2013年5月2日、今年の流行語大賞は「中国のおばさんパワー」になるという予測が広がっている。米ウォール街の金融界のボスはこのほど、米連邦準備制度理事会(FRB)の意を受けて金を空売りするという大なたを振るい、暗黒の月曜日とされた4月15日には金価格が20%暴落し、世界が騒然となった。だが「中国のおばさんパワー」に対抗することはできなかった。10日間に1000億元(約1兆6000億円)の中国マネーが金市場に流れ込み、300トンの金がすべて買われたのだ。ウォール街が金を売り出せば、多少に関わらず中国人がすべて買い上げた。度重なる空売り競争の果てに、世界企業上位500社に入る米金融グループのゴールドマンサックスは真っ先に白旗を上げた。そうして金融界のボスと中国のおばさんパワーとの金をめぐる攻防戦は、中国側の完全な勝利に終わった。広州日報が伝えた。
4月15日に金価格が1日で20%低下すると、非常に多くの中国人が近所の店で争うように金製品を買い求めた。1件当たりの購入量は数グラムだが、このような人たちは金融市場の底支えをする「中国のおばさんパワー」と呼ばれるようになった。
▽五大銀行、「金は値下がりする」と予測
ゴールドマンサックスはかつて金価格は1オンス1100ドルに値下がりすると予測した。この価格はこれまで12年連続で強気相場が続いていた金市場を考えると、かなり「お値打ち価格」であることは間違いない。金融ルポ「貨幣戦争」の作者・宋鴻兵(ソン・ホンビン)氏は、誰よりも早く中国人が金を大量に購入するという見方を打ち出し、また他国でも同じような状況が起こると述べた。
今年3月以来、英国のバークレイズ銀行、カナダのノバスコシア銀行、フランスのソシエテ・ジェネラル、ドイツのドイツ銀行、米国のゴールドマンサックスが、金価格が低下するとの予測を相次いで打ち出した。ゴールドマンサックスと米政府との密接な関係はいうまでもないし、残り4行はロンドン金市場の値付け業者であり、ロンドン市場の金取引開始価格はこれらの銀行が相談して決めている。これら五大銀行が相次いで値下がりを予測したことに加え、FRBが量的緩和政策(QE)の報告の金利について曖昧な態度を取ったことから、このたびの「金空売り戦」はそれほど単純なものではないことがうかがえる。
この単純でない空売り戦は通貨が株式市場に流れるようにし、経済復興を目指すことが狙いであるようにみえ、また米ドルの支配的な地位を顕示することが狙いであるようにもみえる。だがアジアに市井の買い手が大勢いて十分な購買力があり、その勢いは弱まることがなく、空売りを進める国際金融界の大ワニと対峙し、金価格の低下をくい止めるという事態が起こるとは、まったく予想されていなかった。
ゴールドマンサックスは4月24日、しばらく空売りをやめることを明らかにした。ある人は、ゴールドマンサックスは金のことはよく知っていたが、市場を席巻する中国人パワーのことはまったくわかっていなかったと評した。
中央財経大学金融学院の郭田勇(グオ・ティエンヨン)教授は、ゴールドマンサックスの方向転換は中国経済を改めてじっくりみようとしているからだと話す。
▽「中国のおばさんパワー」にほかの選択肢なし
郭教授の分析によると、中国人は金を非常に強く好み、国際市場での金価格が暴落すれば、中国民間の金購入パワーは非常に大きくなり、国際市場の空売り勢力と対峙するようになる。また、中国経済はある程度減速するとみられるが、ゴールドマンサックスはさまざまな要因をはかりに掛け、国際資本が予測するほどひどいことにはならないとの見方を示す。
だが郭教授は次のような見方も示した。数百万元を出して金のネックレスを100本購入する中国人投資家の間にも閉塞感が広がっている。中国人にも金以外の選択肢はないのだ。
