新生活生活にだんだんと慣れ、お子さんのいる女性は働きはじめようか迷っている方もいるでしょう。
共働きが当たり前といわれる現代。一昔前とは違い、専業主婦はうらやましいと言われることもあります。
一方で実際に専業主婦の方の中には、その生活を楽しんでいる方もいれば、専業主婦であることに罪悪感を感じている方もいます。
お子さんが小さかったり、転勤族だったり、持病を抱えていたりと専業主婦にならざるを得ない方もおり、家庭の事情はさまざま。ただ、「同年代や同じくらいの世帯年収で専業主婦の人はどれくらいいるのだろう?」と気になっている方もいるでしょう。
今回は過去40年間の専業主婦世帯の割合や、夫の年代・年収別の専業主婦世帯の割合なども見ていきましょう。
過去40年間の「専業主婦世帯」の推移
まずは内閣府男女共同参画局「結婚と家族をめぐる基礎データ」より、1980年~2020年までの専業主婦と共働き世帯数の推移を確認しましょう。1980年には1114万世帯だった専業主婦世帯は、1990年代後半に共働き世帯と同程度の921万世帯になり、2020年には571万世帯まで減少しています。
一方で共働き世帯は1980年に614万世帯でしたが、2020年には1240万世帯へと倍増しています。共働きが当たり前となって随分経つのですね。
同資料によれば、フルタイムの共働き世帯は40年間ほぼ増えていないため、妻がパートタイムでの共働き世帯が増えていることが分かります。
【夫の年収別】30~50代「専業主婦世帯」の割合は?
では次に同資料より、2017年にはなりますが、夫の所得階級別の妻の有業率を見ていきます。
上記より、夫が30代の世帯年収300万円以上について妻の有業率と、そこから無業率の割合を算出します。
夫(30代):妻の有業率(妻の無業率)
・300~399万円:72.9%(27.1%)
・400~499万円:68.7%(31.3%)
・500~599万円:62.6%(37.4%)
・600~699万円:56.3%(43.7%)
・700~799万円:54.6%(45.4%)
・800~899万円:50.8%(49.2%)
・900~999万円:49.0%(51.0%)
・1000~1499万円:48.5%(51.5%)
・1500万円以上:39.7%(60.3%)
30代はまだお子さんが乳幼児から小学生の方が多い年代。子育てに手がかかるため、子どもが小さい間は専業主婦を選ぶ方も多いでしょう。
夫が年収300~500万円台では専業主婦世帯は2~3割ほど。国税庁によれば日本の平均年収は433万円ですが、この年収帯では専業主婦の割合が低いことからも「専業主婦がうらやましい」といわれる理由がわかるでしょう。
夫の年収が600万円を超えると専業主婦は4割を超え、年収900万円で5割になります。
一方で、年収1500万円以上では専業主婦世帯が6割に。4割の女性は夫の収入に関わらず働くようです。
40~50代の女性の有業率はどの年収帯でも同程度で、30代に比べると有業率が高くなっています。この年代になれば子どもに手がかからなくなる一方で、教育費の負担や老後資金もあり働く女性が増えるのでしょう。
専業主婦世帯の平均世帯年収と貯蓄はいくら?
女性が働くか考える際、気になるのは世帯年収でしょう。専業主婦世帯の平均的な年収や貯蓄を知るために、総務省統計局の「家計調査報告(貯蓄・負債編)2020年」から「夫のみ有業世帯」の年収や貯蓄を確認します。
専業主婦世帯の年間収入など
・年間収入:677万円
・世帯主の年齢:49.5歳
・世帯人員:3.22人(18歳未満人員1.05人)
・持家率:77.1%
専業主婦世帯の平均世帯年収は677万円と、600万円台でした。日本の平均年収より上であることが分かります。
また50歳前後の夫婦とこれから進学予定のお子さんが1人いるご家庭で、約8割弱が持ち家です。
貯蓄事情もあわせて確認しましょう。
専業主婦世帯の貯蓄と負債
平均貯蓄額:1488万円
〈内訳〉
・金融機関:1444万円
・通貨性預貯金:543万円
・定期性預貯金:415万円
・生命保険など:292万円
・有価証券:194万円
・金融機関外:43万円
平均負債額:898万円(うち、住宅・土地のための負債847万円)
平均貯蓄額は50歳で1500万円近く。一方で住宅ローンと考えられる負債が約900万円残っています。
これからお子さんを大学などに出し、住宅ローンを返済しながら老後資金を貯めていくとなると、余裕があるとは言えないものの工夫次第で生活できると考えられるでしょう。
専業主婦にならざるを得ないこともある
専業主婦世帯の推移や割合、年収や貯蓄まで見てきました。専業主婦世帯では夫の年収が平均600万円台ということからも、余裕がないと専業主婦になるのは難しいと分かります。
一方で、お子さんが小さかったり、ワンオペ育児であれば仕事と育児の両立は大変です。小学生になっても学校に慣れなかったり、宿題を見たりなど親がるべきことも多いため、お子さんが小さい間は専業主婦にならざるを得ない家庭もあるしょう。
現代では便利なサービスや家電などもあり、またつみたてNISAやiDeCoといった非課税で運用できる制度もあります。ご家庭により事情や環境はさまざまですが、工夫次第で生活したり、将来に備えて資産形成をしたりすることも可能でしょう。
今の状況でできることについて情報収集をして、ご自身の選択に罪悪感を感じることなく過ごせる工夫をしたいものですね。
参考資料
・内閣府男女共同参画局「結婚と家族をめぐる基礎データ」
・総務省統計局「家計調査報告(貯蓄・負債編)2020年」
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