「ミナリ」
本年度アカデミー賞主要6部門にノミネート、更には今年1月のサンダンス映画祭でグランプリと観客賞を受賞した話題作。
監督は韓国系アメリカ人リー・アイザック・チョン氏。出演者の多くも韓国人(韓国系?)、台詞もほとんど韓国語ですが…一応ハリウッド作品になるかな?
「ムーンライト」等を手がけるスタジオ「A24」とブラピの制作会社「PLAN B」がタッグを組んで制作、ブラピも勿論プロデューサーに名を連ねています。
多分昨年オスカーを手にした「パラサイト」からの韓流作品ブームと、BLMに代表される人種・移民の壁的要素を組み合わせて時流に乗った感じ?^^;
あらすじ
1980年代、農業で成功したいと意気込む韓国系移民のジェイコブ(スティーヴン・ユァン)は、アメリカ・アーカンソー州に家族と共に移住。広大な荒地とおんぼろのトレーラーハウスを見た妻(ハン・イェリ)は、夫の無謀な冒険に危うさを感じる。一方、しっかり者の長女アンと好奇心豊かな弟デビッドは新天地に希望を見いだし、デビッドは口の悪い破天荒な祖母(ユン・ヨジョン)とも風変わりな絆を育む。しかし、干ばつなどのために窮地に立たされた一家をさらなる試練が襲う。(Yahoo!Movieから丸パク)
夫婦は共に養鶏場で雛の雌雄選別の仕事に就いていて、雌雄選別の技術は高く評価されてそれなりに重用されているんだけど、夫のジェイコブには野望があって新天地アメリカで土地を買って農場を開き、そこで韓国野菜を作って一山当てたいという思いがある。
劇中でも「毎年3万人韓国から移民が来るから絶対に韓国野菜は当たる」とジェイコブは鼻息が荒いけど、見ず知らずのアーカンソーの見渡す限りなーんもないクソ田舎にいきなり連れて来られて「今日からこのトレーラーハウスで暮らしていく!」とドヤ顔で夫に宣言されて喜んでハグする妻はそうそういないだろうw
家族構成はあらすじにもあるけど夫婦+男女の子供の4人。しかも末息子は心臓に欠陥があり(おそらく心室中隔欠損)病院が身近にないと何かと不都合。学校もおそらくそう近くにはなさそうだし唯一のコミュニティは教会しかない、非常に閉鎖的な地域。更にまだ英語がそれほど達者ではない妻は不安しかなかろうて(苦笑)
おそらくこれが移民のスタンダード。
ジェイコブが購入した荒野の以前の持ち主は文無しになって拳銃自殺をした、というネガティブ情報まで後付けで提示されるがw、それこそ戦前日本人だって大量にブラジルに入植して半ば騙された状態にも関わらずもう逃げ場はないと腹括ってみんな農地を作り上げて行った訳で。
そんなこんなで本作は80年代に大量に移民として渡った【当時よくあるあるだった、とある韓国人移民ファミリーの話】を淡々と綴っている。
小さなエピソードが漫然と流れていくんだけど、夫が農場を開墾している間に妻は当面の生活費を稼ぐ為に養鶏場に勤めに出なければならず、その間に2人の子供の面倒を見てくれる人が周囲にいない事から、韓国に住んでいた妻の母親を召喚して来る。ここら辺りからちょっとユーモラスなエピソードも盛り込まれて来るんだが…
多分このバーチャンが韓国の田舎のスタンダードBBAなんだろうと推察する訳ですが、正直…ごめん自分あんまりこういう人受け入れられないかもしれん(滝汗)
自分の祖母だってそんな山の手の洗練されたおハイソお婆様だった訳じゃない、フツーの田舎のバーチャン(まあ地方都市生まれ育ち程度)だったけど、こんな下品で口汚い事なかったもんなぁ。もし自分のバーチャンがこんなキャラだったらかなり衝撃的だったと思う。
とりあえず栗を孫に食べさせてやるのに、自分の口の中にポイッと放り込んで栗の皮ひん向いてペッて栗の実吐き出して「ほら(食べな)」ってやった段階でNGだったわw
まあ、何はともあれ最初は臭いのキメェの文句タレタレだった孫のデヴィッドも段々破天荒BBAに毒されて(コラコラ)新しい土地での楽しみを見つけていきます。
