おんもしろかったー。すげー面白かった。
全世界でヒットしたのに、評価は最悪。曰く
「これはSFではなく、単なる戦争映画だ」
「ストーリーに起伏がないのではなく、ストーリー自体がない」
だからいいのに(笑)。邦題も原題もB級テイストありありで、それは確かに当たっているんだけれど、それだけじゃないぞこの映画は。
想定外のスピードで地球に隕石群が襲来。しかしその隕石は世界の大都市近郊沿岸部にのみ落ち、着水前に減速するなど、ただの隕石ではなかった……。
もちろんこの隕石は宇宙船で、減速するために逆噴射する画が美しい。「スカイライン/征服」の連中がやったCGじゃないかな。あの、思えばチープな宇宙人襲来映画があったことは、この作品にとってよかったか悪かったか。
少なくともわたしにとっては、オープニングの幻想的なイメージが、マンションのなかの局地戦に収束してしまった「スカイライン」への不満をかなり解消してくれました。確かに宇宙人は世界中を侵略している!ってスケールの大きさはあるもの。ソニー、金かけてます。
ストーリーは確かにシンプル。民間人が警察署で救助を求めているので、空爆が始まるタイムリミット前に救い出すのが前半。後半は、そこからどう帰還するか。それだけ。で、“ついでに”宇宙人の司令部を……(笑)
このストレートさが実にいい。「フルメタル・ジャケット」の後半、あるいは「プライベート・ライアン」の前半のように、観客が兵士と一体化できる。
男はしょーもねー生き物だから、たまにこんな戦闘シーンで闘争本能を昇華させとかないといけないんです。チャージですな。日ごろ、戦争反対とか言ってるくせにねえ。
多様な民族を抱え、建国伝説をもたないアメリカだからこそ、「民間人(まあ、アメリカ人ですけど)を救うために海兵隊員はなんでもやる」というモチベーションが兵士に常にチャージされている背景がよくわかる。米兵が強いわけだわ。
「俺たちは消耗品ですか?」
と不満をもらす兵士ももちろんいて、しかしここからが泣かせるのよ。実はほんとに泣いちゃいました。日ごろ、反米とか言ってるくせにねえ(さすがにあのラストはないだろうけど)。
のべつまくなしに銃弾は飛び交い、空には異様な飛行物体が……真の意味での近代戦を体験できる2時間。全米公開が3月11日だったのは偶然にしても、ひたすら疲れた。帰りはがっつりと焼肉ラーメン食べました。チャージ。