「ダンガル きっと、つよくなる」
久し振りのインド映画だなぁ。何でも本作はインド映画史上、世界興収No.1なんだそーだ!
頑固一徹オヤジのマハヴィル役を演じたアーミル・カーンは本作劇中で青年期~シニア世代までを演じるにあたって
ガッツリ作り込んだムッキムキのレスリング体型から中年~老年になってでっぷり腹の出たオッサン体型になるところまで
全て特殊メイクなしの自前で演じたそーで(!)、何と撮影期間5ヶ月間で27㎏の体重増減をやってのけたそうだ。凄過ぎる…
あらすじ…
レスリングの全国チャンピオンまで昇り詰めたマハヴィル(アーミル・カーン)だったが、生活を支える為に泣く泣くオリンピックへの道を断念した。
いつしか彼の夢は「息子に国際大会で金メダルを取らせる事」になったが、4人生まれた子供は全て女の子で夢を諦めざるを得なかった。
そんなある日、長女のギータ(ザイラー・ワシーム)と二女のバビータ(スハーニー・バトナーガル)が近所の男の子と喧嘩をして男の子をやっつけて来た。
その様子を見たマハヴィルは娘2人にレスリングの才を見出し、彼女達にレスリングの猛特訓をするようになるのだが…
タイトルの「ダンガル」は「=レスリング」という意味らしい。
そして本作は映画冒頭に注釈、そして映画ラストにご本人達の偉業についての説明がありますが、実在する人物の半生記を映画化しています。
一応ヒールっぽいキャラも登場するので映画冒頭で「本作はマハヴィルとギータ&バビータ父娘は実在する人物だけどそれ以外の人はフィクションだし
本作を制作するにあたって動物に危害を加えていません」とわざわざ注釈付けてましたね。
最近は劇中でちょっとタバコ吸ってただけで直ぐギャースカ騒ぐ輩とか多いしね、キチクレーマー対策に色々先手を打たなければならないという事なんでしょう。^^;
さてそんな訳で本作…コレねー、少なくとも日本人だったらほとんどの人はどハマりするレベルでしょう!すっごく面白い!!
「王道スポ根」+「親子愛」+「立身出世物語」のトリプルコンボだよ!日本人大好きなネタ詰め込んだ幕の内弁当みたいなヤツだよ!w
なんだろう、インド人と日本人って感動のツボって言うか、メンタリティ似てるのかね?
インド映画=ボリウッド、と聞くと直ぐに思い付くのが「セリフの代わりに突然歌い踊り出す役者達」のシーンだと思うんだけど、本作残念ながらリアル演技ONLYで
所謂ボリウッドらしいシーンというのはないんですが、代わりに色んなシーンでその時の彼女達の心情がセリフの代わりに歌の歌詞になってBGMとして流れて来る。
コレがなかなかコミカルでしかもシーンにバッチリ合っててかなりツボる。幼少期の朝練シーンで流れる曲なんて秀逸ですわー♪
で、本作は実在するインド女子レスリング選手の生い立ちを見せながら、インドならではのお国柄事情を切々と訴えています。
先ずおとーちゃんのマハヴィルは自身がレスリングのインド国内チャンピオンにまでなったものの、国からの助成金が貰えなかった事で国際試合に遠征する費用もなく
それどころかレスリングをやっているだけでは一銭も稼げない=生活が出来ない、という事で家族に懇願されて泣く泣くオリンピックへの道を諦めています。
今も貧富の差が激しく田舎の貧しい村出身者は生活して行くのがやっとだし、それなのにお役所は全く仕事をしてくれなくてどんなに頑張っていい成績を残しても
助成金を出してくれないので、どんなに実力があっても貧民には世界の扉を叩くチャンスすら与えられないのが実状なのです。
またマハヴィルは「きちんと選手を育成しなければインドがメダルを取る事は出来ない」「負けたら叩くだけ叩いてそれっきりじゃー選手は育たない」とも言ってます。
これはきっとインドでオリンピックを目指している全てのアスリート達の心の叫びを代弁しているんでしょうね…
また、都市部やカースト上位の人達はだいぶ変わってきたと言われているものの、今でもインドの田舎の方では男尊女卑がかなり根付いていて
女の子は生まれたら家事と料理だけ叩き込まれて14~5歳になって子供が産めるようになったら親が勝手に決めた相手の所に嫁がせて厄介払いするのが習わしで。
本作の話は一見すると「オヤジが自分の夢の実現の為に娘2人に無理矢理レスリングさせて彼女達のオトメな青春を奪った話」に感じる日本人も多々いるだろうけど
劇中同じ集落の娘の結婚式のお祝いシーンがあって、そこで父親の愚痴を垂れるギータとバビータに向かって花嫁が「私はあなた達の父親みたいな人が親ならよかった」
