を与える。ゆったりとして通気性の良い帽子を選ぼう。

 一方、頭をマッサージして血行を良くすることも薄毛や抜け毛対策には有効とされる。東洋医学によると頭には365のツボがあるといわれ、脱毛予防や、頭や首などの血行促進の効果を期待できるツボが伝統的に分かっている。




 頭頂部の中心の百会(ひゃくえ)、耳の上の生え際のくぼみにある角孫(かくそん)、うなじの生え際にある太い筋肉の外側にある天柱(てんちゅう)、その指1本分外側の風池(ふうち)、うなじの生え際から少し上がった中央のくぼみのあ門、後頭部の盛り上がった位置から左右に指2本分のところの玉沈(ぎょくちん)など。指の腹で「痛くて気持ちいい」程度で5秒ほど押す。これを3回程度繰り返す。


■頭皮の色を観察


 佐藤さんは、頭頂部から耳の上まで、指圧しながら両手を下ろしていく頭全体のマッサージや、左右のこめかみ付近に指を当てて後方へ円を描くように揉みほぐす方法を勧める。「爪を立てずに、8割程度の力でゆっくり押す」(佐藤さん)のがコツだ。

 額の生え際に手を当てて指で上下させたとき、眉毛や目尻が動かないときは頭皮が固くなっている可能性があり要注意。固い土に作物が育ちにくいのと同じように抜け毛のリスクが高い。マッサージで頭皮をほぐすとよい。さらに頭皮の色にも注意が必要。赤い場合は炎症を起こしていることがあり、健康な頭皮は青白い。よく観察することも重要だ。


◇            ◇


■効果を期待できる成分も

 脱毛症には髪の毛が成長している途中で抜けてしまう円形脱毛症などの成長期脱毛と、成長期から休止期に移って抜ける男性型脱毛症(AGA)など休止期脱毛の2種類がある。このうちAGAについて、日本皮膚科学会は診療ガイドラインで、男性に「強く勧められる」薬効成分としてミノキシジル(育毛剤)とフィナステリド(飲み薬)を挙げている。AGAは薬で治療効果を期待できる症状だといえる。

 AGA治療の専門医養成に取り組む日本臨床医学発毛協会の松山淳会長は「医師の診断で治療し、いい苗(髪の毛)を育ててほしい」と話す。薄毛は、湿疹や炎症など他のトラブルを併発しているケースも少なくない。毛髪と頭皮にやさしい生活習慣を続けつつ、気になる症状があったら医師に相談して適切な治療を受けるのがよいだろう。

(鈴木康浩)










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