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アカデミズム

2014-10-19 | 認知心理学
 アカデミズムの中には、構造的に自閉志向がある。研究の水準を高めるためには、理論的な体系の高度化をめざすことになる。そのためには、どうしても現実よりは理論のほうに目を向けて研究をすることになる。理論が理論を呼ぶような研究環境が作り出されてくる。現実と切り結ぶ研究は、どうしても理論的には雑になりがちで、したがって、評価もされないため、手を出す研究者も少なくなる。かくして、研究環境全体が現実離れした自閉的なものになってくる。

 この傾向は、その学問領域が成熟してくればくるほど強まる。1世紀余の歴史を経て心理学も、成熟学問の域に達したのかもしれない。しかし、成熟はたちまち衰退につながるのが世の常である。そうならないための一つのヒントが、臨床医学や工学の研究スタンスの中にあるように思う。

「卒業単位124」大学問題

2014-10-19 | 教育
「卒業単位124」大学問題

 大学設置基準法で、124単位が卒業要件となっている。4年間で割ると、1年間で31単位となる。3年間あればらくらく124単位をオーバーできる。最近は、文部科学省の指導で、年間に取得できる上限を定めるようになっている。わが大学では、それが48単位。
 かくして、学生は、3年で実質的に大学とおさらばして、就職活動に駆け回ったり、アルバイトに明け暮れることになる。
 教員側からすれば、もうちょっと教え込みたい気持ちを抱えたまま学生を世の中に押し出すことになる。
 大学教育は、授業だけから成り立っているわけではない。課外活動も、また、アルバイトも教育的である。だから、124単位をもっとあげよ、ということではない。このあたりが適当ではないかと思うが、教員側からすると、せっかく高い学費をはらっているのだから、大学が提供する資源をもっと貪欲に活用してほしいとの気持ちがある。