と語り出すシーンがとても印象的でした。
男尊女卑が激しく女性の社会進出が著しく遅れているインドの田舎にあって、何としても我が娘達には自分の力で立って生きていける子になって欲しい…
そんな親心に気付かされたギータとバビータはようやく目が覚めて本格的にレスリングに取り組むようになります。
…でも練習がイヤだってゴネると髪の毛丸坊主にされちゃうけどね(苦笑)
親子の絆的な流れとしては、成長してからのギータと頑固オヤジの確執…とでもいうのか。
上記の通り子供の頃から頭丸坊主にされて男投げ飛ばす事ばっかりやらされて来たギータが、インド代表強化選手に選ばれて親元を離れて合宿所で生活するように
なると、周囲の仲間の影響と頑固オヤジの恐怖政治から解放された事ではっちゃけちゃう訳ですな。遅まきながらの女子デビュー、って感じで。
妹のバビータはまだ親元に居てオヤジの純粋培養中なんだけど、華やかな外の世界を知ってしまったギータは「もうオヤジのやり方は古い」と反抗的になる。
この辺りからのくだり、凄く好きです。
「巨人の星」からの→「木綿のハンカチーフ」からの~…思いっきり「THE・昭和」テイスト溢れるど根性展開とベタな親子愛に昭和生まれのBBAは泣きっ放しw
ギータがどうしても国際試合で勝てない辛さを涙ながらに語る姿に一緒に涙し、そしてギータの為にちょっと張り切り過ぎちゃって、選手の規約違反を犯して
あわやレスリング界追放の危機に晒された時の頑固オヤジの涙ながらに懇願する姿に一緒になって泣きまくり^^;
インド映画ってどーしてこーも昭和BBAの涙腺刺激するんだろーなー
役者さん達、相当身体鍛えてレスリングの技も習得されているようで、クライマックスの国際試合シーンのド迫力は鳥肌モノです。
事実の映画化なんだから結末全部判っているにも関わらずここまで試合シーン見て興奮出来るって…もうコレ演出がとにかく凄いんですよ!
演出もさることながら、ここまで2時間掛けて観客もギータの成長、反抗、葛藤、努力、覚醒を見守って来ている訳です。
そうなのです……私達観客一人一人、全員「マハヴィル化」しているのです!!(笑)
いやぁ~インド映画最高だなぁ!いや、インド映画だから…じゃなくて本作が素晴らしい作品という事なんだよね。
今んとこ本作「今年一」だなー。いい話だわーホント沢山の人にこの作品を知って貰いたいわ!
久し振りのインド映画だなぁ。何でも本作はインド映画史上、世界興収No.1なんだそーだ!
頑固一徹オヤジのマハヴィル役を演じたアーミル・カーンは本作劇中で青年期~シニア世代までを演じるにあたって
ガッツリ作り込んだムッキムキのレスリング体型から中年~老年になってでっぷり腹の出たオッサン体型になるところまで
全て特殊メイクなしの自前で演じたそーで(!)、何と撮影期間5ヶ月間で27㎏の体重増減をやってのけたそうだ。凄過ぎる…
あらすじ…
レスリングの全国チャンピオンまで昇り詰めたマハヴィル(アーミル・カーン)だったが、生活を支える為に泣く泣くオリンピックへの道を断念した。
いつしか彼の夢は「息子に国際大会で金メダルを取らせる事」になったが、4人生まれた子供は全て女の子で夢を諦めざるを得なかった。
そんなある日、長女のギータ(ザイラー・ワシーム)と二女のバビータ(スハーニー・バトナーガル)が近所の男の子と喧嘩をして男の子をやっつけて来た。
その様子を見たマハヴィルは娘2人にレスリングの才を見出し、彼女達にレスリングの猛特訓をするようになるのだが…
タイトルの「ダンガル」は「=レスリング」という意味らしい。
そして本作は映画冒頭に注釈、そして映画ラストにご本人達の偉業についての説明がありますが、実在する人物の半生記を映画化しています。
一応ヒールっぽいキャラも登場するので映画冒頭で「本作はマハヴィルとギータ&バビータ父娘は実在する人物だけどそれ以外の人はフィクションだし
本作を制作するにあたって動物に危害を加えていません」とわざわざ注釈付けてましたね。
最近は劇中でちょっとタバコ吸ってただけで直ぐギャースカ騒ぐ輩とか多いしね、キチクレーマー対策に色々先手を打たなければならないという事なんでしょう。^^;
さてそんな訳で本作…コレねー、少なくとも日本人だったらほとんどの人はどハマりするレベルでしょう!すっごく面白い!!
「王道スポ根」+「親子愛」+「立身出世物語」のトリプルコンボだよ!日本人大好きなネタ詰め込んだ幕の内弁当みたいなヤツだよ!w
なんだろう、インド人と日本人って感動のツボって言うか、メンタリティ似てるのかね?
