第17話「怪物、容堂」はこちら。
前回の視聴率は21.8%で、二週連続全ジャンル中トップ。逆転もありうるかと思ってた「新参者」は15.1%と一気に下がってしまった。うーん、視聴率はわからん。でも、いちばんうれしかったのは今シーズンのベストバウトに違いない24日の「巨人VS広島」の健闘。あの試合を観るのと観ないのでは野球観が変わるぜよ。
今回は権謀術数うずまく政治のお話。江戸と都の綱引きは、わかりやすいドラマ以上に、さぞや文書のやり取りがあっただろう。攘夷の期日を区切らせるという手法は武市半平太(大森南朋)の妙手だったはず。普天間問題で自分から期限をもうけてしまった現首相の方策がいかに愚かだったか……アメリカが果たして、政治オタクであった京のように突っこんでくるかは微妙だけどね。
さて、政治の妙といえば人事。人をおだて、取り立てることでむしろ武市を孤立させていく山内容堂(近藤正臣)はさすがの怪物ぶり。簡単にのせられてしまう勤王党は、容堂にくらべればやはり無邪気な存在に映る。
地味なストーリーだっただけに演出は戯画化がすぎるのではと心配になるくらい。みんながオーバーアクトするものだから、あの大泉洋が地味に見えるくらいだ。酒井若菜とのからみなど、もっとしっとりやらせてあげたかった。むしろ人斬りに明け暮れた岡田以蔵(佐藤健)が、あっさりと勝海舟に論破されるあたりのコント芝居の方が笑える。これまで。暗い表情しか佐藤にさせてこなかった反動もあるだろうが。
「おめえ、なんでああいうの(龍馬)とつき合わねぇんだよ」
は、人たらしの名人である勝麟太郎らしい名セリフ。明治維新まであと5年。歴史はうなりをあげて動いている。
好調な視聴率はこのまま推移するでしょう。今回は22%ジャストと読みました。阪神VS巨人がとんでもない試合をしているようでも、江戸の視聴率には影響なし(笑)
第19話「攘夷決行」につづく。