あーちっともタイトルの「ミナリ」に触れませんがw、「ミナリ」とは韓国語で「セリ」の事だそーで。BBAが韓国からセリの種を持ってきて農場内の清水が湧く小川の近くにセリの種を蒔いて、そのセリが勝手に育っていきます。元々セリは繁殖力が強く放っておいても勝手に増える楽ちん野草なんだそうです。
この「ミナリ」が最後にこの家族の救世主のような役割を果たすのですが、それは実質というよりもむしろ精神的絆の方にウエイトが置かれていたように思います。
努力してもしても空回り、金の切れ目は縁の切れ目ではないけどやはり生活費にも事欠くようになると心も荒むし夫婦関係も悪くなる、それがちょっと上向いてきて「よしこれからだ!」と思ったトコロで急転直下、等々、この手のファミリードラマでありがちなエピソードを1歩も踏み外さずに見事に展開・回収して行くのである意味安心して楽しめるとも言えますが、もう少し何かひねって貰ってもよかったのになぁ~とも思わずにいられない。
余りにもありがちな淡々ドラマなので「その行間からこの家族の葛藤と成長を想像するのが映画通の~」みたいに言われましてもー、みたいなねw
まあ細かいエピですが、ダウジングで水脈探すネタは個人的に結構好きです。
最初は突っ張っていて「俺のやり方でやる!」だったのが段々この土地に慣れてこの土地のやり方を覚えて馴染んで行く、そうやって移民は少しずつ土地の人達の中に入り込んで自分の居場所を見つけて腰を落ち着けて行くのだな、と思わされる(それこそこのエピ観ただけで深読みし過ぎですか?w)秀逸な演出だったと思います。
んー。でも、コレはオスカー…取れますかねぇ?まあ今期ハリウッド作品の新作少なかったしなー。ワンチャンあるかな?どーだろー???
個人的には正直ちょーっと物足らない感ありましたけどね。「何も起こらない系」って割と嫌いじゃない(むしろ好き)けど、本作正直ピンと来なかったなぁー^^;
本年度アカデミー賞主要6部門にノミネート、更には今年1月のサンダンス映画祭でグランプリと観客賞を受賞した話題作。
監督は韓国系アメリカ人リー・アイザック・チョン氏。出演者の多くも韓国人(韓国系?)、台詞もほとんど韓国語ですが…一応ハリウッド作品になるかな?
「ムーンライト」等を手がけるスタジオ「A24」とブラピの制作会社「PLAN B」がタッグを組んで制作、ブラピも勿論プロデューサーに名を連ねています。
多分昨年オスカーを手にした「パラサイト」からの韓流作品ブームと、BLMに代表される人種・移民の壁的要素を組み合わせて時流に乗った感じ?^^;
あらすじ
1980年代、農業で成功したいと意気込む韓国系移民のジェイコブ(スティーヴン・ユァン)は、アメリカ・アーカンソー州に家族と共に移住。広大な荒地とおんぼろのトレーラーハウスを見た妻(ハン・イェリ)は、夫の無謀な冒険に危うさを感じる。一方、しっかり者の長女アンと好奇心豊かな弟デビッドは新天地に希望を見いだし、デビッドは口の悪い破天荒な祖母(ユン・ヨジョン)とも風変わりな絆を育む。しかし、干ばつなどのために窮地に立たされた一家をさらなる試練が襲う。(Yahoo!Movieから丸パク)
夫婦は共に養鶏場で雛の雌雄選別の仕事に就いていて、雌雄選別の技術は高く評価されてそれなりに重用されているんだけど、夫のジェイコブには野望があって新天地アメリカで土地を買って農場を開き、そこで韓国野菜を作って一山当てたいという思いがある。
劇中でも「毎年3万人韓国から移民が来るから絶対に韓国野菜は当たる」とジェイコブは鼻息が荒いけど、見ず知らずのアーカンソーの見渡す限りなーんもないクソ田舎にいきなり連れて来られて「今日からこのトレーラーハウスで暮らしていく!」とドヤ顔で夫に宣言されて喜んでハグする妻はそうそういないだろうw
