◆学習障害(learning disabilities)〔1991年版 心理学〕
知能指数の低い者(70〜75より下)でも、まれに、ある特殊な技能に優れた才能を発揮することがある(部分性発育制止症)。しかし、平均レベルの知能指数を示す者は、計算はできるが文章は読めない、あるいは運動がまったくだめといった、特定の知的機能に限定された異常は見られないのが普通である。ところが、学習障害児は、こうした知的機能のアンバランスな発達を見せる。
原因が、学習環境の不備や意欲喪失にあるのは、学業不振児と呼ばれ、学習障害児とは区別される(実際の区別は簡単ではないが)。学習障害児は、中枢神経系の微細な器質的疾患にその原因があるとされるだけに、その治療にはむずかしいものがある。さらに、一般知能は普通レベルにあるので、普通学級での教育が望ましいことになり、ますます、診断、治療を困難なものにしている。