現在の金価格について中国米国商会のクリスチャン・ミュルク会長にたずねたところ、金価格は心理的な期待と密接な関連があるが、米国人の投資習慣には金を資産価値を維持する上でプラスになる投資商品だとする認識がない。米国の株の神様と呼ばれるウォーレン・バフェット氏も、金が現金の流れを生み出すことはなく、投資価値がないとの見方を示す。金・ドル本位制のブレトン・ウッズ体制が崩壊した後、金は通貨としての性質を失い、以上のような見方を支えてきたが、各国の中央銀行の金備蓄は依然として触れてはならない最低ラインとされており、破産が近いとされるキプロスですら金だけは死守しようと努力を重ねている。(提供/人民網日本語版・翻訳/KS・編集/TF)
4月15日に金価格が1日で20%低下すると、非常に多くの中国人が近所の店で争うように金製品を買い求めた。1件当たりの購入量は数グラムだが、このような人たちは金融市場の底支えをする「中国のおばさんパワー」と呼ばれるようになった。
▽五大銀行、「金は値下がりする」と予測
ゴールドマンサックスはかつて金価格は1オンス1100ドルに値下がりすると予測した。この価格はこれまで12年連続で強気相場が続いていた金市場を考えると、かなり「お値打ち価格」であることは間違いない。金融ルポ「貨幣戦争」の作者・宋鴻兵(ソン・ホンビン)氏は、誰よりも早く中国人が金を大量に購入するという見方を打ち出し、また他国でも同じような状況が起こると述べた。
今年3月以来、英国のバークレイズ銀行、カナダのノバスコシア銀行、フランスのソシエテ・ジェネラル、ドイツのドイツ銀行、米国のゴールドマンサックスが、金価格が低下するとの予測を相次いで打ち出した。ゴールドマンサックスと米政府との密接な関係はいうまでもないし、残り4行はロンドン金市場の値付け業者であり、ロンドン市場の金取引開始価格はこれらの銀行が相談して決めている。これら五大銀行が相次いで値下がりを予測したことに加え、FRBが量的緩和政策(QE)の報告の金利について曖昧な態度を取ったことから、このたびの「金空売り戦」はそれほど単純なものではないことがうかがえる。
この単純でない空売り戦は通貨が株式市場に流れるようにし、経済復興を目指すことが狙いであるようにみえ、また米ドルの支配的な地位を顕示することが狙いであるようにもみえる。だがアジアに市井の買い手が大勢いて十分な購買力があり、その勢いは弱まることがなく、空売りを進める国際金融界の大ワニと対峙し、金価格の低下をくい止めるという事態が起こるとは、まったく予想されていなかった。
ゴールドマンサックスは4月24日、しばらく空売りをやめることを明らかにした。ある人は、ゴールドマンサックスは金のことはよく知っていたが、市場を席巻する中国人パワーのことはまったくわかっていなかったと評した。
中央財経大学金融学院の郭田勇(グオ・ティエンヨン)教授は、ゴールドマンサックスの方向転換は中国経済を改めてじっくりみようとしているからだと話す。
▽「中国のおばさんパワー」にほかの選択肢なし
郭教授の分析によると、中国人は金を非常に強く好み、国際市場での金価格が暴落すれば、中国民間の金購入パワーは非常に大きくなり、国際市場の空売り勢力と対峙するようになる。また、中国経済はある程度減速するとみられるが、ゴールドマンサックスはさまざまな要因をはかりに掛け、国際資本が予測するほどひどいことにはならないとの見方を示す。
だが郭教授は次のような見方も示した。数百万元を出して金のネックレスを100本購入する中国人投資家の間にも閉塞感が広がっている。中国人にも金以外の選択肢はないのだ。
現在の金価格について中国米国商会のクリスチャン・ミュルク会長にたずねたところ、金価格は心理的な期待と密接な関連があるが、米国人の投資習慣には金を資産価値を維持する上でプラスになる投資商品だとする認識がない。米国の株の神様と呼ばれるウォーレン・バフェット氏も、金が現金の流れを生み出すことはなく、投資価値がないとの見方を示す。金・ドル本位制のブレトン・ウッズ体制が崩壊した後、金は通貨としての性質を失い、以上のような見方を支えてきたが、各国の中央銀行の金備蓄は依然として触れてはならない最低ラインとされており、破産が近いとされるキプロスですら金だけは死守しようと努力を重ねている。(提供/人民網日本語版・翻訳/KS・編集/TF)
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