インド映画=ボリウッド、と聞くと直ぐに思い付くのが「セリフの代わりに突然歌い踊り出す役者達」のシーンだと思うんだけど、本作残念ながらリアル演技ONLYで
所謂ボリウッドらしいシーンというのはないんですが、代わりに色んなシーンでその時の彼女達の心情がセリフの代わりに歌の歌詞になってBGMとして流れて来る。
コレがなかなかコミカルでしかもシーンにバッチリ合っててかなりツボる。幼少期の朝練シーンで流れる曲なんて秀逸ですわー♪
で、本作は実在するインド女子レスリング選手の生い立ちを見せながら、インドならではのお国柄事情を切々と訴えています。
先ずおとーちゃんのマハヴィルは自身がレスリングのインド国内チャンピオンにまでなったものの、国からの助成金が貰えなかった事で国際試合に遠征する費用もなく
それどころかレスリングをやっているだけでは一銭も稼げない=生活が出来ない、という事で家族に懇願されて泣く泣くオリンピックへの道を諦めています。
今も貧富の差が激しく田舎の貧しい村出身者は生活して行くのがやっとだし、それなのにお役所は全く仕事をしてくれなくてどんなに頑張っていい成績を残しても
助成金を出してくれないので、どんなに実力があっても貧民には世界の扉を叩くチャンスすら与えられないのが実状なのです。
またマハヴィルは「きちんと選手を育成しなければインドがメダルを取る事は出来ない」「負けたら叩くだけ叩いてそれっきりじゃー選手は育たない」とも言ってます。
これはきっとインドでオリンピックを目指している全てのアスリート達の心の叫びを代弁しているんでしょうね…
また、都市部やカースト上位の人達はだいぶ変わってきたと言われているものの、今でもインドの田舎の方では男尊女卑がかなり根付いていて
女の子は生まれたら家事と料理だけ叩き込まれて14~5歳になって子供が産めるようになったら親が勝手に決めた相手の所に嫁がせて厄介払いするのが習わしで。
本作の話は一見すると「オヤジが自分の夢の実現の為に娘2人に無理矢理レスリングさせて彼女達のオトメな青春を奪った話」に感じる日本人も多々いるだろうけど
劇中同じ集落の娘の結婚式のお祝いシーンがあって、そこで父親の愚痴を垂れるギータとバビータに向かって花嫁が「私はあなた達の父親みたいな人が親ならよかった」
と語り出すシーンがとても印象的でした。
男尊女卑が激しく女性の社会進出が著しく遅れているインドの田舎にあって、何としても我が娘達には自分の力で立って生きていける子になって欲しい…
そんな親心に気付かされたギータとバビータはようやく目が覚めて本格的にレスリングに取り組むようになります。
…でも練習がイヤだってゴネると髪の毛丸坊主にされちゃうけどね(苦笑)
親子の絆的な流れとしては、成長してからのギータと頑固オヤジの確執…とでもいうのか。
上記の通り子供の頃から頭丸坊主にされて男投げ飛ばす事ばっかりやらされて来たギータが、インド代表強化選手に選ばれて親元を離れて合宿所で生活するように
なると、周囲の仲間の影響と頑固オヤジの恐怖政治から解放された事ではっちゃけちゃう訳ですな。遅まきながらの女子デビュー、って感じで。
妹のバビータはまだ親元に居てオヤジの純粋培養中なんだけど、華やかな外の世界を知ってしまったギータは「もうオヤジのやり方は古い」と反抗的になる。
この辺りからのくだり、凄く好きです。
「巨人の星」からの→「木綿のハンカチーフ」からの~…思いっきり「THE・昭和」テイスト溢れるど根性展開とベタな親子愛に昭和生まれのBBAは泣きっ放しw
ギータがどうしても国際試合で勝てない辛さを涙ながらに語る姿に一緒に涙し、そしてギータの為にちょっと張り切り過ぎちゃって、選手の規約違反を犯して
あわやレスリング界追放の危機に晒された時の頑固オヤジの涙ながらに懇願する姿に一緒になって泣きまくり^^;
インド映画ってどーしてこーも昭和BBAの涙腺刺激するんだろーなー
役者さん達、相当身体鍛えてレスリングの技も習得されているようで、クライマックスの国際試合シーンのド迫力は鳥肌モノです。
事実の映画化なんだから結末全部判っているにも関わらずここまで試合シーン見て興奮出来るって…もうコレ演出がとにかく凄いんですよ!
演出もさることながら、ここまで2時間掛けて観客もギータの成長、反抗、葛藤、努力、覚醒を見守って来ている訳です。
そうなのです……私達観客一人一人、全員「マハヴィル化」しているのです!!(笑)
いやぁ~インド映画最高だなぁ!いや、インド映画だから…じゃなくて本作が素晴らしい作品という事なんだよね。
今んとこ本作「今年一」だなー。いい話だわーホント沢山の人にこの作品を知って貰いたいわ!