2012年2月15日、華字紙・日本新華僑報の蒋豊(ジアン・フォン)編集長は「上海で働く日本の『3F』社員が与える啓示」と題した記事を中国のブログサイトに発表した。以下はその内容。
中国が改革開放を始めてから、上海には多くの日系企業が進出した。当時の日本人社員たちはとにかく勤勉。多くの中国人は彼らの働きぶりを見て、「日本人はまじめですごい」と舌を巻いた。ところが、近年はこうした日本人の質に変化が生じているようだ。日本のビジネス誌によると、日本人というだけで、「学歴」「専門能力」「語学力」が不問という「3F」ポジションが存在するらしい。
日系企業はなぜ、そのような人材をわざわざ採用したがるのか?まずは日本企業の「村文化」が背景にあるといえよう。地縁、血縁を大事にして一致団結する一方で、よそ者は排除する。多くの日系企業は上海に来てもこうした「村文化」を変えようとしないため、たとえ「3F」でも日本人社員を管理職に採用し、中国人社員がどんなに優秀でも会社の中枢には迎えない。
学歴社会の日本で、こうした「3F」たちが有名企業に就職するのは至難の業。要するに上海で働く「3F」の多くは日本で就職先が見つからなかった人たちだ。上海では取引先に安心感を与えるという理由だけで、それなりのポジションに就くことができる。ただ1つ、海を渡ってやって来るそのバイタリティーには拍手を送りたい。
だが、彼ら「3F」が上海の日系企業に与えるマイナス影響は大きい。彼らの給与は中国人社員より高いのに、能力では足元にも及ばない。こうした不公平感や怒りを抱えながら、辞めていく中国人社員も少なくないという。これでは企業の発展にも悪影響を及ぼすことになる。
上海の日系企業は「中国人社員の最低賃金の急激な上昇」を理由に中国市場から撤退する動きも見せているが、まずはこうした人件費の無駄遣いから見直すべきだろう。「3F」社員が幅を利かす光景は日系企業独特の風景となっている。それが良いのか悪いのかは一概には言えないが、中国企業にとって反面教師になっていることは確かだ。(翻訳・編集/NN)
●蒋豊(ジアン・フォン)
25年以上にわたってメディアの仕事に携わる。1999年創刊で年間発行部数324万部を誇る日本の中国語紙・日本新華僑報編集長
中国が改革開放を始めてから、上海には多くの日系企業が進出した。当時の日本人社員たちはとにかく勤勉。多くの中国人は彼らの働きぶりを見て、「日本人はまじめですごい」と舌を巻いた。ところが、近年はこうした日本人の質に変化が生じているようだ。日本のビジネス誌によると、日本人というだけで、「学歴」「専門能力」「語学力」が不問という「3F」ポジションが存在するらしい。
日系企業はなぜ、そのような人材をわざわざ採用したがるのか?まずは日本企業の「村文化」が背景にあるといえよう。地縁、血縁を大事にして一致団結する一方で、よそ者は排除する。多くの日系企業は上海に来てもこうした「村文化」を変えようとしないため、たとえ「3F」でも日本人社員を管理職に採用し、中国人社員がどんなに優秀でも会社の中枢には迎えない。
学歴社会の日本で、こうした「3F」たちが有名企業に就職するのは至難の業。要するに上海で働く「3F」の多くは日本で就職先が見つからなかった人たちだ。上海では取引先に安心感を与えるという理由だけで、それなりのポジションに就くことができる。ただ1つ、海を渡ってやって来るそのバイタリティーには拍手を送りたい。
だが、彼ら「3F」が上海の日系企業に与えるマイナス影響は大きい。彼らの給与は中国人社員より高いのに、能力では足元にも及ばない。こうした不公平感や怒りを抱えながら、辞めていく中国人社員も少なくないという。これでは企業の発展にも悪影響を及ぼすことになる。
上海の日系企業は「中国人社員の最低賃金の急激な上昇」を理由に中国市場から撤退する動きも見せているが、まずはこうした人件費の無駄遣いから見直すべきだろう。「3F」社員が幅を利かす光景は日系企業独特の風景となっている。それが良いのか悪いのかは一概には言えないが、中国企業にとって反面教師になっていることは確かだ。(翻訳・編集/NN)
●蒋豊(ジアン・フォン)
25年以上にわたってメディアの仕事に携わる。1999年創刊で年間発行部数324万部を誇る日本の中国語紙・日本新華僑報編集長
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