家族構成はあらすじにもあるけど夫婦+男女の子供の4人。しかも末息子は心臓に欠陥があり(おそらく心室中隔欠損)病院が身近にないと何かと不都合。学校もおそらくそう近くにはなさそうだし唯一のコミュニティは教会しかない、非常に閉鎖的な地域。更にまだ英語がそれほど達者ではない妻は不安しかなかろうて(苦笑)
おそらくこれが移民のスタンダード。
ジェイコブが購入した荒野の以前の持ち主は文無しになって拳銃自殺をした、というネガティブ情報まで後付けで提示されるがw、それこそ戦前日本人だって大量にブラジルに入植して半ば騙された状態にも関わらずもう逃げ場はないと腹括ってみんな農地を作り上げて行った訳で。
そんなこんなで本作は80年代に大量に移民として渡った【当時よくあるあるだった、とある韓国人移民ファミリーの話】を淡々と綴っている。
小さなエピソードが漫然と流れていくんだけど、夫が農場を開墾している間に妻は当面の生活費を稼ぐ為に養鶏場に勤めに出なければならず、その間に2人の子供の面倒を見てくれる人が周囲にいない事から、韓国に住んでいた妻の母親を召喚して来る。ここら辺りからちょっとユーモラスなエピソードも盛り込まれて来るんだが…
多分このバーチャンが韓国の田舎のスタンダードBBAなんだろうと推察する訳ですが、正直…ごめん自分あんまりこういう人受け入れられないかもしれん(滝汗)
自分の祖母だってそんな山の手の洗練されたおハイソお婆様だった訳じゃない、フツーの田舎のバーチャン(まあ地方都市生まれ育ち程度)だったけど、こんな下品で口汚い事なかったもんなぁ。もし自分のバーチャンがこんなキャラだったらかなり衝撃的だったと思う。
とりあえず栗を孫に食べさせてやるのに、自分の口の中にポイッと放り込んで栗の皮ひん向いてペッて栗の実吐き出して「ほら(食べな)」ってやった段階でNGだったわw
まあ、何はともあれ最初は臭いのキメェの文句タレタレだった孫のデヴィッドも段々破天荒BBAに毒されて(コラコラ)新しい土地での楽しみを見つけていきます。
あーちっともタイトルの「ミナリ」に触れませんがw、「ミナリ」とは韓国語で「セリ」の事だそーで。BBAが韓国からセリの種を持ってきて農場内の清水が湧く小川の近くにセリの種を蒔いて、そのセリが勝手に育っていきます。元々セリは繁殖力が強く放っておいても勝手に増える楽ちん野草なんだそうです。
この「ミナリ」が最後にこの家族の救世主のような役割を果たすのですが、それは実質というよりもむしろ精神的絆の方にウエイトが置かれていたように思います。
努力してもしても空回り、金の切れ目は縁の切れ目ではないけどやはり生活費にも事欠くようになると心も荒むし夫婦関係も悪くなる、それがちょっと上向いてきて「よしこれからだ!」と思ったトコロで急転直下、等々、この手のファミリードラマでありがちなエピソードを1歩も踏み外さずに見事に展開・回収して行くのである意味安心して楽しめるとも言えますが、もう少し何かひねって貰ってもよかったのになぁ~とも思わずにいられない。
余りにもありがちな淡々ドラマなので「その行間からこの家族の葛藤と成長を想像するのが映画通の~」みたいに言われましてもー、みたいなねw
まあ細かいエピですが、ダウジングで水脈探すネタは個人的に結構好きです。
最初は突っ張っていて「俺のやり方でやる!」だったのが段々この土地に慣れてこの土地のやり方を覚えて馴染んで行く、そうやって移民は少しずつ土地の人達の中に入り込んで自分の居場所を見つけて腰を落ち着けて行くのだな、と思わされる(それこそこのエピ観ただけで深読みし過ぎですか?w)秀逸な演出だったと思います。
んー。でも、コレはオスカー…取れますかねぇ?まあ今期ハリウッド作品の新作少なかったしなー。ワンチャンあるかな?どーだろー???
個人的には正直ちょーっと物足らない感ありましたけどね。「何も起こらない系」って割と嫌いじゃない(むしろ好き)けど、本作正直ピンと来なかったなぁー^^;