70年代以降の落語をきちんと総括していて、こりゃーきっと著者は同世代だなと確信。落語への耽溺が金原亭馬生にはじまるあたり、まるっといっしょです。
しかしそこからがちょっと違う。志ん朝や談志などのスーパースターたちがいながら80年代以降に落語が下火になったのは、古典落語を守ることだけに執着した結果であり、打開されたのは立川流のおかげだと。
そうだろうか。確かに志ん輔という超弩級の新人がいて、談春、志らくなどが続いたとはいえ、談志的なるものの息苦しさもまた落語を狭めてはいないか。ただ、談志が志ん朝よりもはるかに多くの有能な弟子を輩出しているのは確かなのだが。
思い込みの激しい語り口はまるで音楽評論みたいだな、と思ったら広瀬はBURRN!の編集長でした。なるほどー。