「To err is human」というように、人間のあらゆる機能にエラーはつきものである。そのエラーが不要なものなら、5万年もの進化の歴史の中で、エラーをもたらす機能は陶太されているはずであるが、脈々と生き残り続けてきたのは、エラーが生存戦略として不可欠だからとしか言いようがない。
エラーに内在する生存戦略とは、ポジティブ面とネガティブ面がある。ポジティブ面は、創造的生存戦略である。現状を打開し新たな世界を切り開くためには、エラーしながらのトライアルが必須である。
ネガティブな面は、人間の持つ限られた資源の有効活用を保証するために、当面不要な資源を節約する戦略である。これがもっぱら事故に関わってくる。