天網恢恢疎にして漏らさず

映画レビューを中心に(基本ネタバレバレです)スキーやグルメ他、日々どうでもいいような事をダラダラと綴っています。

【映画2024】「正体」@61作目

2024年11月29日 | 映画感想
「正体」

染井為人氏著の同名タイトル小説の実写映画化。自分原作小説味読です。
主人公の脱獄した死刑囚・鏑木慶一を横浜流星君が演じています。メガホンを取ったのは「新聞記者」「余命10年」等を手掛けた藤井道人氏


あらすじ
殺人事件の容疑者として逮捕され、死刑判決を受けた鏑木(横浜流星)は脱走に成功。日本各地で潜伏しながら逃走を続ける鏑木が沙耶香(吉岡里帆)や和也(森本慎太郎)、舞(山田杏奈)らと出会う一方、彼を追う刑事の又貫(山田孝之)は沙耶香らを取り調べる。しかし彼らが語る鏑木の人物像はそれぞれ全く異なり、まるで別人のようだった。(Yahoo!検索情報から丸パク)

映画冒頭から魅せる絵ヅラなんだなぁ~ゾワゾワしたわ。
本作とにかくね、キャスティングが良かったと思う。主人公の鏑木を演じた横浜流星君の静と動が目まぐるしく変わる演技も本当に素晴らしかったけれど、彼を支える共演者さん達が全員本当にドンピシャだった!鏑木を追う刑事を演じていた山田孝之さんは既にベテランの域だけど、顔どアップだけで見せなきゃいけないシーンが結構あって…これがまたねーやっぱこの人凄いなぁーと改めて思わされましたよ。
それからいつも飄々としていていいオジサン役のイメージがある松重豊さんが本作ではかなり「悪」なイメージの役を演じられていたんだけど、コレがコレでまたハマるというね。

本作は殺人の罪で死刑判決を食らっている男が脱獄をして、何かをしようとしているらしい…最初は何が目的なのかサッパリ分からないんだけど、話が進んできて彼と関わる人間が一人また一人と増えていくにつれて段々と事件の概要だったり彼のしようとしている事の意図がジワジワ見えてくる…という展開なんだけど、まあそのサスペンス部分も勿論面白いんだけど逃げ隠れしながら生きていく鏑木と奇しくも関わる事になった人々との交流と、鏑木を追っている刑事サイドから見たこの事件とドラマ部分が、サスペンス部分と絶妙な配合で散りばめられていて本当にどんどん話に引き込まれていくんですよね。脚本も凄く上手かったんだと思いますわ。
…と言うか、コレ原作小説きっとすっごく面白いんだろうなぁ。映画観た後からでも原作小説が是非読んでみたいと思わされましたね。

正直、あの事件概要で当の容疑者の鏑木が全く自供もせず犯行を完全否認している状態で、状況証拠と現場に居た唯一の生き残りの被害者遺族のおばはん(PTSDでほぼ会話成立しないレベル)が警察側から都合のいいように質問されて頷いただけで「目撃者の言質取れたー!」からのー→はい、死刑!はちょっと流石に乱暴過ぎるやろ有り得んわwとは思ったけれど、そこが問題じゃなくて「冤罪を生み出してしまう警察・検察の権力思考と土壌」に一石を投じたいという話なんだと解釈していますよ。
実際、日本の刑事裁判は99.9%有罪が確定されていると言われていますよね。要するに起訴された段階でもうほぼ裁判終わっちゃってるレベルな訳でw
その0.1%を勝ち取ろうと思ったら…こんなドラマティックな事でもしないとー!って、いやコレ完全フィクションですからー誰も真似しないでねー←真似出来ねーしw

クライマックス以降、「チクショー泣かせる気マンマンやなあざといなー」とは思いつつもやっぱ泣かされるわさー横浜流星君、よく頑張ったな!…と、ついうっかり横浜流星君のガチ話のよーな書き方をしてしまいましたが(苦笑)、演技ね!演技素晴らしかったって言いたいんだから誤解しないでー💦

と、まあそんな訳で劇場に是非観に行って欲しい作品です。こういう作品の興収が上がってもっと沢山制作されるようになって欲しいなー♪

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